アイデアニュースがずっとその成長を追いかけてきた古池玲乃愛(レノア)ちゃんは、滋賀県の聖火ランナーのひとり。オリンピックが延期を含めた検討に入った2020年3月24日現在、聖火リレーは行われていませんが、「車椅子で轍を残したい」と語るレノアちゃんの想いは変わりません。
彦根市在住のレノアちゃんは、2020年東京でオリンピックが開かれることを知って、滋賀県内の聖火ランナーに応募、見事に選出されました。公募ページを見ると「基本応募要件」の項目のひとつにこう書かれていました。
『自らの意思で火を安全に運ぶことができる方とします。ただし、介添えスタッフ(介添者)のサポートは必要に応じて可能です』
というわけで、今回レノアちゃんのバギーを押す介添えスタッフは、介護福祉士のお兄ちゃん、古池藍羅さんです。
レノアちゃんは今、歩行器を使って歩くことも出来ます。イルカと泳ぐことも出来ます。養護学校では学習進度の速いクラスに進みました。指筆談やパソコンの視線入力で、意思表示もますますはっきりと出来るようになりました。そしてこのたび、立つことも歩くことも難しいと言われた「重度障害児」のレノアちゃんは、聖火をバギーに取りつけて故郷の道を駆け抜けます。足元を飾るのは金色のシューズ。もし、聖火リレーが予定通りに行われれば、五輪を象徴するゴールドの靴をはいて、レノアちゃんは2020年5月29日(金)に滋賀県を”走り”ます。
レノアちゃんを支えてきたたくさんの人の中に、(株)ピーエーエスの野村寿子さんがいます。作業療法士歴35年、年間300件を超える採型を行い、その人の体と姿勢にあった椅子や補装具を作成してきた野村さんと出会ったことで、レノアちゃんの世界は大きく広がりました。聖火ランナーとして使用する新しいバギーも、野村さんが担当されます。きっと機能的で、快適で、カッコいいバギーができることでしょう。聖火ランナーとして抱負をひと言お願いしたところ、レノアちゃんは、「がんばって、にほんの轍を残していきます」と言いました。”にほん”とは、日本と車椅子の残す二本の線の両方の意味だそうです。はっきりと自分の意思で、ランナーになりたいというレノアちゃん、支えてくれる人たちや障害のある人たちの想いを胸にきっと立派に大役を果たしてくれることでしょう。
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