「台本3ページ目で大笑いした」、『くるみ割り人形外伝』一色洋平(上) | アイデアニュース

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「台本3ページ目で大笑いした」、『くるみ割り人形外伝』一色洋平(上)

筆者: 達花和月 更新日: 2023年8月4日

KAATキッズ・プログラム2023『くるみ割り人形外伝』が、2023年8月5日(土)から8月13日(日)までKAAT 神奈川芸術劇場 <大スタジオ>で、8月19日(土)に穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホールで、8月26日(土)にまつもと市民芸術館 小ホールで、9月10日(日)にJ:COM 北九州芸術劇場 中劇場で上演されます。出演は、大橋凜乃さん / 澤田杏菜さん(Wキャスト)、中村鶴松さん、一色洋平さん、ももさん(チャラン・ポ・ランタン)、山之口理香子さんです。アイデアニュースでは、「演劇の案内人」役と「クララの父」役などを務める一色洋平さんにインタビューしました。

「上」では、作品への出演が決まったときの思いと、初めて台本を読んだときのこと、主人公クララ役の大橋凜乃さんと澤田杏菜さんの印象や作品を観る子どもたちへの思いと、7年ぶりの共演となる中村鶴松さんについてのお話を紹介します。「下」では、演出の根本宗子さんのこと、本作の一色さんの役については当て書きだというお話や、「すごく痛いところをついてくる」という観点からのこの作品の魅力、子どもだけではなく大人にもという一色さんの想いについてお話ししてくださった内容と、お客さまへのメッセージを紹介します。

一色洋平さん=撮影・NORI
一色洋平さん=撮影・NORI

(※このインタビューは6月下旬に実施しました)

――『くるみ割り人形外伝』のご出演がきまったときのお気持ちはいかがでしたか?

作・演出の根本宗子さんから「2023年の夏頃は何をなさっていますか?」と、昨年の初め頃にお声がけいただきました。そのときは、まだ概要は聞いていなかったんですが、でもとにかく「宗子さんとまたやれるなら」という思いで、即OKしました。宗子さんとは2018年に初めてご一緒しているんです。

――演劇実験「根本宗子」第1実験室『コンビニ』でしたね。

30分ぐらいの短編を、いつも宗子さんがやられてるような現代会話劇風に演出するパターンと、めちゃくちゃ肉体派で演出するパターンの2つを同時上演したんです。最初に会話劇パターンを田村健太郎さんと岩瀬亮さんが演じられて、次に同じ脚本を僕と宮河愛一郎さんが、全く同じセリフですごく肉体派っぽく演じるんです。30分ずつの尺で1時間終わったら、その後はお客さまと一緒に「どうだった、こうだった」ってトークをして。その日の「フィードバック」みたいなことを、お客さまを含めて話すんです。

――お客さまも含めてですか!?

会場がギャラリーみたいなところで、終演後にそのままトークしたんです。その時から宗子さんの、とにかく湯水のようにあふれる演劇愛と、演劇アイディアがずっと好きだったので「またご一緒できる」という喜びと、あとやっぱり、KAATにもずっと観には来ていたんですけど、なかなかご縁がなかったので、ようやく「関係者になれる」という思いでしたね。

――KAATへのご出演は念願だったんですね。

初めて観に来たのは『ペール・ギュント』(2015年)という作品でした。石丸さち子さん演出で、僕も『ペール・ギュント』(2012年)をやっていたので、石丸さんと「観に行くしかないね!」って観に来たんです。ペール・ギュントという男の、20歳から年老いて死ぬまでという、すごく壮大な物語の「生と死」に、KAATでは「震災」を絡めていて「こうなるのか、なるほどな」と。

――オファーの時点で概要はご存じなかったとのお話でしたが、役柄などもわからない状態でお返事されたんですか?

