「三浦さん、とってもL」「ぶつかるのが楽しみ」、『デスノート THE MUSICAL』加藤清史郎・渡邉蒼・三浦宏規(上) | アイデアニュース

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「三浦さん、とってもL」「ぶつかるのが楽しみ」、『デスノート THE MUSICAL』加藤清史郎・渡邉蒼・三浦宏規(上)

筆者: 岩村美佳 更新日: 2025年12月12日

『デスノート THE MUSICAL』が、2025年11月24日(月・休)に東京建物BrilliaHALL(豊島区芸術文化劇場)で開幕しました。12月14日(日)まで上演されます。その後、12月20日(土)から23日(火)までSkyシアターMBS(大阪)で、2026年1月10日(土)から12日(月・祝)まで愛知芸術劇場 大ホールで、1月17日(土)と18日(日)に福岡市民ホール 大ホールで、1月24日(土)と25日(日)に岡山芸術創造劇場ハレノワ 大劇場で上演されます。2015年の日本初演から10年となる今回、日本では4度目の上演となります。海外での上演なども重ねてきて、同時期に台湾でのコンサート版の上演も予定されています。記念公演となる今年は、初演オリジナルキャストである浦井健治さんと濵田めぐみさんが8年ぶりに帰ってくるなど、話題もつきません。

<公式HPより>
2003年12月から2006年5月まで「週刊少年ジャンプ」に連載され、映画やドラマ、アニメなど幅広いメディア展開を遂げてきた人気漫画「DEATH NOTE」。そのミュージカル版となる本作は、2015年に日本で世界初演が開幕するや瞬く間に観客を虜にし、その後、17年、20年に上演され、さらには、日本での世界初演と同年の15年から、韓国でも韓国キャストによる上演を開始。その後、17年、22年、23年と再演を重ねている。韓国でも全日程即完売という快挙を成し遂げ、22年には年間ベストミュージカル作品賞を受賞、23年には4ヶ月間に渡るロングラン公演を成功させた。また、23年にはロンドンにてコンサートバージョンが上演され、全公演完売の賑わいを見せた。立ち上げから10年、海外でも高い評価を受け、今や世界中から注目を浴びる大ヒットミュージカルである。

音楽は、『ジキル&ハイド』『ボニー&クライド』などのブロードウェイ作品のみならず世界的に活躍し、世界各国で新作の創作を熱望され続けているフランク・ワイルドホーン。演出は、ミュージカル『スリル・ミー』なども手掛け、数々の演劇賞を受賞してきた日本を代表する演出家・栗山民也。ロック調の中毒性のある音楽と人間の深層心理までをも極限まで具現化させる演出により、瞬く間に観る人の心を掴み、物語の結末へと導いていく。死神がノートを落とし、人間が神を名乗ったあの物語。原作のスリリングな物語を、世界的作曲家 フランク・ワイルドホーンによる魂を揺さぶる音楽と、演出家 栗山民也の緻密かつ大胆な演出によって舞台上に昇華させた『デスノート THE MUSICAL』。そして今、すべての新たなピースが揃った。必ず観てほしい。これが、10年の集大成であり、さらなる伝説の幕開け。

アイデアニュースでは、夜神月役を演じる加藤清史郎さん、同じく渡邉蒼さん、L役を演じる三浦宏規さんにインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。「上」では、栗山さんの稽古場の魅力、稽古の中で感じていること、三浦さんのLの印象について、渡邉さんが私服から「月」だというお話や、お互いを「木」に喩えてのお話などをご紹介します。「下」では、三浦さんからご覧になった加藤さん、渡邉さんそれぞれの夜神月の印象、Lについて、テニスシーンの緊張感や月にとってのLという存在のことなどについてお話ししてくださった内容と、お客さまへのメッセージ、作品への思いを紹介します。

(写真右から)加藤清史郎さん、三浦宏規さん、渡邉蒼さん=撮影・NORI
(写真右から)加藤清史郎さん、三浦宏規さん、渡邉蒼さん=撮影・NORI

(※稽古中にインタビューしました)

――稽古の様子や手応えについてお聞かせください。

加藤:栗山さんが稽古場にいらしてから、がらっと変わりました。特に(夜神)月はそういう印象を持ちました。Lの稽古はまだ2、3週間かな?

三浦:でも、がらっと変わりましたよ。

――どのあたりが、がらっと変わりましたか?

加藤:栗山さんがいらっしゃるまでは、「形を把握しておく」お稽古が多かったんです。形に役の気持ちを入れるタイミングで、栗山さんとの稽古が始まりました。自分でもちょっとしっくりきていなかった部分などを、稽古直後のノートで「そこはこういうことじゃない?」と言ってくださったりと、「ああ、やっぱり」と合点のいく瞬間がものすごく多いです。例えば「なぜそこに月が立っていたのか」ということが、より具体化して鮮明になっているのを感じていますが、蒼さんはどうですか?

