「一度悪いヤツを作って、次はいい人で」、『恋、燃ゆる。』東啓介インタビュー(上) | アイデアニュース

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「一度悪いヤツを作って、次はいい人で」、『恋、燃ゆる。』東啓介インタビュー(上)

筆者: 岩村美佳 更新日: 2020年10月17日

2020年10月19日(月)から11月15日(日)まで明治座で上演される『恋、燃ゆる。~秋元松代作「おさんの恋」より~』に出演する東啓介さんにインタビューしました。上、下に分けてお届けします。『恋、燃ゆる。~秋元松代作「おさんの恋」より~』は、近松門左衛門の浄瑠璃『大経師昔暦(だいきょうじむかしごよみ)』をもとに、劇作家、秋元松代さんが書いたテレビドラマシナリオ『おさんの恋』の舞台化となります。大店・彩玉堂の貞淑な妻・おさんと、まじめな手代・茂兵衛が、運命のいたずらに翻弄される中で芽生えた、二人の真実の愛を描いた作品です。主演は檀れいさん、上演台本、演出を石丸さち子さんが担当されます。東さんは、大店の主人永心の異母弟、政之助を演じます。演じる政之助役について、この座組での貴重な経験などについて伺いました。

東啓介さん=撮影・岩村美佳
東啓介さん=撮影・岩村美佳

――ご出演が決まって、いかがですか?

この名だたる共演者の皆さんとご一緒できることは、すごくありがたいと思いました。僕は日本人ですが、日本人サイズではないので、着物の着丈など、和物の作品は自分には合わないのかなと思っていたところを選んでいただいて、すごくありがたいことですし、ここで学べるものは大きいなと思っています。しかも、演じる役柄もこれまでとは全然違いますので、挑戦の舞台になるなと感じました。

――台本を拝見しましたが、東さんが演じる政之助が「大きい」という表現が出てきていて、ぴったりだと思いました(笑)。

あれは、石丸さんが書き加えてくれたんです。「図体がでかいだけだ」って(笑)。

――これまで何度もご一緒されている石丸さんが上演台本と演出をされるのは、安心感があるんじゃないですか?

そうですね。ただ、政之助を表現するのは難しいなと考えています。異母弟であることや、店に煙たがられながらも認めさせてきた、彼のバックボーンが大きすぎて、これを自分が出演する場数で表現するのは、相当難しいなと感じました。やっぱり、おさん、茂兵衛、おたま、あとは、善四郎とか、すごく切ないストーリーが、よく描かれている本なんですよ。僕はそこへちょっかいを出しにいく役ですので。

――物語的には「出てくるなよ」みたいな(笑)。

そうそう、「お前が来たら乱れるんだよ」みたいな感じですので(笑)。ただ意地悪をしに来たのとは、また違う役どころ。分かりやすく悪すぎると、それはそれでまた違うなと、その塩梅が難しいと思っています。

――台本上は、最初はそこまで悪そうに見えない役ですし、物語が進んでいくにつれて、意外な面白さがあると思いました。

後から「あ、あの人がああいうこと言ってたからか」と気づくんですよね。悪くしすぎると、「絶対この人はわざと言っているんだ」と感じてしまう。わざと言っているんですけどね(笑)。

――この難しそうな部分を、どこからアプローチしているんですか?

一度、めちゃくちゃ悪いヤツを作ったんですね。次は、逆にいい人でやってみようかなと思っているんです。まず、悪いヤツで作った後に、いい人でやったら、絶対に翳りみたいなのも見えてくるんじゃないかな、と。たとえいい人でやろうとしても。今はそこでアプローチしつつ、見せられないバックボーンはありますが、それを持ったままやってみようかなと思っています。(悪い思いを)本当は持っているけれど、そんなことはないですよ、みたいな形でやったら、そんなに難しいことはしなくても、おのずと出てくるんじゃないかな、と信じてます(笑)。

――なるほど。政之助は、無意識にやっているのか意識的にやっているのか、どちらでもいけるのかなと思ったのですが。

どちらでもいけると思います。作為的にやっている、意地悪をして楽しんでいる部分は絶対にあると思います。それが作為的かつ自然にできてしまっているのは、無意識的にそういう本能が働いていると思いますので。考えてわざとやっているのではなくて、考えているけれど、それを普通のこととしてできるのが、政之助の複雑さなのかな、とは思います。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、稽古場におけるキャストのお芝居を見ての感想、この作品に出演することに対しての思いなどインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。10月18日(日)掲載予定のインタビュー「下」では、東さんが「30歳までに帝国劇場に出たい」という夢を掴んだ後の想いや、自粛期間からこれまでの気持ちの変化などインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

