2016年9月から10月にかけて東京・神奈川・兵庫で再演されるスペクタクル時代劇『真田十勇士』に、霧隠才蔵役で出演することになった加藤和樹さんの合同取材会が大阪で行われました。その様子を上下2回に分けてご紹介したいと思います。「下」は6月10日に掲載します。(インタビュアー:橋本正人ほか、執筆:きたあつこ)
■「才蔵で」と伺って、まず勘九郎さんにお話をさせてくださいと
――役替わりで再演が決まりましたが、これはどういういきさつですか?
最初はびっくりでした。ホントに。僕は再演と聞いて、また由利鎌之助だと思ってたんです。ちょうど映画のクランクアップ記者会見があったその日にプロデューサーに「(霧隠)才蔵で」と言われ、いやいやいや…っていう感じだったんですよ(笑)。プロデューサーの方も演出の堤(幸彦)さんも、加藤和樹でいきたいというお話を伺って。それであれば是非という返答をさせて頂いたんですね。ただ、僕がやりたいという思いだけではなく、やはりチームでやっているので、周りのみんながどう思うかっていうのが1番気がかりだったので、まず(中村)勘九郎さんにお話をさせてくださいってことは言ったんですね。電話で勘九郎さんにお話させて頂いたんですが、快く受け入れてくださったので、もうこれは全力でやらせて頂こうということになりました。ちょうどその映画の撮影の時も、「次、舞台のメンバーどうなるか」って言う話もしていましたし、その役が演じられない方もいらっしゃるということも聞いていたので、「才蔵誰になるんだろうね」って話は僕自身も楽しみにしていた事だったので。そんな中でのそういう話だったので、自分自身が1番驚いているという…(笑)。
■桃李くんにも良かったと言ってもらえるような才蔵を作りたい
――がらっと雰囲気が変わりそうですか?
そうですね、やはり全然キャラクターが違いますし、特に勘九郎さんが演じる猿飛佐助とコンビでいることが多いので、そこをどう見せられるかというプレッシャーもあります。勘九郎という男の相棒をつとめるわけですから、そこは必死に食らいついていきたいなと思いますね。あとは、松坂桃李くんの演じた才蔵のいいところを受け継ぎつつ…。自分の中でブラッシュアップして、桃李くんにもお客様にも良かったと言ってもらえるような才蔵を作り上げたいと思っています。
――松坂桃李さんとお話しされたのですか?
彼は忙しくて、まだ直接的にはお話できていないんですが、やるということと、自分の思いは伝えてはいるんで、またちょっと落ち着いたときにでもお話が出来ればなぁと思っています。
■演出の堤さんも(前回と)同じようには絶対しないと思います
――インパクトのある由利鎌之助のイメージは、これから変わっていくのですね?
今までは高橋光臣さんが演じる筧十蔵とのコンビだったので、またそこで立つ位置が変わるだけでも違うと思いますし、とにかく再演とはいえ初演の気持ちでやりたいと思ってます。演出の堤さんも同じなんだけど、同じようには絶対しないと思いますし、1回映画を挟んで、堤さんがやりたい演出、舞台ではできなかったスケールの大きい演出だったり立ちまわりっていうものを映画で描いているので、やはりそこからまたギュッと凝縮したものを舞台の世界観でみせると思うんですよね。
――映画ではないであろう、フライングがありますよね?
そこはやっぱり舞台しかできないことですし、前回もそうだったんですけど、佐助、才蔵っていうのはやっぱり忍者という奇想天外な動き、アクションっていうものもあるので、持つ武器が変わればアクションも、変わってきますし、その構えや居方っていうのも変わるので、まずはそこから作り上げていく作業をしたいなと思います。
――フライングはいかがですか?
やったことないんです(笑)。でもそのお稽古はするし、殺陣師の諸鍛冶裕太さんも何度も(一緒に)やらせていただいて、やりたいこともやらせてくれますし、僕も絶大な信頼を寄せているので。そこも、とことんみっちりやってアクションの部分でもカッコ良く決めたいなぁと。
――高い所は大丈夫ですか?
大好きです。
――だったら大丈夫ですね、楽しいかもしれない。前に勘九郎さんの佐助が「動」なら、才蔵が「静」というコンビネーションであるということを、堤さんが仰っていましたが、それは変わらずですか?
そうですね。
■最大限、めちゃくちゃカッコイイ、惚れ惚れするような才蔵に
――前の由利鎌之助も渋くてカッコ良かったです。「絶対に美男子じゃなきゃダメだ」っていうのはあったみたいですね。
だから何でなのかなって(笑)。由利鎌之助からの…ですからね。ひげモジャで男臭い感じで僕は作っていたので、ちょっと小綺麗になるのかなと(笑)。
――キャリアアップですね(笑)。
自分の中での葛藤も、もちろんあったんです。勘九郎さんの隣に立つのにふさわしいのかどうかってのもありましたし。でも、プロデューサー、監督、勘九郎さんが快くOKをしてくれたことで、その胸を借りて自分のできる最大限、めちゃくちゃカッコイイ、見てて惚れ惚れするような才蔵を作り上げていかなきゃいけないなと。ある意味使命感でもありますよね、自分の中での。これはやっぱり桃李くんの意志もありますし、カッコイイだけじゃなく、動けて、クールなんだけど熱い静かに燃える闘志を沸々と内側に秘めている霧隠才蔵という1人の男を演じたいなと思ってます。
<スペクタクル時代劇『真田十勇士』>
【東京公演】2016年9月11日(日)~10月3日(月) @新国立劇場 中劇場
【横浜公演】2016年10月8日(土)~10月10日(月・祝) @KAAT神奈川芸術劇場
【関西公演】2016年10月14日(金)~10月23日(日) @兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
<関連サイト>
スペクタクル時代劇『真田十勇士』 ⇒ http://sanadajuyushi.jp/
Kazuki Kato official web site ⇒ http://katokazuki.com/index.html
<アイデアニュース関連記事>
「惚れ惚れする才蔵に」、スペクタクル時代劇『真田十勇士』出演の加藤和樹(上) ⇒ https://ideanews.jp/archives/22586
「NOと言ってもYESになるんです(笑)」、『真田十勇士』出演の加藤和樹(下)(6月10日掲載予定) ⇒ https://ideanews.jp/archives/22588
加藤和樹さん、2016年9月からの舞台「真田十勇士」で霧隠才蔵役に ⇒ https://ideanews.jp/archives/19179
加藤和樹さんの関係記事一覧は ⇒ ここをクリック
<ここからアイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分>
■「才蔵の色気」は、目線だと思っています
■火垂役の篠田麻里子さんとは「初めまして」
■鎌之助役では、稽古中も片目を閉じていました
アイデアニュース会員登録は⇒こちらから
アイデアニュースは、有料会員のみなさんの支援に支えられ、さまざまな現場で頑張っておられる方々の「思いや理想」(ギリシャ語のイデア、英語のアイデア)を伝える独自インタビューを実施して掲載しています。ほとんどの記事には有料会員向け部分があり、有料会員(月額450円、税込)になると、過去の記事を含めて、すべてのコンテンツの全文を読めるようになるほか、有料会員限定プレゼントに応募したり、コメントを書き込めるようになります。有料会費は取材をしてくださっているフリーランスの記者のみなさんの原稿料と編集経費になります。良質な取材活動を続けるため、どうか有料会員登録にご協力をお願いいたします。