スティーブン・ソンドハイム作のミュージカル『太平洋序曲』が、2023年3月8日(水)に開幕しました。3月29日(水)まで東京・日生劇場で、4月8日(土)から4月16日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールで上演されます。西洋のクリエイターによって、近代日本の幕開けとなる江戸時代末期、日本が開国して西洋化へと向かう激動の過程が描かれた本作。今回は、梅田芸術劇場と英国のメニエール・チョコレート・ファクトリー劇場との日英共同制作で、演出にはオリヴィエ賞にノミネートされ、『TOP HAT』も手掛けたマシュー・ホワイトを迎えて、西洋と日本が融合した新たなアプローチで創り上げられます。
アイデアニュースでは、浦賀奉行所の下級武士・香山弥左衛門をダブルキャストで演じる海宝直人さんと廣瀬友祐さんにインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。「上」では、香山弥左衛門という人物について、2013年に同じくソンドハイム作品である『メリリー・ウィー・ロール・アロング』で共演して10年ぶりに同じ作品にダブルキャストとして出演することについて、当時のお互いの印象のことなどについて伺った内容を紹介します。「下」では、本作の楽曲のこと、これまでにお二人が「打ちのめされた」経験のことについてお話ししてくださった内容などを紹介します。
ーーおふたりは黒船で来航したペリー提督と交渉に当たった武士・香山弥左衛門ですが、彼はどのような人物でしょうか?
海宝::当初は「浦賀奉行所の与力」という位の高くない侍なのですが、海外から来た黒船の外国人たちを追い出せという無茶な大役を将軍から押し付けられてしまいます。その中で、ジョン万次郎と共に、知恵を使って振り絞りながら、最終的には役割を果たして出世していくという人物ですね。
廣瀬:日本史における政治的な問題がいろいろと出てくる作品ですが、その中で香山という平凡な男が、権力などを持っていく物語でもあります。キャラクターがかなり濃い登場人物たちの中で、香山はいたって普通な男になりそうで、お客様が一番感情移入できるんじゃないかと。寄り添えるような表現をしていけたらと思っています。
ーー出演への意気込みなどをお聞かせください。
海宝:まず、日本で上演することにとても意義のある作品だなと思います。上演される時代によって、すごく伝わるものがあるなと。ラストは「ネクスト」という曲で終わりますが、時代が進めばネクストの内容もどんどん先に進んでいくでしょうし、その時代を映したものを観て、その時代を生きている人たちが何を感じるのかという点でも、とても興味深く面白い作品になると思います。そういう作品を海外のクリエイターチームと一緒に、日本人のキャストたちで作ることに、ものすごく大きな意義を感じておりますので、楽しみに劇場に来ていただけたらと思います。
廣瀬: 本当に素晴らしい俳優の方々とご一緒できることを光栄に思います。香山という役割を果たせるように、一生懸命頑張りたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
ーーお互いがダブルキャストに決まって、どう思われましたか?
海宝・廣瀬::驚き!嬉しみ!
廣瀬:いやぁ、もう、なおちゃんですよ?
海宝:どういうことよ(笑)。でも、『メリリー・ウィー・ロール・アロング』以来ここまで共演はなかったからね。近くにはずっといたけれど。
ーー2013年に共演されて以来なので、ちょうど10年ですね。
廣瀬:ダブルキャストなんて想像もしていなかったです。本当に共演したかったから、だからこそ今回は一緒にやれないのが……。
海宝:ね、本当そう。
廣瀬:だから、嬉しみ、悲しみ。
海宝:僕も嬉しいです。昨年『イントゥ・ザ・ウッズ』を拝見したのですが、ひろくんの、場面を引っ張る力がすごく素敵でした。いろいろと大変な作品だろうなと想像しましたが、その中でしっかり役割を果たして場面を成立させる力があるというのは、やっぱリすごいことだなと思って。今回もソンドハイムの作品ですし、とても楽しみです。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、2013年に同じくソンドハイム作品である『メリリー・ウィー・ロール・アロング』で共演して10年ぶりに同じ作品にダブルキャストとして出演することについて、当時のお互いの印象のことについて伺った内容などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。インタビュー「下」では、本作の楽曲のこと、これまでにお二人が「打ちのめされた」経験のことについてお話ししてくださった内容などインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■海宝:『メリリー』共演が初めまして 廣瀬:最初から「もうなんか好き」だった
■廣瀬:大前提として優しいなおちゃんの、「毒づき方の種類」が居心地良くて
■海宝:キラキラしてたひろくん。意外と陽と陰のバランスが、すごく心地良い
■海宝:「イケイケだぜ」とならずに、自分と向き合っているからこそ素敵なひろくん
<ミュージカル 『太平洋序曲』>
【東京公演】2023年3月8日(水)~3月29日(水) 日生劇場
【大阪公演】2023年4月8日(土)~4月16日(日) 梅田芸術劇場メインホール
公式サイト
https://www.umegei.com/pacific-overtures/
『太平洋序曲』 関連記事:
- 「そんなことまで話してくれる?!」、俳優活動15周年『廣瀬友祐 talk event – Honesty -』ルポ 東京公演は8月19日から 20240818
- 「普段は聞けない話を」、『廣瀬友祐 talk event – Honesty -』廣瀬友祐(下) 20240729
- ⾼島健⼀郎・⼭野靖博・武⽥莉奈出演、日本初上演ミュージカル『TARRYTOWN』11⽉18⽇に開幕 20231109
海宝直人 関連記事:
- 「そんなことまで話してくれる?!」、俳優活動15周年『廣瀬友祐 talk event – Honesty -』ルポ 東京公演は8月19日から 20240818
- 「普段は聞けない話を」、『廣瀬友祐 talk event – Honesty -』廣瀬友祐(下) 20240729
- 「正直、誠実とは」、『廣瀬友祐 talk event – Honesty -』廣瀬友祐(上) 20240728
廣瀬友祐 関連記事:
- ミュージカル『マタ・ハリ』、2025年10月から11月に東京・大阪・福岡で上演 20241016
- 「そんなことまで話してくれる?!」、俳優活動15周年『廣瀬友祐 talk event – Honesty -』ルポ 東京公演は8月19日から 20240818
- 「普段は聞けない話を」、『廣瀬友祐 talk event – Honesty -』廣瀬友祐(下) 20240729
※海宝直人さんと廣瀬友祐さんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは4月11日(火)です(このプレゼントの募集は終了しました)。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
アイデアニュースは、有料会員のみなさんの支援に支えられ、さまざまな現場で頑張っておられる方々の「思いや理想」(ギリシャ語のイデア、英語のアイデア)を伝える独自インタビューを実施して掲載しています。ほとんどの記事には有料会員向け部分があり、有料会員(月額450円、税込)になると、過去の記事を含めて、すべてのコンテンツの全文を読めるようになるほか、有料会員限定プレゼントに応募したり、コメントを書き込めるようになります。有料会費は取材をしてくださっているフリーランスの記者のみなさんの原稿料と編集経費になります。良質な取材活動を続けるため、どうか有料会員登録にご協力をお願いいたします。
お互いがお互いをどう思っているか、こんなに正直に詳しく話しているインタビューは他にあるのかと思うくらい、大満足の記事でした!