新生「ブラック メリーポピンズ」を作る気持ちで 小西遼生インタビュー | アイデアニュース

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新生「ブラック メリーポピンズ」を作る気持ちで 小西遼生インタビュー

筆者: 岩村美佳 更新日: 2016年4月8日

ミュージカル「ブラック メリーポピンズ」が、5月に東京・世田谷パブリックシアターで再演される(兵庫、福岡、名古屋公演あり)。2012年に韓国の小劇場で生まれた作品で、脚本・演出・音楽、全てひとりの女性ソ・ユンミさんによって生みだされ、2014年に鈴木裕美さんの演出、田村孝裕さんの上演台本で日本初演された。4人の血のつながらない兄妹と、家庭教師メリーの物語。子供の頃になくした記憶をたどる心理スリラーミュージカルだ。初演から引き続き出演する小西遼生さんに、再演にかける思いを聞いた。

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

――再演が決まって今どんな思いですか?

以前やった作品群のなかでも特にやりがいがあり、記憶にも強く残っている作品でしたので、もう一度できるというのはすごく嬉しい挑戦だと思っています。血がつながらない、本当の家族ではない兄妹たち、そしてメリーとの関係を、初演でとても丁寧に作りました。僕たち自身が本当に兄妹のようにいいところも悪いところもよく知っているメンバーだからこそ、そういう関係性が見える作品としても面白いと思うので、もう一度挑戦できてやりがいがあります。

――妹のアンナ役が音月桂さんから中川翔子さんに代わり、兄弟たち3人、小西さん、良知真次さん、上山竜治さん、メリー役の一路真輝さんは続投ですね。

音月さんがいないのは正直なところ寂しいですが、作品に挑む気持ちとしては新しく中川さんが入ってくることで、新たな気持ちで取り組めると思います。再演とはいえ、新生「ブラック メリーポピンズ」として、また新しい作品を作る気持ちですね。

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

――今日は再演組の皆さんと取材を受けていらっしゃいましたが、話していかがでしたか?

初演から2年経っての再演で、2年の間にそれぞれがやってきたことがあるので、きっと変化があると思いますが、話した感覚だと変わっていないなと。なんだかほっとして、嬉しかったですね。

――それは、素の部分が変わっていないんですか?

話している感覚が「こんな感じだったな」「変わってないね」って(笑)。役者としてのお互いの印象を聞かれたりもしたのですが、真次や竜治とは年齢も近いし、知っていることが多いので、いつもどおりだなと安心感があるんですよ。

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

――今はあのときの感覚が蘇ってきて、また作ることが出来る喜びを感じている状況ですか?

初演を振り返ると、この作品はセリフのやりとりで見えてくる関係性だけでなく、ぱっと見たときに通っている空気感がすごく重要なものなんだろうなと思います。物語のなかで、過去について本当に知りたいことがお互いにあるのですが、相手のことを気遣わずに言いたいことだけ言って、思い出すことができるんだったら、すごく楽ですよね。でも、本当は知りたいことがあるんだけれど、それを思い出させるとつらいかもしれないと、自分だけでなく兄弟たちのことも思ったりする……そこに、過去をちゃんと探ることへの難しさや苦しさを感じるんです。芝居で作っていくものに加えて、個人個人がお互いを知っているからこそ言葉ではないやりとりができる。そういうことが作品の魅力に繋がっているような気がします。

――初演ですごく反響があったと思いますが。

反響という意味ではあんまり知らないんです。でも、たくさんお客さんが来てくださって良かったなと思いました。手放しに面白いのではなくて、物語が終わったあとにどちらかというとシーンとしてしまう作品なので、実はやっていたときはお客さんの反応をそこまで感じていなかったんです。ただ夢中にこの世界のなかに入って、この作品の面白さを組み立てていこう、お客さんに観ていただこうと考えていました。すごく大切にしていきたい作品だと思いましたし、お客さんがもう一度観たいと思ってくださるのは成功だと思いますね。

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

――確かに、観終わって受け止める時間が欲しくなりました。

この作品は、ミュージカルとはいえ客席側に向かっていく芝居ではありませんでした。僕たちはステージの上で起こっていることをリアルに感じ続けなければいけなくて、それをお客さんに観ていただきました。俳優がお客さんのことをそこまで意識しなくても、照明、舞台美術、盆の使い方、振付、脚本、演出など、スタッフの皆さんがそれぞれに用意されたものが作品の総合力としてエンターテインメントになっていて、俳優たちにやりやすい空間を作ってくださいました。その総合力が魅力的な作品を作り上げたんだと思います。

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

<取材協力>
ヘアメイク/岩井マミ
スタイリング/森宗大輔

<心理スリラーミュージカル「ブラック メリー ポピンズ」>
【東京公演】 世田谷パブリックシアター 2016/5/14(土)~29(日)
【兵庫公演】 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール 2016/6/3(金)~5(日)
【福岡公演】 福岡市民会館 2016/6/9(木)
【名古屋公演】 愛知県芸術劇場 大ホール 2016/6/17(金)

<関連サイト>
ミュージカル「ブラック メリー ポピンズ」オフィシャルサイト
小西遼生 公式ブログ(仮)
キューブ オフィシャルサイト 小西遼生

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<プレゼント>
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■丸裸になっているようなステージでした

■韓国で3作品観劇、負けていられないなと

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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