役柄は全くわからなかったです。「宗子さん」と「KAAT」本当にその二つだけで「はい!」って(笑)。

――今回の役どころは「物語の案内人」だそうですね。

正式には「演劇の案内人役」です。僕は根本宗子さんの作品をたくさん観て、関わらせてもいただいてきたんですが、今回の役は群を抜いて好きなんです。これは宗子さんファンにも観て欲しいですし、演劇ファン、大人から子供までぜひ観て欲しいんです。というのも、僕は台本読んで3ページ目で大爆笑したんです。3ページ目で「これ」をする脚本に出会ったことがなくて、でも「よくぞやってくれた!」と思って(笑)。

そういうこともあって、僕は今回の本が大好きなんです。全部で30ページくらいで、最初はパソコンで見たんですけど、PDFファイルは現在のページ数と全体のページ数が表示されるじゃないですか。読み進めていくと現在のページ数がカウントされて全体のページ数に近づいていく、あれがもう寂しくてしょうがなくて。「もうあと2ページで終わっちゃう!」みたいな、読み終わるのがすごく寂しかったんです。

――読み終わるのが寂しくなるぐらい、ものすごく楽しかったんですね!

今回やらせていただくのが、その名前の通り「ストーリーテラー」的なところがあるんですが、ストーリーテラー的な役どころは、11年間ぐらいずっとやりたいと思い続けてきたんです。早稲田の演劇研究会の初舞台の役が、物語の案内人というか「ストーリーテラー」だったんです。その次の舞台もストーリーテラーで、なぜか2作続いたんです。そのとき、「共演者と会話をするときの楽しさ」と「観客を掴んでいく楽しさ」を両方とも味わえて、「ストーリーテリングする」というのが楽しくって。いつかまたストーリーテラー的な役をやりたいと思っていたら11年経っていました。宗子さんの今回の本を開けてみたら、まさにそんな念願の役だったので、今自分がどんなふうにお客さまを引っ張っていくようになったんだろうということなど、いろいろと楽しみです。

――「ストーリーテラー」は、舞台上の演者と客席の観客、その双方を同じ重みで相手をしなければならないと思うのですが、ひとりでベクトルが違う複数に相対するのは大変ですか?

そこが面白いんですよ。でもそれもやり方にもよって、例えば相手役と喋っていてフッと「そのときこう思った」って客席に振り返って投げかけることもできるし、相手役を見たまま「そのときこう思った」と、客席にベクトルを向けずにストーリーテリングすることもできる。客席をどう連れて行こうというのは、今パッとお話しした例だけでも2パターンあるんです。「ところが次の瞬間」っていう台詞があったとして、客席にベクトルを繋いだままでも言えるし、途中で切ることでもできるし、全く切ったままでも言える。ストーリーテリングというのは、もちろん映画にも登場しますけど、基本的には舞台ならでの役だと思うんです。通常の役に特化するときの「役を生きる」ということ以外にも、楽しみが増えるんですよ。

――役を生きるといえば、『鋼の錬金術師』の ダブル主演として、先日エドを演じきられていかがでしたか?

終わってもう3ヶ月ぐらい経ちましたけど、やっぱり1日もエドが抜けないんですよ(笑)。鏡を見て「お前の中にエドが居るんだからな」という感覚を、自分に言い聞かせている部分もあったりして、ちょっと不思議です。あれだけ大きい役を任せていただけると、抜ける抜けないというか「居る」みたいな。おこがましいですけど「自分の中にエドが居てくれてる」みたいな感じがありますね。

――拝見しましたが、生き生きと縦横無尽に舞台を動き回るエドがまぶしくて、本当に鮮烈な印象を受けました。

ああいう立ち位置を少しずつ任せてもらえるようになって、後輩とかも増えてきました。でもそんなにアドバイスをするとか好きじゃないので、周りを見ていたりする方なんですけど…。この間、関係者に『鋼の錬金術師』DVDの特典映像が届いたので観てみたんですが、自分がすごくいろんな顔をしていました。

――役を演じていない素のときですか?

