Entertainment Human Theater『ハッピーバースデー ~命の唄~』が、2023年10月25日(水)に開幕しました。10月29日(日)まで、東京・紀伊國屋ホールで上演されます。原作の「ハッピーバースデー」は児童書としては異例の累計150万部を売上げ、ドラマ化やアニメ化もされ話題となり、全国の小中学校で愛読されました。その本作の原作者である吉富多美さんと、ミュージカル俳優の土居裕子さんが企画をし、30年以上オリジナルコメディーに拘り製作し続けた水木英昭プロデュースとタッグを組み舞台化されます。軸となる子供たちのキャスティングは夏休みの全国オーディションにて決定しました。イジメや虐待という難しくもあり、教育的、もはや社会的テーマである題材が、高い音楽性とエンターテイメント性豊かに舞台化されます。本作品の音楽を担当するのは、水木英昭プロデュースの音楽を長年創り続けている髙木茂治さん、テーマ音楽を作曲するのは主演の亜季緒さんです。
アイデアニュースでは、主人公あすかの兄・直人をシングルキャストで演じる川口調さんにインタビューしました。上下に分けてお届けします。「上」では、本作に出演したいと思った理由、直人役のこと、稽古場の雰囲気などについてお話ししてくださった内容を紹介します。「下」では、この作品における音楽のこと、作品の見どころだと思うところ、舞台で役を演じることやいろいろ試すことのおもしろさ、昨年世界大会に出場されたバトントワーリングの魅力などについてお話ししてくださった内容と、お客さまへのメッセージを紹介します。
ーーこの作品に出演したいと思った理由をお聞かせください。
まず応募するときに、本当は迷ったんです。バトンを習っているんですが、バトンの大会期間と重なっているというのと、こういう重たい、シリアスな感じの舞台に出演したことがなかったので、どうなんだろう、できるのかなと正直不安でした。でも、いろいろな舞台を経験していきたいなと思って、今回応募することにしました。
ーーこの物語に出会ったのは今回がはじめてですか?
はい、今回の舞台のお話を頂いてから、原作を読みました。おお!となりました。原作を読んでからの応募だったので、ある程度あらすじや登場人物、ストーリーを理解して頑張ってみようと思いました。
ーー直人役での出演が決まったときは、いかがでしたか?
もし受かるとしたら直人か、小林くん役なのかなと思っていましたが、まさか自分が直人をやるとは思っていなかったので、「直人なんだ!」というのが第一印象でした。
ーー原作を読んで、どんなことを感じましたか?
原作で取り上げられているメインのテーマは「いじめ」など、重たいのですが、台本を読んだときはおもしろい作品だなと感じました。導入のシーンは、原作のように重たかったり、悲しい、辛い、苦しいという感情がメインなんですが、全体を通すとクスッと笑えるシーンがあったり、おもしろい役の人がいたりと、そういうところが入り混じってストーリーが進んでいくので、ちゃんと最後まで台本を読み終わったときは、そんなに「重い」とはならずに、「楽しかった、おもしろいな」と前向きな気持ちで終われました。すごいなと感じました。
ーー舞台化によって、変化が生まれているんですね。
あと、小さい子も観やすいのかなと思いました。本だと字だけですし、加えてストーリーも重くて。舞台だと目に見えて話が進んでいきますし、おもしろいシーンがあるので。
ーー台本を読んでみて、直人の心情や行動についてどう思われましたか?
父や母、あすかに対しての気持ちがどんどん入れ替わっていくのを感じました。特に、あすかの姿や感情に行動が揺さぶられて、行動や気持ちが変化していくのを感じました。正直、役としてそれを表現するのは難しいかなと思ったりしたんですが、あすか役のおふたりがとても演技が上手なんです。
稽古に入ってからそのシーンを演じていく中で、思っていたよりも、演じているおふたりの感情で自分自身がリアルに動かされています。涙が出たり、気持ちが「ううっ」となったりするので、「直人の感情は、こういうことなんだ」と。感情の入れ替わりが大きい役だなと思いました。
ーー彼の行動は、感情の入れ替わりが大きい結果の行動でしょうか?
そうですね。
ーー彼の行動はすごいなと思いました。直人がこの物語にいてよかったなと。
直人がシーンごとの大事なところを決めたりしますよね。あすかを田舎の祖父母のところに連れて行ったりというのも、直人があすかの姿に心を動かされて行こうと決断したりするので、感情が動いたあとの自分の行動や言動をしっかり形にできる子だなと思いました。
ーー思っただけでなく、そこから行動に移せるのが直人という子だと。彼のことをどう思いますか? 同世代でもありますね。
意外と自分とあまり変わらないなと感じました。台本の中に、自分の得意なバトンの要素を入れてくださったりしたので、「直人はこんな子」というよりも自分が直人でいいのではないかと最近は思えるようになってきて。それこそ年も近いですし、自分も受験をしたりということもあって。僕自身には兄と姉がいて、身近にあすかのような妹はいませんが、もう直人がこんな子だなというよりは、自分が直人になろうと思うようになりました。
ーーごきょうだいがいらっしゃると、お互いの影響も大きいかと思いますが、いかがですか。
そうですね。きょうだいがいるかいないかで、普段の生活や気持ちもすごく変わってきますよね。一緒に生活しているわけなので、距離感が近いからこそのケンカや、逆に一緒に楽しんだりということもありますし。
ーー直人とあすかもきょうだいだからこそ、進んでいけた道なのかなと。
多分、そうじゃないとこんなに近くで言い争ったり、妹のために祖父母のところへ行ったり、サプライズパーティーをしようという動きには繋がらないと思うので、「きょうだいである」ということは大事だと思います。
ーー演じる上で、どんなことを大切にしていますか?
先ほども話したように、今回、役づくりを考えなくても、意外とスッと直人になりきれているような感じがしています。直人はこんな子だから、こう考えようではなく、僕だったらこういう気持ちだろうなみたいなところを、セリフを言うときにも考えるように心がけています。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、稽古場の雰囲気についてお話ししてくださった内容などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。インタビュー「下」では、この作品における音楽のこと、作品の見どころだと思うところ、舞台で役を演じることやいろいろ試すことのおもしろさ、昨年世界大会に出場されたバトントワーリングの魅力などについてお話ししてくださった内容やお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■『恐怖コレクター』『オリバー!』では、役に自分の気持ちを合わせていた
■水木さんがとてもやさしく、おもしろい。作品のテーマは重いけど、稽古は楽しく
■静代役の亜季緒さんと言い争うシーンも。休憩時間に「こうした方がいいかな」と
■歌詞とメロディが美しい、亜季緒さんが作ったテーマ曲。皆さんの心に沁みる歌声で
<Entertainment Human Theater︕紀伊國屋書店提携公演『ハッピーバースデー ~命の唄~』>
【東京公演】2023年10月25日(水)~10月29日(日) 紀伊國屋ホール
公式サイト
https://www.mizu-pro.com/2023happy-bd.html
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※川口調さんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは11月27日(月)です(このプレゼントの募集は終了しました)。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
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