ミュージカル『カラフル』が、2023年7月22日(土)に開幕しました。本作は8月6日(日)まで世田谷パブリックシアターで、8月12日(土)と13日(日)に兵庫県芸術文化センター阪急中ホールで、8月19日(土)と20日(日)に水戸芸術館ACM劇場で、8月26日(土)、27日(日)に春日井市民会館で上演されます。主人公の<ぼく>を演じる鈴木福さんと、天使プラプラを演じる川平慈英さんのインタビュー後編です。「下」では、作品のキーとなる「絵」にちなみ、ご自身を表現できる表現方法について、中学生の頃の葛藤などについて伺った内容とお客さまへのメッセージを紹介します。
――加藤清史郎さん、濵田龍臣さんとの『ボクらの時代』を拝見したんですが、皆さんの成長過程を振り返ったお話がすごく面白かったです。思考や見えているものが、どういう風に変わるのかなと思って。
鈴木:あの頃は、考えているようで考えていないところがあったと思うんですね。それがもうちょっと深くなっているはずです。
――感覚でやるお芝居と、思考でやるお芝居みたいなものでしょうか。
鈴木:そこがうまく合わさってやっていけたらいいなと思っています。なかなか難しいんですが。
――<ぼく>が<小林真>として人生を再挑戦しますが、真は絵を通して自分だけの世界を持っています。同じように自分を表現できる何かはありますか?
川平:僕、本当に趣味ないんですよね。絵もやらないし、当然陶芸なんかやるキャラではないし。これで僕が壷作ってたらびっくりでしょ。
鈴木:似合いそうですけど。
川平:いやいや。クラフトワークとか楽器とか、本当にないんですよ。格好つけるわけじゃないですけど、小さい時から自己顕示欲がすごく強かったから、「僕を見て」とか「僕を褒めて」とか。沖縄生まれ三男坊、甘やかされ、目立ちたがり屋といろいろ重なってそうなったと思うんですけど。どうやって言葉にしたらいいだろう、自分自身が趣味みたいなところがあります。僕がどうやって楽しめるかということしか考えていないのかな……。
――あえて何かで表現しなくても、己自身で表現しているという感じでしょうか。
川平:(笑)。そうですね。いざ舞台に立っている自分を見ると、いかに舞台上で僕が楽しめるかというのがキーワードで。僕も客席にいて、楽しんでいる人間や輝いている人間、言い換えれば、生きているという聖なるエネルギーを発散している人に心を奪われるんですね。それは別に「僕、生きているよ!」という発散の演技だけではなくて、静の演技でももちろんいいんですけど。
この人は楽しんで生きているなという人に惹かれます。表現が難しいですけどね。この歳になってまだ、芝居とは何か、ミュージカルとは何かというのは、なかなかいい答えがないですね。いかに無駄な力を削ぎ落として、「今、生きることが楽しい」ということをお客さまと共有できるような、そんな自分でいたいなと思います。
――真は、そういう表現をあまり上手くできないから、絵で自分を表現するのかなと思いました。
川平:そうですよね、表現って難しいですもんね。だいたい自分が思った表現で伝わっているかというと、ほぼ伝わっていなかったりしますもんね。
――鈴木さんは、何か自分を表現する方法はありますか?
鈴木:普通に楽しく生きている感じです。僕は人に対して「こういうのを伝えられない」ということもないですし、普通にやりたいことをやっていて、テレビに出ている時もお芝居をしている時もそうですし、今こうして話しているのもそうですし。ひとりでぼ~っとする期間は何かを表現しなくてもいいじゃないですか。
そこで表現したくないから、何か「スイッチを切る」ということもありません。「これがあると僕が開花する」というものがあるわけでもなければ、ないわけでもないので、「常に生きていて」という感じです。スイッチがないタイプの人間です。
――そういう意味ではおふたりとも似通っていますね。
鈴木:そんな感じです。でも<小林真>には、きっと絵を描くというスイッチがあるから、そこで集中したりエネルギーが出たりするわけじゃないですか。お芝居をする人たちも、普段すごく人見知りでしゃべらないけど、スイッチが入って勢いよくしゃべる方もいらっしゃるとは思います。僕は全然そんなことがないんです。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、中学生の頃の葛藤などについて伺った内容やお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■川平:認められたい願望が強かった中学生の頃。ものすごいエネルギーで生きていた
■鈴木:中学生の頃は相当な葛藤が。「子役」ではなく「俳優」と呼ばせるようにと
■川平:多分、どこかに「自分」が出てくる作品。ぜひ大切な人と観に来て欲しいと思う
■鈴木:「カラフル」に、ぱっと明るくなって、かつ心に残せる作品にできるように
<ミュージカル『カラフル』>
【東京公演】2023年7月22日(土)~ 2023年8月6日(日) 世田谷パブリックシアター
【兵庫公演】2023年8月12日(土)、8月13日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【茨城公演】2023年8月19日(土)、8月20日(日) 水戸芸術館ACM劇場
【愛知公演】2023年8月26日(土)、8月27日(日) 春日井市民会館
公式サイト
https://setagaya-pt.jp/stage/1858/
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