中川晃教さんのコンサート『I Sing 〜Wonderful Wonder〜』が、2018年11月16日(金)にオーチャードホールで開催されます。シンガーソングライターである中川さん自身が書いた楽曲の数々、『ジャージー・ボーイズ』『フランケンシュタイン』からミュージカルナンバー、さらにはこのコンサートのために書き下ろした新曲と、中川さんの様々な歌声を堪能できるコンサート。そこには音楽を届ける、楽しんでもらいたいというシンプルなワクワクが詰まっています。オーチャードホールでコンサートを開催することへの思い、どんなコンサートになるのかについてはもちろん、10月に韓国・仁川で行われたミュージカルフェスティバル出演しての思いなどについても伺いました。韓国ミュージカルフェスでの様子も無料動画でご覧頂けます。※【2019年3月13日追記】この記事は、有料部分の例としてみなさまに見ていただけるように、記事の全文を無料で読んでいただける状態にしました。
ーー今回はどういうコンサートにしようと思って作っていますか?
いよいよオーチャードホールで開催させて頂きます。今までオーチャードホールで歌ったことはあるんですが、自分のソロコンサートでははじめてになるので、そういう意味でステップを上がることに対する意気込みと、これまでのコンサートや様々な経験を生かしていいものにしようと思っています。先日韓国で歌わせて頂いたことや、『ジャージー・ボーイズ』全国ツアー、舞台『銀河鉄道999』〜GALAXY OPERA〜での星野鉄郎役など、今年は自分の力を試せる幅が広がっている実感があるんです。例えば芝居ならば、様々な役を演じることはこれまでと変わらなくても、どう演じるのかというところで明瞭に目標が見えてきたり、トワングという声ひとつをとってもそうですし、益々やりがいを感じている今の自分だからこそ、今回のオーチャードホールでの単独コンサートが、自分にとって明確な目標であるステージにしたいという思いで動きはじめました。
ーーオーチャードホールでやろうということになったときは、まずどう思いましたか?
ラミン・カリムルーさん、マシュー・モリソンさん、MonSTARSのコンサートへのゲスト出演や、『「蜜蜂と遠雷」リーディング×オーケストラコンサート〜コトダマの音楽会〜』など、近年オーチャードホールで行われたコンサートに出演させて頂いて感じた空気感を自分のコンサートでは是非生かしたいと思いました。
※こちらは有料会員限定部分の中で詳しく語られている韓国での『2018スターライト・ミュージカル・フェスティバル』の中川さんのあいさつ部分と、同フェスティバルで中川さんがミュージカル『フランケンシュタイン』から「偉大な生命創造の歴史が始まる」を歌ったシーンの一部の動画です。(今回のコンサートのリハーサルの様子を撮影した追加動画は、インタビュー「下」に掲載します)
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、コンサートで歌う曲のセットリストをどのようにして考えているかや、韓国で開かれた『2018スターライト・ミュージカル・フェスティバル』に出演して思ったことなどについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。11月14日掲載予定のインタビュー「下」では、ミュージカルを観客とともに育てていくことへの思い、ミュージカルを作りたいと言い続けている本音の部分、海宝直人さんとの対談の際に伺った「行ききりたい」という思いなどについて語ってくださったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■全て一つのものの中に存在すると考えれば、何かとてつもないものが生まれそう…
■ミュージカルとコンサートは別と思われないように「総体」のセットリストを
■韓国は国が法律で守っているから聴きたいものを聴ける、ミュージカルの楽園
■縛られない感じが楽だった。ミュージカルなのにミュージカルに縛られていない
■フェスであれだけ聴かせられ、お客様が答えてくれる。日本もそうなるといいなと
<中川晃教コンサート2018『I Sing ~Wonderful Wonder~』>
【東京公演】2018年11月16日(金) 開演19:00 (予定)
会場:Bunkamuraオーチャードホール
チケット:S席¥8,640 A席¥6,480 (全席指定/税込)
Bunkamuraオーチャードホールのページ
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/kashi/20181116.html
<関連リンク>
中川晃教オフィシャルサイト
http://www.akinori.info/
中川晃教オフィシャル Twitter
https://twitter.com/nakagawa1982aki
- 「強めて、深めて」『JBB Concert Tour 2024』、中川晃教・藤岡正明・東啓介・大山真志(下) 20240521
- 「続けていく」、『JBB Concert Tour 2024』、中川晃教・藤岡正明・東啓介・大山真志(上) 20240520
- 『THE PARTY in PARCO劇場 PARTⅡ~Spring~』、3月30日・31日開催決定 20240209
- 「8月1日になると、渋谷のスクランブル交差点を思い出す」、中川晃教デビュー20周年 20210801
- 井上芳雄・中川晃教、帝劇で『僕らこそミュージック』コンサート開催へ 配信あり 20200831
- 「前向きな明るい気持ちになって欲しいから、僕は歌う」、中川晃教インタビュー(下) 20200710
- 「ミュージカルを書く夢に突き進む僕を見てほしい」、中川晃教インタビュー(下) 20181114
- 「コンサートには経験のすべてが詰まっている」、中川晃教インタビュー(上) 20181113
