「普通が目標だと全て合致する」、『ペール・ギュント』浦井健治インタビュー(上) | アイデアニュース

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「普通が目標だと全て合致する」、『ペール・ギュント』浦井健治インタビュー(上)

筆者: 岩村美佳 更新日: 2017年10月19日

浦井健治さんが、「日韓文化交流企画 『ペール・ギュント』」にタイトルロールとして出演します。2018年平昌冬季オリンピックの開・閉会式の総合演出も担当する韓国の気鋭の演出家ヤン・ジョンウンさんが演出し、日韓の俳優達が集結して上演されます(東京公演は2017年12月6日から、兵庫公演は12月30日から)。浦井さんに、今感じている作品への思いなどを伺いました。(上)(下)に分けてお届け致します。

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

――作品の資料と台本を読んで、今の印象はいかがですか?

演劇界でシェイクスピアなどと並ぶ、有名なノルウェーの劇作家イプセンの戯曲が原作です。150年前に書かれた昔の作品ではありますが、とてもスピーディーで場面転換もどんどん巻き起こっていきます。僕が演じるペールが「自分探し」をしていて、それゆえに色々なことを体験し、その色々なことから逃げたりするんです。中庸な所から脱却したい、自分こそは特別なんだという思いを抱えていて、ある意味ではそこで自分を正当化する。そういう意味での「旅」であり、その旅の中で、色々な所、色々な人、色々な出来事に出会っていきます。

年齢や人生経験を重ねていくペールが、ダメダメな男として描かれているんですが、それが愛おしいと思えるような感触があって、人間らしさがすごく感じられるんです。観ている人は「こういう感覚はあるよな」とか、もしくはだんなさんや彼氏と重ね合わせて「そういう所あるよね」というような共感をも、ペールには抱くんじゃないかとも思います。ヤンさんが『ペール・ギュント』という作品をとても大切にされていて、今回「日本で浦井君と何か」という話になったときに、この作品のペール役を選んでくださいました。

――ヤンさんと一緒にやるうえで、この作品をというお話になったんですね。

いくつか候補が挙がった中で、『ペール・ギュント』に辿りついてくださったのは、僕にとってすごく運命的だと思っています。これまでの取材などで、いかにヤンさんが大切にしている作品なのかということを感じましたから。例えば、オーセというペールの母親とヤンさんのお母様を重ね合わせていたり、亡くなられたお父様のことを話してくださったり、様々なご経験をされているヤンさんが、ペールに何を思っているのかを強く感じたんです。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、浦井さんが学生時代から考えていたことを演出のヤンさんに見抜かれているなと思ったということなど、インタビュー前半の全文と写真を掲載しています。20日掲載予定のインタビュー「下」では、役を生きることで役者の中に残っていくものなどについて伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■ヤンさんは、日本のミュージカル界でいうと小池修一郎さんのような方

■僕は学生時代、中庸であるとか中途半端という所に抗ってもがいていた

■演劇を信じて裏切らなければ、全てを越えていけると思うんです

■「探し求めていた自分の王国はソールヴェイの中にあったんだ」

<『ペール・ギュント』>
【東京公演】2017年12月6日(水)~12月24日(日)世田谷パブリックシアター
【兵庫公演】2017年12月30日(土)~12月31日(日)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

<関連リンク>
世田谷パブリックシアター『ペール・ギュント』のページ
https://setagaya-pt.jp/performances/201712peergynt.html
兵庫県立芸術文化センター『ペール・ギュント』のページ
http://www1.gcenter-hyogo.jp/contents_parts/ConcertDetail.aspx?kid=4292412353&sid=0000000001
浦井健治オフィシャルファンクラブ”Kopi-Luwak”
https://www.fanclub.co.jp/k_urai/?id=8
浦井健治&STAFF Twitter
https://twitter.com/kenji_staff

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浦井健治さん=撮影・岩村美佳

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. ららら より:

    「トロイラスとクレシダ」を観劇されたヤンさんが、大事に思っている作品「ペール・ギュント」を浦井さんで作りたいと思われた話は印象的です。私もこの作品を観て「浦井さんは語り部のような役者だ」と思ったから。
    古典も新しい作品も過去から現代へ、現代から未来へ語り継ぐように演じているなぁ・・と感じました。
    ペールを浦井さんがどんなふうに演じるのか、どんな世界が繰り広げられるのか、とても楽しみです。

  2. YUMI より:

    国籍を越えて、浦井くんをはじめキャスト達が1つの舞台を作り上げて行く。
    浦井くんがペールを通じて、ペール、そして浦井くん自身とどう向き合って浦井ペールが出来上がってくるか、公演がとても楽しみにしています。
    素敵な記事内容、ありがとうございました。後編楽しみにしています。

  3. ゆず茶 より:

    浦井さんのインタビューを拝見すると、いつもその公演ごとにご自分自身の内面を見つめられ、演じる際や生きることの課題を明確にされていて、こちらも観劇すると学ぶことが多いです。
    今回のペール・ギュントもどんなものが受け取れるのか楽しみにしています。
    濃い記事をありがとうございました。

  4. てんてん より:

    浦井さんの言葉を通して新たな演目の人物像の理解が深まりました。
    ペールギュント楽しみです。

  5. miyabi より:

    韓国キャストとの合同でやる「ペールギュント」という作品で今までとは 違った何かを感じることができそうです。普通であることが一番大事を感じながら観てみたいと思います。

  6. sei より:

    ペールギュント、楽しみにしております!

    今年一年の観劇締めくくりが、浦井君のペールギュント♡

    幸せやなぁ☆彡

    これからも頑張ってください!!

    編集部の皆様、素敵なお写真と、ペールギュントがますます楽しみになるような素敵な記事をありがとうございました☆彡

  7. きゃろ より:

    ペールギュントという作品、韓国の方々とのカンパニー、かたくて難しいイメージがありましたが、楽しそうに生き生きと語ってくださる浦井さんの真摯な探求心が感じられて、後半にはどんなことを聞かせていただけるか楽しみです。素敵な写真もありがとうございます。

  8. さくらそう より:

    浦井さんの言葉には、共感すること、思いもよらなかったことが両方あって、演劇がただの癒しではなくて、自分に人生にとって参考になるものがたくさん含まれていることを実感します。
    早く浦井さんのペールに会いたい!
    後半の記事も楽しみです。

  9. ポチ より:

    浦井君の素敵な記事掲載ありがとうございます。浦井君の毎回の深い観察力や作品や共演の方々スタッフさん達への熱い厚い思いに沢山刺激と新しい色々な見方など教えてもらえて幸せです。今回も素敵な記事掲載ありがとうございます。

  10. ひでまる より:

    今の浦井健治さんの心の奥にある思いや考え、自分への問い、ペール・ギュントに対峙している気持ちがうまく引き出された良い記事だと思いました。普通であることを大切にされている浦井健治さん‥役者も一人の人間であること、特別ではないと、ゆえに作品を身近に感じられ自分もベール・ギュントの旅ができるかもと期待感をもちました。

  11. プラム より:

    『ペール・ギュント』への浦井さんの思いヤンさんのひととなりが伝わってきます。観劇する上でのヒントも散りばめられていて興味深い記事でした!写真の表情も魅惑的!!
    後半の記事に期待が高まっています。はやく目にしたい!明日が楽しみです。

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