「犬にも猜疑心」、『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』、佐々木蔵之介(上) | アイデアニュース

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「犬にも猜疑心」、『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』、佐々木蔵之介(上)

筆者: 村岡侑紀 更新日: 2023年1月7日

2022年11月23日(水・祝)から12月11日(日)まで東京芸術劇場 プレイハウスで、12月15日(木)に宮城・えずこホールで上演された『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』が、2023年1月6日(金)に大阪・森ノ宮ピロティホールで開幕しました。大阪では1月9日(月・祝)まで上演され、その後1月14日(土)に高知県立県民文化ホールで上演されます。ルーマニアを代表する舞台演出家シルヴィウ・プルカレーテさんと佐々木蔵之介さんのタッグが、5年ぶりにモリエールの大傑作である『守銭奴』で実現します。アイデアニュースでは、主人公のアルパゴンを演じる佐々木さんにインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。

「上」では、東京公演と宮城公演を終えられての想い、原作となった『守銭奴』が平面の戯曲から立体的になる中で感じられた稽古場での発見や驚愕のこと、舞台美術の美しさや、アルパゴン役への想いや人物像について伺った内容を紹介します。「下」では、アルパゴンとお金の話、「楽しい!」という喜劇ではないということ、佐々木さんの舞台への想い、本作は舞台だからこその作品だというお話、喜劇ならではの客席と舞台上との関係性のことなどについて伺った内容を紹介します。

佐々木蔵之介さん=撮影・山本尚侍
佐々木蔵之介さん=撮影・山本尚侍

(※インタビューは、大阪公演開幕前に実施しました)

ーー東京と宮城の公演を終えられた、今の想いはいかがですか?

演劇ってやっぱり、お客さんにいらしていただいてこそ成立するものなので、お客さんと一緒に作ってきたという感覚があります。喜劇としての、間合いや雰囲気のようなものは当然稽古場で作ってはいるのですが、「このように、作品を観てくださるんだ」「ここを楽しんでくださるのか」というところは、私自身、お客さんを通じて教えてもらっています。

ーー客席で笑いが起こるなどの反応もありますよね。

そうですね。喜劇ですから「ここでこういう笑いを作りたいから、導入を作った方がいいのかな」とか、そういうことも考えてやっています。

ーー稽古場で作っていらっしゃる時とは、また違うところですか?

もちろん、演出家目線で稽古場で考えているところの延長線上でもありますが。「笑い」に関しては、プルカレーテさんの「笑い」というものをできるだけ尊重し、実現したいと思っています。例えば、掛け合いの笑いもあれば、一周回ってすーっと入っていくツッコミによる笑いもありますし、ちょっと乾いた笑いもあります。そういうところも試しながらやっています。

ーー原作はモリエールの『守銭奴』ですね。いくつか作品を読まれた上で、上演を決められたとのことですが、実際に演じられて、作品への印象は変わりましたか?

プルカレーテさんと一緒に『守銭奴』を選びました。平面の戯曲から立体的に作り上げていく時に、稽古場ではまず、尋常ならぬ日々の発見、驚愕がありました。作品ができあがってからというよりも、まず最初にプルカレーテさんの演出がありましたし、それはとても刺激的なものでした。毎日の稽古もそうです。

前回の『リチャード三世』の時も、手練れの役者たちが「このシェイクスピアのこの戯曲の、このシーンはこうだろう」とそれぞれに思っていたことについても、稽古場で軽々と斜め上から提示されて。その裏切りみたいなものが、すごく嬉しく新鮮で、楽しかったという記憶があったので、今回もまたご一緒できるのをとても楽しみにしていました。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、舞台美術の美しさや、アルパゴン役への想いや人物像について伺った内容など、インタビュー前半の全文と写真を掲載しています。インタビュー「下」では、アルパゴンとお金の話、「楽しい!」という喜劇ではないということ、佐々木さんの舞台への想い、本作は舞台だからこその作品だというお話、喜劇ならではの客席と舞台上との関係性のことなどについて伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■舞台美術に圧倒的な美しさが。アルパゴンの卑しさや汚さも、耽美的に美しく

■日本では、観たことがないものを観ていただける。ビニールでできた舞台美術

■客観的には共感できないが、「役に対しては、僕が一番の理解者」と思っている

■アルパゴンを形作っているのは「猜疑心」。人はもちろん、犬に対してでさえも

<『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』>
【東京公演】2022年11月23日(水・祝)~12月11日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
【宮城公演】2022年12月15日(木) えずこホール(仙南芸術文化センター)大ホール
【大阪公演】2023年1月6日(金)~1月9日(月・祝) 森ノ宮ピロティホール
【高知公演】2023年1月14日(土) 高知県立県民文化ホール オレンジホール
公式サイト
https://www.purcarete-fes.jp/shusendo

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佐々木蔵之介さん=撮影・山本尚侍
佐々木蔵之介さん=撮影・山本尚侍

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<筆者プロフィール>村岡侑紀(むらおか・ゆき) 広告制作会社に入社し、企業ブランディングやコピーライティングを経験。その後、化粧品メーカーのマーケティング担当として多くのブランドを育成し、ベンチャー企業で広報も。ミュージカルや舞台作品そのものの魅力はもちろん、そこに携わる方々のことを伝えたい。 ⇒村岡侑紀さんの記事一覧はこちら

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