「クリスマスの先取りを」、『A Brilliant Christmas』本田康祐・百名ヒロキ(下) | アイデアニュース

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「クリスマスの先取りを」、『A Brilliant Christmas』本田康祐・百名ヒロキ(下)

筆者: 村岡侑紀 更新日: 2023年11月2日

2023年11⽉2⽇(⽊)から11⽉12⽇(⽇)までヒューリックホール東京で、2023年11⽉17⽇(⾦)から11⽉19⽇(⽇)までCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホールで上演される舞台『A Brilliant Christmas』で、主人公・東条一輝をダブルキャストで演じる本田康祐さん(OWV)と百名ヒロキさんのインタビュー後編です。

「下」では、作品の見どころ、コメディ作品ならではの難しさ、本田さんが今感じているアーティスト活動と舞台の共通点、いろいろな作品に出演する中で「変な緊張をしなくなった」という百名さんのお話や、本田さんが緊張する時のことなどについて伺った内容と、お客さまへのメッセージを紹介します。

本田康祐さん(右)と百名ヒロキさん=撮影・NORI
本田康祐さん(右)と百名ヒロキさん=撮影・NORI

ーー冒頭の電話のシーンのお話が何度か登場していますが、結構物語のキーになるシーンですか?

百名:いや、お客さんにとってはそうでもないかもしれないです(笑)。でも、演じる僕らにとってはキーかなあ…。長台詞があったり。

本田:開幕直後から、いきなり長台詞だからね。

百名:長台詞だけど、テンポ感もよくしなきゃいけないし。

本田:テンションを通じて、お客さんにきちんと一輝のキャラクターを届けなきゃいけなくて。説明するところだから、演じる上ですごく大事なシーンだとは思うんですけど、難しいですね。

ーー本田さんは今回舞台出演が初めてですよね。百名さんからご覧になって、「ここがいいな」と感じているところなど、いかがですか?

百名:それこそ、今話していた「やる気のなさ」の出し方が上手いんですよ。

本田:へー!そうなの!?

百名:僕が中本さんに言われたのは、ちゃんとしすぎていて、すごく仕事できそうな一輝に見えてしまうから、その間のところをいかないといけないとなと。

本田:僕の、不安な気持ちが入っているのが逆にいいのかなあ…。初舞台で不安になりながら稽古している感じ。

百名:そうそう、僕にはもうその感覚がないから、いろいろ盗みながらです。ラッキーですよね、ダブルキャストで。康祐くんがすごいラフな感じでいるんで。

ーードタバタコメディだと伺っているのですが、作品の見どころはどのあたりだと感じていますか?

本田:僕は、最後のショーのシーンが好き。歌の練習とかした感じ、「わあ、なんかすごいな」って思いました。芝居も面白いですし。

百名:確かに、歌のところの楽器のストリングスの構成とかすごい、無駄に豪華な(笑)。

本田:めちゃくちゃ豪華!「最後それ?」っていうのが僕の中でかなり面白い。今超楽しみ。

百名:ザ・ミュージカルな感じの曲を最後やるんですよ。ちょっとディズニーっぽいというか。そのショーをするために物語が進んでいくんですよね。まだ何も振り付けがついてないんですけど、歌を聞いただけでも、「どうなるかな?」って楽しみです。

本田:コメディ芝居なのに、最後は、エンターテインメント、ザ・ミュージカル!という感じで。そのショーの中にもコメディ要素が入っていて。

百名:ふざけ散らかすようなところもあるよね。ホテルの中でクリスマスに5年に1度することになっているレビューショーとして採用されたものを見せる、というラストシーンです。終わりよければ!という。

本田:あとやっぱり、舞台となるホテルの従業員のみんなのキャラクターがすごく良くて。全員がしっかりと面白いというか。もう本当に見てもらいたいですし、そういうみなさんの中に巻き込まれる僕たちが演じる一輝、みたいなところがあるので。

百名:今回、僕たちが演じる一輝が、典型的な若者という感じなんですよ。やりたいことは具体的になくて、でも何かを探しているというか。そういうところは一人の人物としてわかりやすいかなと思います。

本田:ヒューマンドラマ的だよね。等身大かもしれない。

百名:そうなんだよね。案外リアルだなと思います。

ーーおふたりは、一輝という役に共感するようなところもありますか?