そうです。もうビクビクしている顔もするし、稽古中はずっと、ダウナー系の顔というか、なにか恐れているような顔をしてるんですよ。インタビューを受けたり、メイキングでカメラをフッと向けてくれたときの顔が「なんかビクビクしてるな、この子」と思っちゃうぐらい、何かずっと恐れているんですよ。いま稽古中の自分を客観的に見てみて、自分のことながら「あの時、なにかいろんなものを抱えていたんだな」というのが改めてわかって。でも、多少いい顔もしていると思ったので「いい顔させてもらえる仕事に出会えた」という思いがありますね。

――今回は、「ストーリーテラー」以外にも、物語の当事者としての役割もあるのでしょうか?

あります! 本当に「よくぞお聞きいただいた」という感じなんですが、もう本当に「手が空いてるところは全部やる」みたいな感じで、結構忙しくなりそうなんです(笑)。「ストーリーテラー」という役割はありつつも、実はそれだけがメインでもないみたいなところもあって。もうひとつ大切な役で、クララという主人公の女の子のお父さんも演るんです。「父親役」というのははじめてなので、早くも僕の父性は爆発している状態なんです(笑)。子役ちゃん2人を見るともう可愛くて可愛くて。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、主人公クララ役の大橋凜乃さんと澤田杏菜さんの印象や作品を観る子どもたちへの思いと、7年ぶりの共演となる中村鶴松さんについてのお話などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。5日掲載予定のインタビュー「下」では、演出の根本宗子さんのこと、本作の一色さんの役については当て書きだというお話や、「すごく痛いところをついてくる」という観点からのこの作品の魅力、子どもだけではなく大人にもという一色さんの想いについてお話ししてくださった内容やお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■はじめての「父親役」。クララ役の2人の可愛さに、早くも僕の父性はピークに!

■小学校での観劇体験。体育館のてっぺんからのスタントだけは、今も鮮明な記憶に

■コクーン歌舞伎で、手取り足取り懐広く教えてくれた中村鶴松くん。そこから仲良く

■「みんなの大切なおもちゃを1ヶ所に持ち寄る」という、子どもの時に経験した感覚

<『くるみ割り人形外伝』>
【神奈川公演】2023年8月5日(土)〜8月13日(日) KAAT 神奈川芸術劇場 <大スタジオ>
【豊橋公演】2023年8月19日(土) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
【松本公演】2023年8月26日(土) まつもと市民芸術館 小ホール
【松本公演】2023年9月10日(日) J:COM 北九州芸術劇場 中劇場
公式サイト
https://www.kaat.jp/d/kurumi

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一色洋平さん=撮影・NORI
一色洋平さん=撮影・NORI

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<筆者プロフィール>達花和月(たちばな・かずき) 遠方の友人を誘って観たお芝居との出会いがきっかけで、演劇沼の住人に。ミュージカルからストレートプレイ、狂言ほか、さまざまな作品を観劇するうち、不思議なご縁でライターに。熱っぽく自らの仕事を語る舞台関係者の“熱”に、ワクワクドキドキを感じる日々。 ⇒達花和月さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. みゆ より:

    記事楽しく拝見させて頂きました。
    おもちゃ箱をひっくり返した様な作品、色んな要素が詰め込まれてそうで、今からとっても楽しみです。
    素敵なお写真もたくさんありがとうございます

  2. ゆか より:

    いつも充実のインタビューありがとうございます。
    とっても多才な洋平くんの新たな挑戦、とっても楽しみですね。

  3. ようこ より:

    素敵な記事、ありがとうございます!
    個人的にも一色さんの父親役はいつか拝見したいなと思っていたので、夢が叶ったような気持ちです。「僕の父性は早くもピークに達しようとしています」とのことで、ワクワクしています!
    また、いつもながらインタビューだけではなくお写真もとても素敵ですね☺️

  4. より:

    演劇界で大好きな一色さんと歌舞伎界で大好きな鶴松さんが共演する舞台!本当に楽しみです!(残念ながらコクーン歌舞伎の共演は映像でしかみたことがなく…)

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