渡邉:栗山さんの演出に引っ張られて、「体が自然と動いていく」みたいな感覚がすごくあります。栗山さんが初めていらっしゃった本読みの日に、「まっさらな白いページみたいな舞台に、俳優がひとり、またひとりと出てきて、そのぶつかり合いからいろいろなものが湧きたってくる」というようなことをおっしゃっていたんですが、それがだんだん分かってきました。もちろん、俳優として自分の心で動いてはいるのですが、「いい意味で作品の駒として動いて、作品に関与し、関わっている」という感覚が、栗山さんの演出を受けてからすごく増えた気がします。 作品のために動いている、みたいな。

加藤:白い舞台のキャンバスを、「欲望で塗れ」とおっしゃったんです。白を基調にグレーや黒、モノトーンで整えられているステージを、役者という人、月やLという出てくる登場人物の欲望で塗れと。塗っていく作業は、これからの僕らの中身や感情の起伏になるのかなと思いますが、「もっと出せ、もっと出せ」と言ってくださるんです。人と人との対立がドラマを生んでいるわけだからと。1回のノートで、いろいろなことをたくさんいただけるよね。

渡邉:そうですね。

三浦:本読みの時に、栗山さんが「感情をセーブするな」とおっしゃったんです。やっぱりどうしても自分を守ってしまいがちだから、ぶつかり合っていってほしいという言葉をいただきました。

加藤:「調和はいらない」と。

三浦:役と役がぶつかる瞬間が見たいと。僕はその日から1週間稽古がなくて、「ぶつかるのか……」「セーブしちゃだめか……」と思いながら過ごしていたのですが、昨日久しぶりに稽古場に行ったら照明がついていて。みんなは慣れているのですが、僕は「え!?」となりました。稽古場が暗くて。そんな中、いきなり通すんです。その緊張感を生む稽古場の作り方がすごいなと思いましたし、本当に一発一発が本番みたいなやり方なので、そういった意味でも必然的にぶつかっていかなければいけない気持ちになりました。

例えば、ちょっと疲れているから、喉が痛いから、今日はちょっと抑え気味にやりますというのが、許されないことはないんでしょうけど、取り組む側が、この1回にすべてを賭けるぐらいの気持ちになるような稽古場の雰囲気を作ってくださっています。ピリピリしているわけではないのですが。最初はめちゃくちゃ緊張したり、びっくりしてしまったのですが、今は、それがすごく心地よくて。

加藤:よかった、今は心地いいんだ。

三浦:心地いい。今回のような稽古場が好きなんです。栗山さんの「ぶつかっていってほしい」という言葉に対して、「あのような稽古場の作り方をしていただいたら、自然とぶつかります。やります!」みたいな感覚になりました。

加藤:栗山さんが合流されて、照明などがついた状態で、稽古初日に死神のお二人(リューク役の浦井健治さん、レム役の濱田めぐみさん)の稽古がありましたが、やばかったよね。

渡邉:やばかったね。

加藤:(三浦さんに)本当に観てほしかった。珍しく、浦井さんに話しかけちゃいけないかなみたいな感じで。

ーー浦井さんが、そういうオーラを出されていたんですか?

加藤:オーラというか、稽古が始まる15分前くらいから、いわゆる「入っていた」というか。その日の浦井さんの稽古はそのシーンだけだったので、挨拶できずに終わってしまったんです。僕らが稽古している最中に入ってこられて、「いらっしゃるな」と思っていたら浦井さんと濱田さんの稽古が始まって、「終わった」と思ったらいつの間にかいらっしゃらなくて。

僕らはその姿を見て、「こういう在り方でいいんだ」と思いました。 あれだけ集中する本番みたいな環境で毎回稽古するのですが、決してその1回1回で結論をまとめないというか、「こういうのもありだし、こうなるし」と。栗山さんは、「舞台は生でライブだから、その場で生まれた欲望のぶつかり合いが必要だから、練りに練って持って来た芝居はいらない」みたいなことをよくおっしゃるんです。宏規くんのさっきの言葉のように、稽古場の環境がそれを手伝ってくれているというのは大いにあると思います。ただ、帰りの電車の椅子に座った時の「ぐわん」という感じがね……。

渡邉:急に、なんでしょうね、荷物を外しているのと同時に。

加藤:何かが急に来るんだよね。

渡邉:解放されるのと同時に安心しすぎて、溶けそうになる(笑)。すごく楽しいんですけどね。

加藤:本当に楽しい!