百名:一輝自体には、ありますね。「フラフラしてもいいじゃん!やりたいこと見つかるまでは」みたいな。みんなに流されたままに、一輝はショーの準備をしたり、やる気を出していって、最後は「やるよ!」ってなっていくんですけど。

本田:「なんで、一輝のやる気が出たのか?」というところにも、注目してもらいたいですね。

百名:「人生なんて、そんなもんだろ」って思ったりもします。

ーーコメディ作品への出演について、百名さんはいかがですか?最近出演されていた作品は、コメディという感じではないですよね。

百名:コメディはやっぱりみんなで作るので、一人が頑張っても、テンポ感とか含めてどうしようもないので、とにかく稽古しないといけないなと思っています。「今のシーン、なんか盛り上がっていないな」というケースがあったとして、「じゃあ」って一人でこっちがテンションを上げて無理やりやろうとしても、全体ではすごくシラけちゃったりもするんです。結局、稽古の量が必要だと思っています。コメディの方が、絶対に難しいですよ。

ーーそうなんですね。

百名:普通の物語だったら、物語通りにやっていけば感動できたりもするじゃないですか。ちゃんとやれば。でもコメディは、キャストたちならではの空間で、きちんと作っていかないといけないし、そういうところが一番難しいと思うんです。だから、今回の作品も「コメディ」って言わないで!って思いました。ヒューマンドラマとかにしておいてって(笑)。

本田:やっぱり、川田(広樹)さんとかは、すごい間がうまくて面白いんです。普通のセリフの中にも、ちょくちょく落としどころみたいなところがあるんですけど、稽古の時から「うわ、おもろ!」って思うところがたくさんあります。

百名:しかもね、それを必要最低限のパワーでやっていらっしゃるよね。

本田:間とか言い方に、すごく面白さが詰まっていて。

百名:あれはもう、匠の技だよね。

本田:はい、もう脱帽です。俺らの役は、ツッコミが多くて。超大事なポイントなんですが難しい。

百名:でも逆に、俺らがボケて、周りにテンション上げてもらわないといけない!みたいなところもあるよね。温水(洋一)さんも、台詞も動きも一人で持っていって、すごいですよ。久しぶりに稽古場にこられても、一発で空気を支配して。

本田:いやー、すごいよね!ビビりました。

百名:あと、座敷わらし役の倉本(琉平)くんもすごいんです。芝居でぐっと来てくれるんで、やりやすいです。

本田:確かに!倉本くんとの演技すごくやりやすいかも。

百名:座敷童と一輝の二人だけの会話シーンが結構あるんですよ。一輝にしか見えない役なので、大体2人だけのシーンなんですけど。

本田:体で演技してくださることが多いので、こっちもアクションしやすかったりします。僕も、初めてでも「こうしよう」「こう体をよけよう」とかも、結構自然にできました。すごいなと思っています。

百名:そういう掛け合いが楽しいよね。

ーー話が変わりますが、本田さんは現在OWVのツアーも同時に走っている感じでしょうか? 初舞台で、ツアーも並行してと、盛りだくさんですがいかがですか?

本田:正直、すごい大変ですね。百名くんには、仲良くしてもらっていますけど、ある意味ではライバルでもあるわけじゃないですか。同じ役をやってる中で、その作品を違うものにしていかなきゃいけないし、どっちも良い作品を作り上げようという中で、友でありライバルみたいな。そんな百名くんが、ここの稽古場の誰よりも真っ先に台本を見ないで演技をしていたんですよ。だから僕も負けじと「セリフを入れなきゃ!」っていうのがあって。

百名:でも、康祐くんも、もう台本は外していない?最近。

本田:うん。もう外してる。頑張って外すようにして、台本を覚えた。それは、百名くんが座長としてやってくれているのを見て、俺も座長なんだという刺激にもなってくれていて。そういうところを見ながら、百名くんすごいなって思うんです。だから、僕はツアーで忙しいとかはありますけど、その中でもやっぱりやれる時間を見つけて「そのレベルにいかなきゃ」っていう思いがあるので、レベルアップさせてくれてるなって。本当にありがたいです。

百名:いやいやいや…ツアー見に行くね!稽古休んで…(笑)。

本田:それは主役いなくなっちゃうんで!(笑)。アンサンブルの方が大変になっちゃうから!舞台って、アンサンブルの方が本当にすごくて。その役の人がいないときに、代わりに役をやってくださるし。みんながすごい現場だなと改めて思っています。

ーー本田さんは、普段はOWVのリーダーとしてアーティスト活動をされていますが、舞台に初めて取り組まれる中で、いつもと違うなとかここは似ているなというところはありましたか?

本田:OWVとしての主戦場というか、アーティスト活動をする中で、一番重きを置いているのは、やっぱりライブなんですよね。ステージを作ってお客さんに届ける。そこは、舞台でも全く一緒じゃないですか。その内容、中身、その段の上の中身の違い等はあるんですけど、「お客さんに何かを届ける」「何かを作り上げる」というパワーは一緒だと思ってるので。ツアーでは、僕、演出も全部やっているんです。

百名:今回も?

