ミュージカル『サムシング・ロッテン！』が2025年12月19日（金）に開幕し、2026年1月2日（金）まで東京国際フォーラム ホールCで、1月8日（木）から12日（月・祝）までオリックス劇場で上演（大阪）されます。

劇作家のニック役を演じる中川晃教さんのインタビュー後編です。「下」の無料部分では、合同取材の後半の内容を、有料部分では、アイデアニュース独自取材の後半の内容を紹介します。無料部分では楽曲の魅力、加藤和樹さんとの共演についてのお話など合同取材の内容を、有料部分では『ジャージー・ボーイズ』についてのお話、2026年に向けてのメッセージなどアイデアニュース独自取材の内容を紹介します。

（合同取材：後半）

ーー楽曲についてはいかがですか？『モーツァルト！』のようなキャッチーなメロディーで押していく雰囲気ではなく、ミュージカルコメディ作品らしい楽曲だなという印象でした。

見事にコメディを体現している音楽だと思います。全編を通して、ウキウキするような、とてもリズミカルなナンバーが多いですよね。最近の、ドラムやギターなどを使ったポップス寄りなリズム感の楽曲ではなくて、どちらかというとオーケストレーションで古典的なアンサンブルで聴かせる、ミュージカルの王道であるテンポの良さがある作りになっています。

意外とこの作品のような音楽は、最近上演されているミュージカル作品には少ない気がしています。『プロデューサーズ』には共通するものが少しあるかもしれませんが。そういう意味では、「これぞミュージカル！」みたいな王道感はありますよね。

歌うにあたっては、とても難しいことをしていると思います。僕も、今自分の歌を練習していますが、音符だけを見ると半音全音の行き来がすごいんですよ。ピッチに気を付けなければいけない音程がたくさんあります。そこを踏まえると、オリジナルのサントラを聴いている印象と、日本語で体現する印象が若干違ってくるような気がします。 

英語と日本語では、言葉の音が変わりますし、そこにとらわれていたら歌えないような楽曲です。当然、言語が異なるので違う聞こえ方にはなりますが、英語のオリジナルに寄せていこうとも思っていません。この作品の場合は、それよりも大切なものがありそうだなと思いながら取り組んでいます。歌っているというよりも、話している感覚で歌っていることが多いですね。まさに、しゃべるように歌うんです。スピーチクオリティというところがこの作品の音楽の魅力だと思います。

そして歌だけではなく、華やかなダンスシーンなど、アンサンブルで見せていける贅沢で豪華な楽曲が特徴かなと思います。中でもシェイクスピアが歌う「ウィルパワー」が一番のキラーナンバーだと思います。これは、和樹さんが歌います！

ーー大好きな加藤さんが、大嫌いなシェイクスピアの役をされるということでしたが、加藤さんとは『フランケンシュタイン』『怪人と探偵』で共演されて、他でも交流がある中で、この作品について事前に何かお話しされましたか?

二人とも、何となくこの話題を避けてますね。ちょっと話に出ても、きちんと話すところまでいかないみたいな。他の作品で共演するときとは、身構えるものが、ちょっと違うんじゃないでしょうか。

ーーそれはなぜでしょうか？

福田さんの演出というところです。和樹さんは、福田さんのミュージカルに出演するのは初めてですので。僕は、彼がナルシストなシェイクスピアをどう演じ切るのだろうというところを妄想してニヤニヤしていて、そういうことを話したいのですが、現状は話せるような雰囲気ではないというか。勝手な印象ですが、「僕のシェイクスピアをまだ決めつけないでください」みたいな感じなんだろうなという気がしています。 でも、『フランケンシュタイン』で、「（真摯な口調で）アッキーさん。今年また、よろしくお願いします……」と言って別れたので、相当な振り幅を心して挑まなければいけないと思っていらっしゃるのではと、僕は感じておりました。

ーー『フランケンシュタイン』やコンサートなど、お二人がご一緒になる機会をご覧になってきた皆様に、お伝えしたいことはありますか？

これは絶対にご覧になった方がいいです。シェイクスピアを和樹さんが演じるというところは、もしかすると想像がつかないかもしれませんが、この作品におけるシェイクスピアは、「めちゃくちゃかっこいい存在」なんです。和樹さんとコメディというと、あまりイメージが湧かないかもしれませんが、相当面白いですから。

なんというか、あんなにかっこいいのにちょっとダサいんですよ。そして、笑いに対して、僕は込み上げてしまうタイプ。彼が真面目に話していると、「ここで笑ったらダメだ」と思うから、僕は笑わないでグッといつも我慢しているだけで、実は僕の中ではよく笑っています。彼の面白さとか内面に気づいているので、そことシェイクスピアが掛け合わさったら、どんな和樹さんの新しい筋肉が見られるのか、パフォーマンスが見られるのかみたいなことですね。

シェイクスピアはニックをケチョンケチョンに罵るけれども、それも愛ゆえみたいなところがあります。自分は最高の作品を残したいけれど、同じ時代に肩を並べている作家同士が、「あいつは俺のことをすごいって言うけど、隣の畑はよく見えるんだよ」というところも含め、ただ単純なだけではなく、やはりお互いが何か志すもの、目指すものがあるんです。

シェイクスピアの中には、表には見せないだけで、実は抱えている苦悩があるというところがミソだと思います。でも、そこはニックには全く見えていなくて、彼の才能や、彼の鼻につくところしか目に入ってこないんですよ。それはつまり、僕は彼のことをそういう目でしか見てないからだと思うんです。その辺も含めて演じがいがある作品なので、『フランケンシュタイン』と対で『サムシング・ロッテン！』も必ずご覧になってください。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、アイデアニュース独自取材の後半『ジャージー・ボーイズ』についてのお話、2026年に向けてのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

＜有料会員限定部分の小見出し＞（有料会員限定部分はこのページの下に出てきます）

■シアタークリエに戻れた『ジャージー・ボーイズ』。あの劇場から始まったんだなと実感

■洋楽のファンの皆さまにも『ジャージー・ボーイズ』を届けたい。どんな空間が生まれるだろうと

■音楽とミュージカルの両輪を実感できているからこそ、「自分の原点に立ち返る」25周年に

■子どもの頃からの「好きなことだったらどんなに辛い時でも続けていけるだろう」という思い

＜ミュージカル『サムシング・ロッテン！』＞
【東京公演】2025年12月19（金）〜2026年1月2日（金）　東京国際フォーラム　ホールＣ
【大阪公演】2026年1月8日（木）～1月12日（月･祝）　オリックス劇場
公式サイト
https://www.s-rotten2526.jp

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※中川晃教さんのサイン入りチェキを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは2026年1月28日（水）です。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。