石丸(さち子)さんが「日常がない」と。ドラマは非日常で動くけれど、普段をベースにと

西村(まさ彦)さんは酔っ払ってるシーンがあるんですが、本当にお茶目で可愛くて

高畑(淳子)さんは「考えすぎず、思ったことを言えばいい。完璧である必要はない」と

『恋、燃ゆる。』の後にミュージカルをやったら、どんなふうに演じられるんだろうかと

<「恋、燃ゆる。~秋元松代作『おさんの恋』より」>
【東京公演】2020 年10月19日(月)11月15 日(日) 明治座
公式サイト
https://www.meijiza.co.jp/info/2020/10_02/
出演:
檀れい
中村橋之助 東啓介 多田愛佳 石倉三郎
西村まさ彦 高畑淳子
ほかのみなさん

<ストーリー>(公式サイトより)
京都の大店、大経師彩玉堂のおさん(檀れい)は「美人で気立てのよいお内儀」と噂に高い。だが主人の永心(西村まさ彦)は女遊びがやまず、永心の母である刀根(高畑淳子)はおさんを気遣っていた。ある日、手代の茂兵衛(中村橋之助)は店の金をすられるが、永心からは横領を疑われる。さらに、部屋からおさんの櫛が見つかった。茂兵衛はおさんに秘かな恋心を抱き、拾った櫛を大切にしていたのだ。問い詰められた茂兵衛を救おうと、彼に思いを寄せる女中のおたま(多田愛佳)は「自分が拾い、茂兵衛に与えた」と嘘をつく。それを聞いた永心は茂兵衛とおたまに処罰を与える。そんな店の騒動を永心の異母弟、政之助(東啓介)は冷ややかに見つめていた。永心に命じられ納屋に入れられた茂兵衛だが、父が病との報を受け、居ても立ってもいられず彩玉堂を抜け出す。茂兵衛は誓岸寺の住職・宗林(石倉三郎)に相談し、国許に向かうことにするが、おさんがまもなく誓岸寺に墓参りに来ることを知ると—。

<関連リンク>
東啓介|ワタナベエンターテインメント
https://www.watanabepro.co.jp/mypage/10000062/
東啓介Twitter
https://twitter.com/keisuke_higashi
東啓介オフィシャルinstagram
https://www.instagram.com/keisuke_higashi_official/
東啓介 1st Musical Concert『A NEW ME』 2020年11月28日(土)
https://www.wowow.co.jp/eventinfo/detail/event-1115.html

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東啓介さん=撮影・岩村美佳
東啓介さん=撮影・岩村美佳

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. ミハル より:

    「恋、燃ゆる。」観劇前にインタビュー上を拝見し、観劇後に再度インタビューを読むことで政之助に対する理解がより深まりました。
    また、色々なことに挑戦していきたいという東さんの前向きな思いや、他キャストさんとの裏話も聞けて読み応えがありました。
    インタビュー下では、過去に出演した作品や今年出演した作品のお話を聞けたため、私自身も今まで応援してきたことを振り返る良い機会となりました。
    掲載されているお写真も衣装やセット等細部にわたるところまで拘られていて、ご本人の魅力が十分引き出されてると感じております。
    この度は何度も読み返したくなる素敵なインタビューをありがとうございました。

  2. ななこ より:

    素晴らしいインタビューとお写真をありがとうございます。貴重な内容で大変興味深く拝読しました。
    舞台の情報解禁後すぐにドラマのDVDを視聴、素晴らしい戯曲に感動し、ずっと楽しみにしてきましたが、今回このインタビューを拝読し、初日への期待がますます高まりました。
    東くんがこの難しい役をどのように演じるのか、公演を重ねるうちにどのように進化していくのか、興味津々です。
    幅広いジャンルで経験を積み重ねる東くん、努力家で柔軟で前向きで、とても伸びしろがある方だと思います。
    ファンになってまだ一年程ですが、とても応援しがいのある素敵な役者さんです。今後ますますの活躍に期待しています。

  3. めぐ助 より:

    初日を二日後に控え、興味深く読まさせて頂きました。先ずはこれまで当たり前だと思っていた初日がコロナの影響で開かなかったり、無観客で上演されたりしていましたので、無事初日の幕が上がること、本当に嬉しく思います。私は非日常を求め劇場に足を運んでいますので、とんちゃん演じる政之助への石丸さんのお言葉「日常がない」がとても印象に残っています。とんちゃんの新たな挑戦である政之助を楽しみに、そしてキャスト、スタッフが一丸となって作り上げた世界観を感じ取りに、沢山劇場に足を運びます。

  4. より:

    これはどうなのかな、と思っていたことがまさに質問されていて、とても興味深いインタビューでした。

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