若いダンサーたちが、一糸乱れず、激しく華やかなタップダンスを繰り広げる「トリニティ・アイリッシュ・ダンス」が、6月から日本ツアーを開始する。アイリッシュ・ダンスでは、ブロードウェイでも上演された物語性のある舞台「リバーダンス」などが知られているが、「トリニティ・アイリッシュ・ダンス」は、ケルト音楽の生の演奏に合わせて、全編ダンスで綴るのが特徴だ。※アイデアニュースでは「トリニティ・アイリッシュ・ダンス」のリードダンサー、マリッサ・ウルスターさんの単独インタビューを実施しました。5月掲載予定です。
ハリウッド俳優のトム・ハンクスらのプライベートコーチを務めるダンサー・振付師・演出家のマーク・ハワードが、世界のさまざまな舞踊や音楽のエッセンスを取り入れた「プログレッシブ・アイリッシュ・ダンス」の思想を基に、18歳から26歳までのダンサー22人やミュージシャンらをメンバーにして発展させてきたのが「トリニティ・アイリッシュ・ダンス」(以下「トリニティ」)だ。それまでアイリッシュ・ダンスは競技会が主に発表の場だったが、「トリニティ」の出現により、エンターテインメント性の強い芸術的なダンスとして世界中に知られるようになった。
アイリッシュ・ダンスのルーツは、支配されてきたアイルランドの歴史にある。16世紀にイングランドによるアイルランドの支配が始まると、ケルト文化が色濃いアイルランド独自の文化活動が厳しく統制された。兵士が窓から屋内を監視する中、テーブルを囲む家族が兵士の目を逃れ、床をコツコツと踏み鳴らし、ダンスのリズムを叩いたことが始まりだといわれている。伝統的なアイリッシュ・ダンスが上半身を動かさず、下半身のみを使って踊るのは、窓から見てもダンスしていることを悟られないようにするためだったという。「トリニティ」でも、ダンサーたちが上半身を動かさず床を滑るように踊り、ジャンプしながら空中で足を上げたり、交差したりする姿が印象的だが、そういったルーツを知ると、より味わい深い。フラメンコやストリートダンス、アフリカンダンスからも影響を受け、それらとアイリッシュ・ダンスを融合させた踊りや、日本の和太鼓をイメージし、ダンサーが手にドラムスティックを持って床を打ち鳴らしてダンスする場面も斬新だ。また、ケルト音楽に乗ったダンサーたちの靴音も迫力たっぷりだが、音楽を一切使わず、靴音だけが激しい雨音のように会場中に響き渡るシーンも美しい。
民族衣装やモダンな衣装に身を包んだダンサーたちが時にスタイリッシュに、時に大地を踏み鳴らすように踊る。多彩な顔を見せてくれる「トリニティ」を、ぜひ、劇場で体感してほしい。
こちらはキョードー大阪のページに掲載されている動画です。
<トリニティ・アイリッシュ・ダンス>
【兵庫公演】2018年6月17日(日)14:00開演 兵庫県立芸術文化センター
【浜松公演】2018年6月20日(水)19:00開演 アクトシティ浜松
【東京公演】2018年6月23日(土)13:00開演/17:30開演(2公演)東急シアターオーブ
【横浜公演】2018年6月24日(日)14:00開演 神奈川県民ホール
【福岡公演】2018年6月26日(火)19:00開演 アクロス福岡
【熊本公演】2018年6月27日(水)19:00開演 熊本市民会館
【埼玉公演】2018年7月1日(日)15:00開演 ウェスタ川越 大ホール
【名古屋公演】2018年7月3日(火)18:30開演 日本特殊陶業市民会館
<関連サイト>
公演オフィシャルサイト
http://trinity-japantour.com/
キョードー大阪のページ
http://www.kyodo-osaka.co.jp/schedule/E019248-1.html
- 「自分は強く、自信を持っていると示す」、マリッサ・ウルスター インタビュー(下) 20180519
- 「女性に力を」、『トリニティ・アイリッシュ・ダンス』リードダンサーに聞く(上) 20180518
- 「トリニティ・アイリッシュ・ダンス」6月から日本ツアー開始 20180404