「悪と言い切れない」「人間くさく」『キングアーサー』、加藤和樹・太田基裕(上) | アイデアニュース

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「悪と言い切れない」「人間くさく」『キングアーサー』、加藤和樹・太田基裕(上)

筆者: 岩村美佳 更新日: 2023年1月11日

ミュージカル『キングアーサー』が、2023年2月5日(日)まで東京・新国立劇場中劇場で、2月11日(土・祝)から2月12日(日)まで群馬・高崎芸術劇場大劇場で、2月24日(金)から2月26日(日)まで兵庫・兵庫県芸術文化センター KOBELCO大ホールで、3月4日(土)から3月5日(日)まで愛知・刈谷市総合文化センターアイリス 大ホールで上演されます。アイデアニュースでは、メレアガン役で出演する加藤和樹さん(伊礼彼方さんとダブルキャスト)と、ランスロット役で出演する太田基裕さん(平間壮一さんとダブルキャスト)にインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。

「上」では、稽古のこと、オ・ルピナさんの演出のこと、それぞれの役について、お互いの役の魅力などについて伺った内容を紹介します。「下」では、作品の印象や魅力だと思うこと、ランスロットのナンバーのこと、2020年にお二人が共演されたミュージカル『ローマの休日』のこと、お互いの活躍などについて伺った内容と、読者の方へのメッセージを紹介します。

加藤和樹さん(左)と太田基裕さん=撮影・岩村美佳
加藤和樹さん(左)と太田基裕さん=撮影・岩村美佳

(※このインタビューは、12月中旬に実施しました)

ーー稽古はどんな印象ですか?

太田:まだ分からないという感じです。いろいろ試しながら、探りながらやっていこうと思っています。

加藤:いい意味で、作っているテンポが早くて。そういう意味では全体像が見えてきています。全員で共有し合えるものはなんとなくあるんですが、ディテールやそのシーンの感情、感情の動きについてはまだまだ追いついていないので、その辺りをいかに自分たちがクリアにしていくかが課題ですね。

ーーいまは段取りをつけて、徐々に進んでいるという段階ですか?

加藤:そうですね。振り付け、殺陣を含め芝居のこんなシーンですよというのと、それぞれの役割というか、このシーンで一番重要な人はこの人ですという導きがある中で、そこでどう我々が自分の役に落としこんでいくか、というところです。

太田:これがどうまとまっていくのか、かなり気になるところです。キャッチーな楽曲が多いので、わりとエンターテイメント性が高い作品だなと体感しています。どういうふうな濃さで、人物像や作品について詰めていけばいいのかが、これからの課題になってくるのではと思います。

あまりにも曲がキャッチーで、歌詞の内容よりもメロディーが先行するところがあり、楽曲の中での歌詞を感じ取って表現していくのが、かなり難しい作業になるかもしれないですが、いろいろと挑戦していかなくてはと思います。

ーーオ・ルピナさんの演出については、どんな印象をお持ちですか?

加藤:韓国ですでに上演されているということもあって、非常に熱い方だなと思います。役者に対して求めるものも、クオリティや、当たり前のことなんですが、台詞をきちんと覚えてくるとか、歌詞を忘れないとか。彼女も我々が完璧ではないことをわかりつつも、それでもよりクオリティが高いものを求めるのは、「早く完成形が観たいのかな」というところがあるので、難しい部分がありながらも、とても信頼できるなと思います。

太田:和樹さんが言ったように熱い方なので、ルピナさんの中にある熱量やこの作品の姿を、一生懸命しがみつきながら体現できたらいいなと思います。

ーー作品の中でのおふたりの役どころや見どころについては、どのように考えていますか?

加藤:メレアガンは、ミュージカルのオリジナルキャラクターということもあり、わりと自由度は高いです。ただ、あまり出ているシーンがないというか(笑)。わかりやすく言えば悪役で、見え方的にも悪役なんですが、本をしっかり読むと彼自身は、とてもかわいそうな人。

それはルピナさんも話していたんですが、いろいろ積み重ねてきたものが一瞬で奪われてしまうので、復讐したくなる気持ちも分かるなと。僕は同情できるというか。彼が闇に落ちていく。モルガンの手によって、どんどんそちらの道へ染まっていく分かりやすいキャラクターではありますね。彼は、彼なりの意志、正義を掲げて動いているので、完全に悪といいきれないところが彼の魅力かなと思います。

ーーそこは見せ甲斐がある感じですか?

加藤:楽曲の歌詞が前向きというか、意志がある楽曲が多いんですよね。それはアーサーに対してなんですが、やはり彼にとても執着しますし、「こいつがいなければ自分が王になっていた」という思いがとても強いです。その感情の持っていき方ですね。モルガンと出会ったことによって手を組んで、「あいつを引きずり落としてやるんだ」という心の強さ。とにかく彼の楽曲は難しいので、頑張ってできるようになれたらいいなと思います。

ーー太田さんから加藤さんをご覧になっていて、いかがですか?

