「至高の芸術は人を幸せにすること」、『バーナム』加藤和樹インタビュー(上) | アイデアニュース

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「至高の芸術は人を幸せにすること」、『バーナム』加藤和樹インタビュー(上)

筆者: 岩村美佳 更新日: 2021年2月25日

ミュージカル『バーナム』が2021年3月6日(土)から3月23日(火)まで、東京芸術劇場プレイハウスにて上演されます(兵庫公演、神奈川公演あり)。19世紀半ばのアメリカで大きな成功を収めた興行師、P.T.バーナムの半生を描いたブロードウェイ・オリジナルミュージカルで、今回が日本初上演となります。主演の加藤和樹さんにインタビューしました。インタビューは上下に分け、「上」は合同取材会の詳細を、「下」でアイデアニュースの独自インタビュー部分をお届けします。独自部分では『Kazuki Kato 〜Thank you for coming! 2〜』『僕たちの冒険! LOVE SONGS を探して!』についてのほか、2021年が始まって今思っていることについても伺いました。

加藤和樹さん=撮影・岩村美佳
加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

――バーナムを演じられるに当たって、朝夏(まなと)さんと木下大サーカスを観に行かれたということですが。

先日観に行かせていただきました。初めてではなく、サーカスは子供の時に観ましたし、シルク・ドゥ・ソレイユは1度ロサンゼルスでみたことはあります。それ以来だったんですが、めちゃめちゃ感動しました。子供の時に観た以来で大人になっていますし、今はいつもお客様に向かって何かを表現しているので、「あれどうなっているんだろう」、「これどうなっているんだろう」と観てしまうんですが、まったく分からなくて。本当に僕と朝夏さんはいいお客さんだったと思います。「いや、そんなことできるわけないじゃん」。「え~!」みたいな。心の底から楽しんで帰ってきました。すぐにもう一回みたいくらいです。

――観ている時に、バーナムを投影して観ていましたか?

正直ちょっと忘れてしまっていましたね。普通にお客さんとして楽しみました。でも、そのサーカスを興業するに当たって、何が必要でどれくらいの規模なのか、それがどれだけ大変なことなのかと、頭をよぎったりはしましたね。あれだけの一座を率いて全国を回るというのは、家族以上の絆がないと無理だよなとも思いました。そこを統率している人物としてどう在るべきかというのは、ものすごく考えましたね。

――バーナムは女性の目から見ると、リーダーシップもあって夢を追いかける、きらきらした男性的な魅力に溢れる分、ちょっと早まっているというか…。

どちらかというと、そちらのほうが多いでしょうね。

――そこが魅力的でもあり、奥さん(チャイリー・バーナム)に共感するとつらいだろうと思う部分もあり、その両方が存在するすごく人間味溢れるスターだと思います。彼の魅力をどう届けたいですか? 加藤さんが思っていらっしゃるバーナムの人としての魅力を、どこに一番フックを置きたいか、お聞かせください。

僕はやはり彼の行動力だったり、思想、考え方だと思いますね。彼自身がそれをちゃんと功績として残すというところ。もちろん、全てが成功してきたわけじゃないですよね。それでも前を向いて諦めない姿勢が、多分チャイリーも「しょうがないな」と思える。結局、彼に惚れた理由も、夢を見て、自分のやりたいことにまっすぐ向かって行く彼の想像力、才能に惚れているわけです。いち男として見たら、だめなんですよ。時代もあると思いますが、今現代で、彼のような人について行くかというと、大半の女性はついて行かないと思います。それでも男って、夢を追いかけ続けたい人が多いですし、やはりそれを成し得た時の姿だったり……言ってしまえば、「一緒に夢を追いかけてくれないか」みたいなことじゃないですか。そこに叶えたい思いがあり、やっぱりそういう瞬間の男って、きらきらしているんじゃないかと。やりたいことに向かって、夢を追いかけている姿。それは決して楽な道じゃないということも、バーナム自身も分かってはいるし、彼は決して楽をしようとしているわけじゃないんですよね。あの手この手を使って努力して、「どうしたら人を楽しませることができるか」と考えている。彼のエンターテイナーとしての根底に、人を幸せにしたい、楽しませたい、喜ばせたい、そういう思いがあるから、人間的に魅力的なんですよね。それがただのいかさま、詐欺師じゃないところだと、僕は思っています。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、加藤さんが『ローマの休日』に続いて2作品続けて朝夏まなとさんタッグを組むことについて、日本初演作品の主演を務めることについて、映画『グレイテスト・ショーマン』と舞台『バーナム』などについて伺った合同インタビューの内容と写真を掲載しています。2月26日(金)掲載予定のインタビュー「下」には、加藤さんの『Kazuki Kato 〜Thank you for coming! 2〜』全国ツアー完走について、加藤さんと中川晃教さん・海蔵亮太さんが登場した『僕たちの冒険! LOVE SONGS を探して!』配信についてのほか、2021年が始まって今思っていることについても伺った独自インタビューの内容と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■朝夏さんとは年齢も同じで、すごく尊敬していますし、頼りにしています