- 【動画】中川晃教コンサート『I Sing ~Wonderful Wonder~』リハーサル 20181106
- 「強めて、深めて」『JBB Concert Tour 2024』、中川晃教・藤岡正明・東啓介・大山真志(下) 20240521
- 「続けていく」、『JBB Concert Tour 2024』、中川晃教・藤岡正明・東啓介・大山真志(上) 20240520
- 「真面目に、真面目をやる」、『M’s Musical Museum Vol.6』藤岡正明(上) 20240423
- 「影アナウンスから楽しさ全開」『加藤和樹×朝夏まなとTHE Roots Returns-Thank you-』、11月26日CS衛星劇場で放送決定 20231006
- 「ベン・ハーの韓国語ソロ曲。1000回以上聴いて練習」、加藤和樹(下) 20230807
- 「ミュージカルの世界を“聴く”」、『LIVE in the DARK tour w/加藤和樹 -星空リサイタル vol.1-』加藤和樹(上) 20230806
※中川さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは12月13日(木)です。(このプレゼントの募集は終了しました)
※【2019年3月13日追記】この記事は、有料部分の例としてみなさまに見ていただけるように、記事の全文を無料で読んでいただける状態にしました。
※ここから有料会員限定部分です。
■全て一つのものの中に存在すると考えれば、何かとてつもないものが生まれそう…
色々な歌を歌う機会があるのですが、『ジーザス・クライスト・スーパースター』の「Heaven on Their Minds」、マイケル・ジャクソンの「EARTH SONG」、マシューさんと一緒に歌った『ファインディング・ネバーランド』の曲など、新しい曲に挑戦したときに思うことがあります。そのときにたまたま僕の歌を聴いてくれた方が、この曲をこう歌うのか?そして、他の歌も聞いてみたいな?とか。僕自身も歌はただ歌うだけではなくて自分の中に取り込んでさらに深く表現することをモットーとしています。今回セットリストを考えるときに、ミュージカルの歌もやはりこれまでにそこで歌った曲を歌ってみようかなと考えました。オーチャードホールという場所にお客様も親近感を覚えていると思いますし、僕自身もリラックスして歌えます。
ーーそういう思いを経て、セットリストはどういう構成にしたんですか?
最近の自分自身のコンセプトになっているのが「総体」という言葉なんです。18歳のときに「I WILL GET YOUR KISS」でデビューして、翌年『モーツァルト!』でミュージカルデビューして、音楽とミュージカルの両方を眼前に見つめながら20代を生きてきました。30代に入って自分が歩んできた時間を振り返ってみると、ミュージカルのなかで役として歌うことの自分にとってのカタルシスは、歌手が歌っているのとは違って、役として芝居として歌っていると思えるようになったこと。すなわち、音楽とミュージカルを分けてしまうのではなくて、全てを一つの中に含めてしまうということなんです。お客様も僕の出演するミュージカルをきっかけに僕の作る音楽を聞いてくれたりするし、僕の音楽が好きだったファンもミュージカルを好きになってくれたりする。全て一つのものの中に存在すると考えれば、何かとてつもないものが生まれそうではないですか? セットリストは色々なものが楽しめるようになっています。
■ミュージカルとコンサートは別と思われないように「総体」のセットリストを
コンサートで新曲を作り続けてきたこと、経験させて頂いた数々のミュージカルの役を、舞台ではなくコンサートで届けていくこと。歌謡曲というと昭和っぽいですが、例えば海外でいえば「Can’t take my eyes off of you」は、フランキー・ヴァリたちが生きた50’s、60’s、70’sの時代を匂わせる音楽。日本の音楽シーンのなかにもそれと同じものがあるとするならば、昭和というものや、日本のいい音楽というものを語り継いでいくプロの歌手のみなさんと出会う機会があり、ミュージカルとそれは別物と思われがちですが、そうではなくて実は一緒なんだと感じることができているので、誰もが知っている「見上げてごらん夜の星を」などの名曲を織り交ぜながら、ひとつの自分らしさを、もう一度コンサートのなかで思い描いてみようと思ったんです。そのときに「総体」という言葉がコンサートを考えるうえですべてを包み込んでくれると思えました。
もしかすると、僕のコンサートを観たことがない人は、僕が何者かわからないわけだから、観にきて、聴きにきて、感じてほしいところでもあります。幅広い音楽、ミュージカルに出会ったことで表現の幅が広がったとしても、役と出会ったお客様には、表現の幅って関係ないと思うんですよ。例えば星野鉄郎とフランキー・ヴァリを観たら、それは幅だとわかると思います。でも、作品を観にきたお客様は、幅を観にきているわけではなくて。そこが今の自分がミュージカルシーンのなかでもし自分の立場みたいなものが、自分自身が欲するミュージカル世界のなかでの立場を、表現したり体現したり感じてもらえる機会があるんだとすれば、それはやはりコンサートで表現したい、体感してもらいたいと思えました。そこが「総体」という言葉のもつ自分のコンセプトであり、選曲に繋がっていきました。「総体」というのは、今までの自分が経験したきたことすべてがコンサートに詰まっているということなんですよね。ミュージカル作品とコンサートの両方が自分のなかにあるもので、コンサートは別なんだと思われないようにセットリストを考えているんです。
■韓国は国が法律で守っているから聴きたいものを聴ける、ミュージカルの楽園
ーー韓国ミュージカルフェスは、私も現地で体感してその盛り上がりに驚きましたが、あの空間で歌ってみていかがでしたか?
