「切なさや奥深さを」、ミュージカル『ピーター・パン』山﨑玲奈・小野田龍之介(下) | アイデアニュース

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「切なさや奥深さを」、ミュージカル『ピーター・パン』山﨑玲奈・小野田龍之介(下)

筆者: 岩村美佳 更新日: 2024年7月17日

2024年7月24日(水)から8月2日(金)まで、東京国際フォーラム ホールCで、8月11日(日)と8月12日(月・祝)に御園座で、8月17日(土)と8月18日(日)に広島文化学園HBGホールで、8月24日(土)と8月25日(日)に、新川文化ホール 大ホールで、そして8月31日(土)に梅田芸術劇場メインホールで上演されます。

昨年に続きピーター・パンを演じる山﨑玲奈さん、フック船長とダーリング氏を演じる小野田龍之介さんのインタビュー後編です。「下」では、演出のブラッシュアップのこと、キャストの変化がもたらす刺激、『ピーター・パン』の世界観の魅力、「芝居をするときは、外の空気感を大切にしたい」という小野田さんのお話、アナログな見せ方だからこその魅力などについてのお話と、読者の方へのメッセージを紹介します。

山﨑玲奈さん(右)と小野田龍之介さん=撮影・伊藤華織
山﨑玲奈さん(右)と小野田龍之介さん=撮影・伊藤華織

ーー先ほどお話されていた、長谷川さんの演出面で変わるところがあるというのは、どのようなところになりますか?

小野田:前回ちょっと抽象的に描きすぎた部分を具体的に、身体的に、表現を増やしてみたり、そういう部分を稽古しながらという感じですかね。まずはトライアンドエラーをたくさんして、少しでもいいものを見つけていく作業が多い稽古です。前回はゼロベースでしたから、やっぱり大変でした。

今回は一度作った部分があるので、そこは本当にクリエイティブに楽しんでいる感じです。とりあえず一度できていて、戻そうと思えば去年に戻せるから、「ちょっと試しにこれでやってみよう」とか。ピーター・パンの稽古はわからないですが、僕は結構いろいろと、ああだこうだ言いながら、次は長谷川メイン演出でやってみよう、次は小野田提案でやってみようとか、いろいろとベストを探しています。さまざまなシーンに、細かいものがあります。

ーー何かが大きく変わるというよりは、ブラッシュアップという感じなんですね。

小野田:まさにそうですね。

ーー山﨑さんは、先ほどピーター・パンの心情的なことをさらに深めるとおっしゃっていましたよね。

山﨑:そうですね。特に新しく作ろうとなったのは、ウェンディが新たに鈴木梨央さんになったことが大きいです。ウェンディとの掛け合いが、ピーター・パンには結構出てくるんですが、そこのシーンをすごく大切に描きたいと長谷川さんがおっしゃっていました。

1幕後半はウェンディとピーターの会話なので、本当にイチから作る感じで、動きや感情だったり、鈴木さんと二人で読み合わせも何回もやらせていただいて、話し合っていますし、寧さんからの提案もいろいろ試しながら作りました。

2幕も、去年やってみたかったけれど、時間がなくてできなかったことなど、試す時間を多く設けてくださったり、長谷川さんがやりたかった演出をできる限りやっていきたいと、どんどん試しています。

今年も去年のベースをなぞっていくのではなく、どんどん新しいことにチャレンジできるのですごく楽しいですし、それこそウエンディとの掛け合いは、人が変わることによって、演出もですが、こんなにも自分の受け取り方も変わるんだなと。二年目ですが、一年目の気持ちで新しいことにチャレンジしています。

ーーお二人から見て、新たなウェンディの鈴木さんはどうですか?

小野田:素敵ですよ。去年と全然違うカラーで、またとても新鮮だし、かわいいです。非常に芯がある、本当に子どもたちのお姉さんっていう感じのウェンディかな。去年のウェンディ像は、もうちょっと大人の女性っぽい感じの演出もついてたんですが、今回は、より等身大感が強いというか。

ウェンディとピーターが掛け合いをしていても、本当に少年と少女が会話して、「だけどやっぱり女の子の方が、お姉さんに見えるよね」みたいなところが、非常にしっくり、わかりやすく描かれているかなと。鈴木さんは子どもの頃からキャリアを持っている方ですから、ミュージカルはまだそんなにやったことがないと言っていましたが、すごく冷静にいろんなことを考えながら作られていますし、僕はベラベラ喋りながら、ずっとふざけてます。

山﨑:すごく話しやすい方で、途中までいつも一緒に帰って話しているんです。勝手に、もっとウェンディそのものな感じのイメージだったんですが、実際はすごく優しくて、話しやすくて。私は普段結構「ウェーイ!」っていう感じのテンションなんですけれども(笑)、それに合わせてくれるというか。

結構テンションが高く、一緒にふざけ合ってくださるので、ワイワイ楽しんでいます。同世代ならではの話もすごくしやすいですし、お芝居についてもよく話し合っています。電車の中で、「今日、あそこはこうでしたよね」みたいな話を一緒にしたり。

去年のウェンディは、私の中ですごく可愛くて、少し背伸びしていて、ピーター・パンみたいに、ちょっとやんちゃな明るいウェンディって感じだったんですが、今年は本当に強いというか。自分もちゃんとウェンディに圧をかけないと、私が押し負けちゃうような強い意志を持っていて、すごく強いウェンディです。駆け引きのシーンでは、「どっちが勝つか」みたいな真剣な駆け引きを、毎回稽古でやらせていただいています。

ーー新たな刺激になりますよね。

小野田:やっぱり、軸となるピーター・パンとフックが、同じ俳優で二年続いているので、ウェンディなど、そこを取り巻く人たちの色味の変化が、今すごく楽しいです。良い化学反応ができるんじゃないかなと。それこそ、鈴木さんは初めてで、壮一帆さんは森新太郎さんの演出版からのカムバック。続投の人たち、初参加の人たち、カムバックの人っていう、面白いエネルギー交換ができるから、もちろんベースは一緒なんですが、去年とはまた毛色の違う『ピーター・パン』をお届けできるんじゃないのかなとわくわくしますね。

ーー小野田さんはダーリング氏も演じられますから、壮さんが新たな奥様役ですが、いかがですか?

