「ヒップホップという生き方」、『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』平間壮一(下) | アイデアニュース

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「ヒップホップという生き方」、『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』平間壮一(下)

筆者: 岩村美佳 更新日: 2024年9月19日

Broadway Musical『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』(以下『イン・ザ・ハイツ』)が、2024年9月22日(日・祝)から10月6日(日)まで天王洲銀河劇場で、10月12日(土)と10月13日(日)に京都劇場で、10月19日(土)と10月20日(日)にNiterra日本特殊陶業市民会館ビレッジホールで、10月26日(土)に大和市文化創造拠点シリウス1階芸術文化ホールメインホールで上演されます。2021年に続き、ウスナビ役を続投される平間壮一さん(Def TechのMicroさんとWキャスト)のインタビュー後編です。

「下」では、ウスナビ役はそれぞれキャストごとに自由に作っているというお話、『RENT』で鍛えられた「演じなくていい」というスタンス、「怒り」の表現の難しさ、今回はヒップホップ色が強くなるのではというお話、ヒップホップの魅力などについて伺った内容と、お客さまへのメッセージを紹介します。

平間壮一さん=撮影:NORI
平間壮一さん=撮影:NORI

ーー前回、MicroさんとWキャストでウスナビを演じるにあたって、何かシェアされたりしましたか? それとも、それぞれ自由に創られたのですか?

自由です。男だからというのもあるのかもしれないですが、僕とMicroさんはそういう会話はしないです。でも、お互いに盗むべきものもありますし、僕はMicroさんを見て勉強でしかないですし、ダメだなと思うところじゃんてひとつもないです。多分、Microさんもそう思ってくれてるであろうと信じています。「あそこ、こうした方がいいよ」とか、そういう話はひとつもしてないです。

ーーそれぞれのウスナビを創り、お互いをリスペクトする関係なんですね。

先日Microさんと取材を受けたときに、前回一緒にやっていたときは気づかなかったのですが、そういうふうに思っていたんだ、と発見したところがありました。「そう俺は街灯、街の灯り」という歌詞があるんですが、その「街灯で街の灯り」というのをMicroさんはポジティブに捉えていて、自分はみんなの街灯となり、みんなにスポットライトを当てて、みんなから注目されているんだ、みんなの灯りの元なんだというふうに捉えていたそうなんです。

僕はどちらかというと、真夜中の薄暗いところで、周りを照らしているようで照らせていないというか。「暗くない?」みたいな感じで、身動きも取れなくて、そうこうしている間に日中になって。灯りを照らす必要がない時間も動けなくて、みんなが通り過ぎていくようなイメージをしていたんです。捉え方がポジティブなのと、ネガティブなのとで、こんなにも違うんだなと思いました。

ーー歌詞の意味合いについては、一緒に詰めないんですね。

まったく詰めなかったです。本当に、「そんなふうに思っていたんだ!」と知ったくらいです。

ーーきっと、そういう細かい積み重ねで、役の質が変わっていくんでしょうね。

多分そうだと思います。それを話し合ってしまって、「これはこういう意味だよね」と創ってしまうと、Wキャストである意味がないだろうなと思いました。

ーーTETSUHARUさんとウスナビを創っていく過程で大事にしたことはありますか。

それもなかったですね。

ーー自由なんですね。

見ていて本当に違う動きをしたときには言ってくださるんですが、「どう思ってる?」みたいな話も全然なかったですね。

ーー普段の作品だともう少し詰めたりしますか?

そういう作り方は、ここ最近はなくなってきたかもしれませんね。

ーー言う必要がなくなったということでしょうね。

自分でこう考えているというのを話し、それで見てみようかとなって。自分の課題としては、思っていることと、外に出ていることが全然違うみたいで、そう思いながらも演じていても、それがそのまま100%伝わっているかというと、そうでもなくて。演出家が思い描いている通りに見えているから、それでいいよ、みたいなことが結構多かったりします。

ーー Aと思っていることを表現してるつもりが、A+Bくらいになっていたりだとか。

多分そうだと思います。全然悲しいつもりで演じていなくても、悲しく見えているよとか。「じゃあ、俺悲しくないと思っているけど、いいのか」みたいな。

ーー本人は全然悲しくないけれど、そう見えているから、演出家的にはOKということなんですね。

はい。でも、その理由も話したりはします。こういう理由で僕は悲しくないんですと伝えて、見てもらう。それで見てもらったときに、「悲しそうに見えるからいいよ」となる。

ーーおもしろいですね。そう表現しなくても、そう見えるというのは。

それが自分の謎で、勉強しなくちゃいけないなと思っています。

ーーそれは、それぞれの役者の質みたいなものなんでしょうか。

雰囲気なのか、なんなのか。でも、それで一番苦労するのは、怒りの表現ですね。怒っているように見えない。

ーーそれは、どう見えるんですか?

