ワクチンの接種が普及した日本では、1980年を最後にポリオの新しい患者は出ていません。でも、パキスタンやアフガニスタン、ナイジェリアでは、まだ猛威を振るうポリオ。各国政府や、ビル&メリンダ・ゲイツ財団のような団体、NGOや個人、各界の著名人が、地球上からポリオを一掃しようと努力を続けています。
国際ロータリーもまた、ポリオのない世界に向けて、様々な広報活動や募金活動をしている団体です。ゲイツ財団とロータリーは、2013年にはパートナーシップを拡大し、2013~18年の5年間、ロータリーがポリオ撲滅活動に寄せる寄付に、ゲイツ財団が2倍の額を上乗せをすることで、資金面が充実しました。
アフリカ・ナイジェリアは、2012年までは多くのポリオ患者が確認されていたのですが、この半年間、新しい患者が発生していません。 ナイジェリアにおけるポリオ撲滅の”最後のダメ押し”をするための810万ドルを支援すると、ロータリーが発表しました。この資金はWHO・世界保健機関とUNICEF・ユニセフを通して、ワクチン接種キャンペーンや、感染拡大を阻止する調査研究活動に使われます。
【プレスリリースの英語】“Nigeria has made incredible progress against polio this past year and I’m proud to see our country reduced cases by nearly 90% in 2014,” said Funke Akindele, Nollywood actress and Rotary polio ambassador. “With funds from Rotary, the continued support of Rotarians in Nigeria and around the world, I believe there will be a day when no child in Nigeria will be at risk of this disease.”
“ナイジェリアは昨年、ポリオに関して目覚ましい進展がありました。2014年、我が国が患者の数を90%も減らしたことを誇りに思っています”と語るのは、ナイジェリアの映画女優で、ロータリークラブのポリオ撲滅推進大使を務めるフンケ・アキンデルさんです。”ロータリーからの資金と、ナイジェリアや世界中のロータリーメンバーの変わらない支援があれば、ナイジェリアでこの病気にかかる子どもがひとりもいないという日が、きっとやってくると私は信じています”
近年、アフリカで発生したポリオの原因は、ナイジェリアのウイルスでした。2014年にはこの流行は抑えられたのですが、ナイジェリアにポリオウイルスが残っていることで、アフリカはいつ新しいポリオの大流行があってもおかしくない状況におかれているわけです。
ロータリーは、ナイジェリアへの810万ドルに加え、カメルーンに160万ドル、チャドに250万ドル、コンゴ民主共和国に330万ドル、エチオピアに110万ドル、ケニアに25万ドル、ニジェールに280万ドル、ソマリアに700万ドルの資金援助を決定しています。
アイデアニュースは、有料会員のみなさんの支援に支えられ、さまざまな現場で頑張っておられる方々の「思いや理想」(ギリシャ語のイデア、英語のアイデア)を伝える独自インタビューを実施して掲載しています。ほとんどの記事には有料会員向け部分があり、有料会員(月額450円、税込)になると、過去の記事を含めて、すべてのコンテンツの全文を読めるようになるほか、有料会員限定プレゼントに応募したり、コメントを書き込めるようになります。有料会費は取材をしてくださっているフリーランスの記者のみなさんの原稿料と編集経費になります。良質な取材活動を続けるため、どうか有料会員登録にご協力をお願いいたします。