小野田:ぴったり! フィット感がすごいですよ。会ったその日から、ずっと二人でゲラゲラ笑っています。まだ飲みに行っていないですが、すごく深い話をしています。芝居のこと含め、ちょっとプライベートなことだったり、これまでの人生のことだったり。稽古中に隣にいるので、ずっと楽しいです。

壮さんは、「森新版の演出がまだ染み込んでます。すみません、取ります!」と言いながら、結構右往左往されているそうですよ。「前回どうだった?」と聞かれて「前回こんなんだったんだよね。でも、こういうのもありだと思うんだよね」みたいな話もしますし。同じ作品をやっているのに、違う演出家でやってきているから、本当に面白いです。なかなかない経験ですね。

ーー『ピーター・パン』を知る者同士のお話ですね。

小野田:「知る者同士の、演出家違い」みたいな。僕は『ウエスト・サイド・ストーリー』ぶりのケースなんですが面白いです。

ーー作品の多面的な見方ができますか?

小野田:そうです。山﨑さんがこれからどれだけの年月ピーター・パンをやるかはわからないですが、人によっては、演出が変わっても、ピーターをやり続けてきた人もいますからね。それができたら、また面白いですよね。

ーー先日、ご一緒にディズニーシーのファンタジースプリングスに行かれていましたね。

小野田:ファンタジースプリングスに新しくピーター・パンエリアができて、せっかくならと一緒に行ってきたんですよね。

ーー昨年から『ピーター・パン』に携わられ、実際に作品世界の中に入って、新たに知った部分などはありましたか?

山﨑:小さい頃からディズニーが大好きで、『ピーター・パン』という作品も本当に好きな作品のひとつでした。初めて見たミュージカルが、『ピーター・パン』だったんです。親についてきてもらって、一緒に観ました。

小野田:その頃は愛媛?

山﨑:愛媛にいた時ですが、東京に観に行きました。

ーー何歳の時ですか?

山﨑:多分小学校低学年の頃で、唯月ふうかさんがピーター・パンをされていたときです。

小野田:信じられないよね。「私ちっちゃいときに初めて見た舞台が『ピーター・パン』で唯月ふうかさんなんですけど」って聞くと、そうか……って。

ーー「そういう世代ともう仕事をしているのか」という感じですね?

小野田:そうなんです。唯月ふうかが初か、どっひゃーって(笑)。印象深かった?

山﨑:印象深かったですね。詳しい内容は覚えていないのですが、一つのアトラクションに乗った気持ちになって、「すごく楽しい!」という思い出でした。

改めてピーター・パンをやらせていただいて思ったのが、小さい頃は「楽しい、嬉しい、ピーター・パンかっこいい」という感想だけでしたが、ちょっと大人になって見てみると感動するというか、こんなに切ないストーリーだったんだなと改めて気づけるというか。ピーター・パンが強がっているからこそ、見えてくる切なさがどんどんわかってきて、作品をやるにつれて深まってきて。『ピーター・パン』はこんなに奥深い作品だったんだなというのがすごい発見でしたね。

小野田:僕はずっと子どものときから、『ピーター・パン』やネバーランドの世界が本当に身近にあって、ディズニーランドへも小さい時からずっと行っているし、寝るときなどにはよくVHS(ビデオテープ)で「ピーター・パン」を流しながら寝るぐらい、非常に心地がいい世界というか。子どもが夢見る全てが詰まっているじゃないですか。人魚がいて海賊がいて。本当に楽しい世界でわくわくするだろうなと思ったけれども、自分が前回出てみて、とても感動したことが印象的でした。

「ピーター・パン」という世界観が、今の子どもにも愛されてて、今の大人ももちろん愛してるんだけれど、今の時代でもこんなに人気があることに感動して。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、『ピーター・パン』の世界観の魅力、「芝居をするときは、外の空気感を大切にしたい」という小野田さんのお話、アナログな見せ方だからこその魅力などについてのお話や読者の方へのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■小野田:トライし続けているからこそ、子どもから大人までワクワクする『ピーター・パン』

■小野田:外の空気を大事にしながら、芝居をした。もっと風が吹いているんじゃないかとか

■山﨑:小道具でのアクションなども含めてアクティブ。ネバーランドの魅力が溢れている

■小野田:非常に人間的なエネルギーがプラスアルファ。生身の人間が走り回る姿の魅力を

<青山メインランドファンタジースペシャル ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』>
【東京公演】2024年7月24日(水)~8月2日(金) 東京国際フォーラム ホールC
【愛知公演】2024年8月11日(日)~8月12日(月・祝) 御園座
【広島公演】2024年8月17(土)~8月18日(日) 広島文化学園HBGホール
【魚津公演】2024年8月24日(土)~8月25日(日) 新川文化ホール 大ホール
【大阪公演】2024年8月31日(土) 梅田芸術劇場メインホール
公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/peterpan/

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小野田龍之介さん=撮影・伊藤華織
小野田龍之介さん=撮影・伊藤華織

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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