渡邉:何か別なんですよね。難しい。

――それは、月という役だからでしょうか。

渡邉:それもあるかもしれません。頭の中にある世界が膨大だし、緻密だし、おこがましいですけど、そこに何とか追いつきたいと思うような、そういう栗山さんのカリスマ性というか。難しいですが、死ぬ気でついていきたいと思うんです。栗山さんの背中を見ていると。

加藤:栗山さんとこれまでご一緒したことのある役者さんたち、お仲間から、「本当に楽しいんだよ」と言われる意味がすぐ分かりました。やりがいというか、役者としてその場に立っている意味をすごく感じられました。

――色々な方にお話を伺う機会がありますが、栗山さんとご一緒して、栗山さんに惹かれなかった人はいないんじゃないかというくらいに、作品と関係なくても、お名前が出たりする方だなと思います。『デスノート THE MUSICAL』は10年目を迎えて、世代も変わって、注目度も高いと思うのですが、そのど真ん中で役を演じていて感じることや、こういう風に考えて作っているということなどを伺えたらと思います。

三浦:Lという人間自体が、ちょっと異次元です。一幕は誰とも会わないまま、ひとりで歌って、ひとりで解決するんです。本当に浮世離れしているので、それを表現するのに、この稽古場の照明はすごく役立ちます。地明かりだと、どう頑張っても自分の世界に没頭しづらいんです。Lはずっと何かを考えているので、答えを導き出すために、挙動も不審ですし、自分の中でガ~っと思考が回転しているタイプの人物です。それを歌に乗せたりしていくわけですが、舞台上で「ずっとひとり」という感じなんですよ。その孤独さみたいなものを感じながら稽古しています。

――Lを演じている三浦さんは、おふたりからご覧になっていかがですか?

渡邉:稽古を見ながら「Lだね」と、ふたりでつぶやいていた時がありました。何なんだろう……とってもLなんです。

加藤:Lというものを表現する上で必要な、形とか体勢とか視線の送り方などの細かい動きのところを栗山さんが話されているのも見ていますが、多分形から入っても難しい役だとは思います。声でしか他者と絡んでいない、舞台上にひとりの状態のLを見ていると、二幕で月とLが出会って、実際に目と目で対決をするというシーンは、これまで稽古してきたものとまた全然違うものになるんだろうなというのをすごく感じています。

『デスノート THE MUSICAL』という作品自体が、Lと月の対決というか、心理戦というか、トリック戦が基盤となっている作品なので、どうしてもこのふたりというのは大事になってくると思うんです。一幕は、それぞれが対決するに至るまでの過程というか、どういう風に成り上がっていくか。L自身に関しては、根本的にはずっと一緒なのかもしれないですが、キラに対してとか、世界に対しての愛とか、正義の心の大きさが、二幕のLになると思いますので、どれだけ大きな大義を持ってぶつかれるのかが楽しみだです。

――渡邉さんはいかがですか?

渡邉:三浦さんが以前、これまではどちらかという月みたいな、解放的な役が多かったとおっしゃっていたのが、すごく印象的でした。確かに対決で言うと、テニスのシーンが印象的ですが、静かで内向的な佇まいなのに、三浦さんのLが目で訴えかける闘志とか、抑え込まれそうになる圧みたいなものがすごくあるんです。

やっぱり月も、Lという強敵がいなければ、ここまで大きくはならなかったような気がするんです。もちろん、キラは生まれていたかもしれませんが、Lという人間の頭脳とか、月への圧、強さに触発されて、こちらも強くなる。月の物語としてはそういう仕組みだと思うので、すごく成長させてもらえている気がしていますね。怖いです……。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、渡邉さんが私服から「月」だというお話や、お互いを「木」に例えてのお話などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。インタビュー「下」では、三浦さんからご覧になった加藤さん、渡邉さんそれぞれの夜神月の印象、Lについて、テニスシーンの緊張感や月にとってのLという存在のことなどについてお話ししてくださった内容や、お客さまへのメッセージ、作品への思いなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■渡邉:めっちゃ優しいお兄ちゃん。すごく美味しい板チョコをくれた 三浦:板チョコって響きが(苦笑)

■加藤:宏規くんは、根の内側のほうはすごく繊細で真面目な人。稽古に入って改めてそう感じる

■加藤:蒼自身が月に見える瞬間がすごくある。私服まで月 三浦:月が着てそうな服で稽古に来る

■渡邉:清史郎くんは、根ごと動き回るでっかい木。三浦さんと僕は根を張って「ここでやるよ」って 

<『デスノート THE MUSICAL』>
【東京公演】2025年11月24日(月・休)~12月14日(日) 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
【大阪公演】2025年12月20日(土)~12月23日(火) SkyシアターMBS
【愛知公演】2026年1月10日(土)~1月12日(月・祝) 愛知県芸術劇場 大ホール
【福岡公演】2026年1月17日(土)~1月18日(日) 福岡市民ホール 大ホール
【岡山公演】2026年1月24日(土)~1月25日(日) 岡山芸術創造劇場 ハレノワ 大劇場 
公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/deathnote2025/

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加藤清史郎さん=撮影・NORI
加藤清史郎さん=撮影・NORI
渡邉蒼さん=撮影・NORI
渡邉蒼さん=撮影・NORI

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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