■実在の人を演じようとすると、上手くいかない。周りが浮き彫りにしてくれる

■木下大サーカスさんにご協力いただいて、映像や今の時代だからこその表現方法で

■アンサンブルの皆さんがジャグリングをやるかも。僕がやるかどうかは分からない

<ミュージカル『BARNUM』>
【東京公演】2021年3月6日(土)〜3月 23日(火) 東京芸術劇場 プレイハウス
【兵庫公演】2021年3月26日(金)〜3月28日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
【神奈川公演】2021年4月2日(金) 相模女子大学グリーンホール
公式サイト
https://musical-barnum.jp/

<関連リンク>
ASSIST | 加藤和樹 Official Web Site
http://www.katokazuki.com/
加藤和樹 オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/katokazuki-blog/
加藤和樹 Twitter
https://twitter.com/kazuki_kato1007

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加藤和樹さん=撮影・岩村美佳
加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. ゆう より:

    いつも加藤和樹さんのインタビューをボリュームたっぷり、素敵なお写真とともに掲載してくださりありがとうございます。
    今回のインタビューも、読んでいると「BARNUM」を早く観たい欲が高まっていく、ワクワクドキドキが増す内容でした。
    和樹さんの巧みな話術、そしてジャグリングなどへの挑戦があるのか、楽しみに初日の幕が上がるのを待ちたいと思います。

  2. ゆの より:

    素敵なお写真と読みごたえたっぷりのインタビュー、ありがとうございます!
    観劇がますます楽しみになりました♪
    和樹さんがバーナムをどう生きるのか、期待しかありません(*^_^*)

  3. ayuz より:

    素敵な文章とお写真、ありがとうございました、さまざまな媒体でBARNUMに関する加藤和樹さんのインタビュー記事を読みましたが、岩村さんの記事&お写真が1番好きでした(^^) 和樹さんのどんなBARNUMで魅せられるのか、期待を膨らませつつ、ワクワクドキドキしながら観劇日を楽しみに待ちたいと思います♪

  4. みるるん より:

    読んでいて、和樹さんのバーナムへの熱意が伝わってきました。サーカスを見るのではなく、至高の芸術、サーカスを作り上げたその実在する人間の深い内面を、どう演じ表現してくれるのか、とても楽しみです。
    ローマの休日に続く朝夏まなとさんとの共演は、観る側としても何だかとても安心感があります。
    素敵なインタビューをありがとうございました!

  5. より:

    いつも素敵なインタビューをありがとうございます。
    お写真も素敵で毎回楽しみに読ませていただいています♪
    劇中での朝夏さんとの夫婦関係がとても楽しみで…インタビューを読んでより期待が高まりました!!
    早くBARNUMの世界に入りたい。
    初日無事に幕が上がることを祈りながら楽しみに待ちます。

  6. non より:

    和樹さんとまなとさんが作り出す世界が楽しみで仕方がありません。
    ローマの休日の時…いえその前のミュージカルコンサートの時から和樹さんのまなとさんへの信頼感は感じていました。きっと、このお二人だからこそ描ける世界が観られるのだろうと、今からとっても楽しみです!
    素敵なインタビューをありがとうございました。

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