初めて韓国でミュージカルナンバーを歌いましたが、日本ではミュージカルナンバーを歌える場所ってそうそうないじゃないですか。そこには、複雑ないろんな権利関係の問題がありますが、韓国は国が法律で守っているからできているところで、日本でやろうとすると、ものすごいお金がないとできなかったりするんですよね。そういうことも含めて、ある意味カルチャーショックに近い感覚があって、縛られずに聴きたいと思うものを聴ける場所が韓国にあることを、ダイレクトに感じたんですよ。ミュージカルの楽園といってもいいような、ブロードウェイにも、ウエストエンドにもないんじゃないかと思うくらいのものでした。
もちろん韓国の方々が上手いというのは聞いてはいましたが、とりわけ女性がべらぼうにうまくて圧巻でした。そして、上手いだけではなく、確実にニーズがあって競争している。そのポジションを求めて韓国中、世界からすごい人達が集まっているんですよね。国籍はアメリカだけれど、コリアンの血が入っているからと、韓国で大抜擢されている人がいる。そうやって韓国は世界へ開かれているんだなと感じたときに、お客様にも開かれているんだと思いました。そこで、日本のミュージカルはなんて窮屈なんだろうと思ったんです。
■縛られない感じが楽だった。ミュージカルなのにミュージカルに縛られていない
これまではいい意味で日本のミュージカルシーンは変化している途上なんだと思っていましたが、本当の意味で実力のある人間達がいれば、韓国のような方向への変わり方をするのかもしれません。でも、日本の場合はちょっと違うなと。日本もみんなでレベルが上がっていけば、さらに盛り上がっていくだろうし、実際に、今一般にもミュージカルが浸透しはじめていますよね。今回、韓国に行ってみて、縛られないという感じが楽だったんです。ミュージカルなのに、ミュージカルに縛られていない。あれだけ2日間に渡ってミュージカルナンバーを聴いているのに、ミュージカルを聴いたという感覚じゃなくて、いいものを見た、いい歌を聴いた、盛り上がった、楽しかったと感じた。それが自分にとってのミュージカルだと思えたんです。
そこで歌い方や自分のなかで感じたことは、これまでもずっと世界を視野に入れてやってきているんですが、それは決して自分がべらぼうに英語が話せて、今すぐにでも世界にいって活躍できるという意味ではなくて、日本にいても本物の歌に触れられることはできるんです。オリジナルキャストが歌っていた歌をCDなどで聴いていて、来日コンサートなどで聴いたときに、やっぱりすごいと思う、本物に触れられる機会が増えてきているという意味で、世界を意識するということなんですよ。
「I WILL GET YOUR KISS」でデビューしたとき、洋楽が好きで自分が聴いてきた音楽が自分のなかにあって歌ったときに、日本のなかでは洋楽的だとか、マイケル・ジャクソンみたいだとか、女性のような声だとか、R&Bだとかいわれたんですよね。僕は、レイ・チャールズ、スティービー・ワンダー、ホイットニー・ヒューストン、シスコなどが好きでしたし、2001年にデビューしているので、バックストリート・ボーイズなど2000年代の曲も聴いています。洋楽に向いていた自分の感性が自分の音楽にはあって、今ミュージカルのなかで感じているものも一緒なんだなと。それが韓国に行ってわかったというか。
■フェスであれだけ聴かせられ、お客様が答えてくれる。日本もそうなるといいなと
夏にイギリスに行ったときは勉強に行く感覚で、ミュージカルなどの作品を観に行きました。その時には感じていたけれどそこまでわかっていなかったんです。作品のクオリティや面白さに感動していました。韓国で感じたことというのは少し違って、もっと歌が歌える人達が増えていいと思いますし、歌だけで人の気持ちを掴める人達がもっと増えていいと思いました。自分が目指している方向はそこから大きく外れていなくて、歌が歌える人はミュージカルだけじゃない、フェスでもあれだけの歌は聴かせられるし、そこにお客様が答えてくれる景色は当然だと。その倍増していく感じのように、日本でもこれからそうなっていくといいなという思いを抱きながら、自分のコンサートのことも考え始めたというのは大きいです。
※中川晃教さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは12月13日(木)です。(このプレゼントの募集は終了しました)
この中川晃教さんインタビューの「下」は、こちらです(全文無料公開しています)。
https://ideanews.jp/archives/67148
明日のオーチャードホール改修後初のコンサート とても楽しみに伺います。