本田:はい。演技でこういうのあったなとか、こうやって作っているんだなと思うと、自分のホームに持って帰れるなと思うところもいっぱいあります。例えば、まだ先ですが、劇中で照明の入り方とかを見たら、そういうのも楽しみだなとか。もちろん、初めてのことで、今すごい苦戦感っていうのはあります。やっぱり、普段舞台に立たれている皆さんを見ていたら「プロだな」ってすごい思いますし、声の迫力も違うし。僕は「歌って踊る」ことをメインの職業にしていますが、演技のプロたちに負けないよう頑張るし、OWVに帰ったら、もっと自分のプロ意識を上げていこうと改めて思ったというか。みなさん、プロであることへの自信があって、そういう方々を間近で見させてもらうと、食らいつこうと思いました。

ーーカンパニーのみなさん、素晴らしいんですね。

本田:「自分がこういう職業なんだ」というところを、すごいわかりやすく提示してくれているというか、そこにとても誇りを持っているところが伝わってきて。僕も、もっとプロとしての自覚を持とうと改めて思いました。改めて「自分って何なんだろう」って考えました。アーティストで、演技については素人みたいな僕だからこそ、周りの皆さんに支えてもらって頑張るのはもちろん、自分の努力ももっと必要だなと思っています。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、いろいろな作品に出演する中で「変な緊張をしなくなった」という百名さんのお話、本田さんが緊張する時のことやお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■百名:難しいと感じても、確実に自分ができることを全部やる。無駄な不安を抱えなくなった

■百名:稽古中にいろいろ積み上げていけばいいんだと 本田:もう緊張しないでしょう?

■本田:ライブでも、舞台袖にいる時に一番緊張する。「お客さんいなかったらどうしよう」とか

■百名:気軽に来て、楽しんで帰って 本田:ハッピーで終われる作品。どちらの一輝も観てほしい

<舞台『A Brilliant Christmas』>
【東京公演】2023年11⽉2⽇(⽊)〜11⽉12⽇(⽇) ヒューリックホール東京
【大阪公演】2023年11⽉17⽇(⾦)〜11⽉19⽇(⽇) COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
公式サイト
https://wondervillage.jp/brilliantchristmas/

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本田康祐さん(右)と百名ヒロキさん=撮影・NORI
本田康祐さん(右)と百名ヒロキさん=撮影・NORI

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<筆者プロフィール>村岡侑紀(むらおか・ゆき) 広告制作会社に入社し、企業ブランディングやコピーライティングを経験。その後、化粧品メーカーのマーケティング担当として多くのブランドを育成し、ベンチャー企業で広報も。ミュージカルや舞台作品そのものの魅力はもちろん、そこに携わる方々のことを伝えたい。 ⇒村岡侑紀さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. mi より:

    観劇前、そして二人それぞれの公演を観たあとに改めて記事を読みました。
    同じ役でも台詞の言い回しや間などの違いで印象の違う一輝が作り上げられていることに驚き、公演後にはなるほど、こうして二人の一輝が出来上がったのかと更に興味深く読ませていただきました。
    自分はあまり観劇経験がないのですが、舞台の奥深さを感じて色々な作品を観てみたいと思いました。
    素敵なインタビューとお写真をありがとうございました!

  2. てぃーだ より:

    2人が一緒に舞台に立ってるところ見たかったという素直な気持ちと、2人がW主演で良かったという気持ちが交差します。切磋琢磨して一輝が出来上がったんだなあと改めて観劇ご本人読むと実感します。
    気軽にきて楽しんで帰る、本当そのまま叶う作品で。インタビュー含め、先取りクリスマス。めちゃくちゃ幸せな気持ちにさせていただきました。

  3. Ho より:

    こちらの記事を読んで初日の公演を観たので、解像度があがって楽しめました。特に本田くんの「なんで、一輝のやる気が出たのか?」のところをじっくり追うことができて嬉しかったです!
    あとはこの記事の写真の質感がどれも素敵です!

  4. すあま より:

    やる気の無さがうまいと言われているところ、素敵だと思いました。
    ポスターになっている写真を見た時にも二人の違いを凄く感じましたが本当にうまそうだなと。
    演技では先輩である百名さんがそんなふうに褒めてくれるのはいい関係だと思うし壁の無さを感じます。
    座長としての姿を見せる百名さんも、それを見て準備を進める本田さんもかっこいいと思いました。
    私も最初から「できる」自分を見せようと思わず、出来ることを積み重ねて完成まで作り上げていくという考え方を持ちたいと思います。
    良いお話を聞けました。

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