やさしさが出てしまっているんじゃないでしょうか。怒っているのに、怒ってほしいのに、怒っているように見えないというのが芝居をする中であります。

ーー具体的に、この作品のこの役でというのはありましたか?

『The Last 5 Years』は、怒ることができましたね。それでも、しっくりこない怒りというか。外国の作品にありがちなんですが、本人のワガママにも見える主張を、怒りながら訴えるようなシーンが苦手なんです。

ーー自分を出すということですよね。

『ゴースト』とかもそうでしたね。明らかに自分が悪い、人殺しのところで、嫉妬を怒れ、と言われるんですが、僕は怒れなかったですね。

ーー『ゴースト』で平間さんが演じたカールの怒りといえば、普通に見たら負の感情というか、そんな論理は通じないからというような部分ですよね。

そうなんです。テンパっているから怒るという部分もあると思うんですが、その「テンパっているから怒る」以外考えられなくて。そうではなく、自分が成功したいがためにうまくいかないことに怒れみたいな。それは少し難しいんですよね。

自分勝手な感情を表現するのが苦手だなと気づきました。どこか、人のことを思っている役でないと、結構苦手なんだなと思いました(笑)。それは昔から(岸谷)五朗さんにも「芝居を見ているとわかるけど、お前は怒りの感情がないな」と言われていました。

多分、ゼロか100かの人間で、『The Last 5 Years』のような浮気をされてどうしようもない、ブチギレスイッチが入ると、パンといってしまうんですが、その1個手前のただの怒り、イライラみたいなものはないから、どうしようという感じです。普段も同じで、そこまで行くか、行かないかしかないので。

ーー沸点に達するまでは大丈夫なんですね。

そうです。笑っていられます(笑)。

ーーでも、ウスナビはわりとそういうタイプではないですか?

そうなんです!自分が結構しんどい状況でも笑っている人なんですよね。

ーーそういう意味でいうと、平間さんにとってはすごく理解のできる人物ですね。

結構似ていると思います。

ーー逆に、似ている人を演じるのは、難しくないですか?

それは『RENT』で鍛えられました。演じなくていいよ、と。

ーー似ているのなら、似ているでいいということですか。

はい。もうエンジェルとして稽古をやる前から、オーディションに合格しているんだから、いいんだよと。だから、ウスナビとしてオファーされたんだから、もういいんだよという気持ちで取り組んでいます。

ーーそこに何か違うことをのせて、違うことはしなくていいということですね。

だから、僕がこの環境になったらという考え方でいいんだよと。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、『RENT』で鍛えられた「演じなくていい」というスタンス、「怒り」の表現の難しさ、今回はヒップホップ色が強くなるのではというお話、ヒップホップの魅力などについて伺った内容やお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■女性がしっかりしていて、男性は成長段階の「男の子」みたいな感じの作品

■ヒップホップ、ストリート色が強くなると思う。みんなきちんと持っているものがある

■KAITAくんが「ジャズでもバレエでも、俺がヒップホップだと言えばヒップホップ」と

■「役者だ」と自分で思うことが大事。でも「ダンサー」だと言えば、ダンサーでもある

<Broadway Musical『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』>
【東京公演】2024年9月22日(日・祝)~10月6日(日) 天王洲 銀河劇場
【京都公演】2024年10月12日(土)~10月13日(日) 京都劇場
【名古屋公演】2024年10月19日(土)~10月20日(日) Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
【神奈川公演】2024年10月26日(土) 大和市文化創造拠点シリウス 1階芸術文化ホール メインホール
公式サイト
https://intheheights.jp

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平間壮一さん=撮影:NORI
平間壮一さん=撮影:NORI

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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