太田:ぴったりというと失礼ですが、はいはいはい…みたいな(笑)。きました!という感じがします。とてもかっこいい役だなと思いながら、客観的に見させていただいています。

ーー「演じてみると面白そうだな」とかではないんですね。

太田:僕は東山光明さんがやっていらっしゃるケイをやりたいです。おちゃらけ系、癒しキャラですね。

加藤:この作品のコメディー担当。

太田:すごく楽しそう、と言ったら失礼ですが(笑)。ケイはやってみたいなと思いながら、メレアガンはかっこいいなと思いながら見ています。

加藤:こっち(加藤さん)は悪役担当で、こっち(太田さん)はイケメン担当なので。

太田:いやいや(笑)。悪い言い方。違う違う。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、それぞれの役について、お互いの役の魅力などについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。12日掲載予定のインタビュー「下」では、作品の印象や魅力だと思うこと、ランスロットのナンバーのこと、2020年にお二人が共演されたミュージカル『ローマの休日』のこと、お互いの活躍などについて伺った内容や読者の方へのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■太田:「揺らぎ」みたいなものを体現できれば、とても人間くさいランスロットに

■加藤:声の特徴と歌声が合えば、ランスロットの気持ちをすごく伝えてくれそう

■加藤:立ち姿がかっこいいもっくん。誰もが目を奪われてしまう魅力を持っている

■太田:和樹さんの歌声とマッチしているポップスぽい楽曲。ライブを見ているような

<ミュージカル『キングアーサー』>
【東京公演】2023年2月5日(日)まで 新国立劇場 中劇場(※1月17日より開幕)
【群馬公演】2023年2月11日(土・祝)~12日(日) 高崎芸術劇場 大劇場
【兵庫公演】2023年2月24日(金)~26日(日) 兵庫県立芸術文化センター  KOBELCO大ホール
【愛知公演】2023年3月4日(土)~5日(日) 刈谷市総合文化センターアイリス 大ホール
公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/kingarthur2023/

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加藤和樹さん(右)と太田基裕さん=撮影・岩村美佳
加藤和樹さん(右)と太田基裕さん=撮影・岩村美佳

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. ゆうか より:

    ミュージカルキングアーサー東京楽、お疲れ様でした。
    太田さんのランスロットは王子様のようなキラキラとした登場で、本当にファンタジー感が強かったです。そんな中でも太田さんが丁寧にランスロットの人間性を描かれていることで、さらに魅力的な人物となっていました。加藤さんのメレアガンの悲哀もとても美しかったです。
    ツアー公演も無事に完走できるよう、願っております。

  2. セッキー より:

    和樹さんともっくんは共演経験もあるので仲良しトークでしたね。

    岩村さんはお二人のことも良くわかってらっしゃるので、質問内容もより深いところまで聞いてくださるので読み応えがあります。

    もう東京公演は始まっていますが、兵庫公演が私の初観劇になりますので楽しみで仕方ありません!

    素敵なお写真もいつもありがとうございます😊

  3. aoi より:

    加藤さんと太田さんの共演、楽しみにしていました。お互いの仲の良さが伝わってくるやりとりでインタビューの場にいるように読ませて頂きました。ダブルキャストは組み合わせ毎の公演が限られてしまうのが難ですが、なんとかお二人が出演される回を見てみたいなと思いました。

  4. バーバラ より:

    1年前から楽しみにしていた舞台が無事幕が上がりますように、祈る気持ちでこの記事を拝読しました。いつもながら、おしゃれで気の利いたインタビューに、お二人の笑顔が素敵でした。ありがとうございます。

  5. みほ より:

    役についてやお互いについてのお話を読めたのは、この後の観劇の楽しみとなりました。
    素敵なお二方を見れて光栄です!
    『下』も楽しみにしております!

  6. non より:

    これまでに何度か聴く機会のあったメレアガンの楽曲は、まさに和樹さんの声に合っていると思います。
    ペンライトには黒が無いから赤にしましたが、和樹さんメレアガンの怒りは黒く感じます。でも伊礼彼方さんのメレアガンは赤なんですよね。真紅って感じ。どちらも楽しみです。
    もっくんと壮くんの違いも楽しみです。
    無事に幕が開くことを祈っています!

  7. いおり より:

    なるほどと思うインタビューでした。お二人の役どころが多少なりとも見えてきた気がします。このペアでのインタビューはみたことがないので嬉しかったです。ローマの時の事も触れてくださり、ありがとうございます

  8. きゃっびー より:

    日本初のキング・アーサー。
    楽しみにしておりました。
    和樹さんのメレアガン♡
    絶対にカッコいいと思います。
    早く…会いたいです!!
    開幕まで待ち遠しいです。

  9. みぃ より:

    ローマの休日以来の久しぶりの和樹さんと太田さんの共演に、ワクワクしています。
    しかも今回は敵対役。
    どんなぶつかり合いの表現が見られるのか、更に楽しみになりました!
    楽しい対談記事をありがとうございます。

  10. より:

    共演された事があるからこその和やかな様子がよく分かります。
    お互いの声の質にまでレポート頂きありがとうございます。
    東京公演無事開幕されますように。

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