「森さんの演出が、とにかく楽しい」、『メディア/イアソン』三浦宏規(上) | アイデアニュース

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「森さんの演出が、とにかく楽しい」、『メディア/イアソン』三浦宏規(上)

筆者: 岩村美佳 更新日: 2024年3月11日

2024年3月12日(火)から3月31日(日)まで東京・世田谷パブリックシアターで、4月4日(木)から4月6日(土)まで、兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで、フジノサツコさんの脚本と森新太郎さんの演出による新作『メディア/イアソン』が上演されます。『メデイア』は、古代ギリシャの劇作家・エウリピデスが記したギリシャ悲劇の最高傑作です。夫イアソンの裏切りによって、我が子を殺めるという王女メディアの凄惨な復讐劇は、これまでに世界各国で数多くの舞台や映画の題材に取り上げられてきました。本作『メディア/イアソン』では、その前日譚である『アルゴナウティカ アルゴ船物語』に描かれている、若き日の二人の出会いと愛情に満ちた日々を鮮やかに照射し、太陽のような存在であった二人がなぜ悲惨な結末を迎えるに至ったのかが、二人の間に産まれた三人の子供たちの視点を通して物語られます。

本作で壮大なギリシャ悲劇を舞台上で体現するのは、たった5名の俳優陣です。愛にあふれた王女メディアを憎しみに燃える女性へと至らしめる夫イアソン役を演じるのは井上芳雄さん、もう一方のタイトルロールであるギリシャ悲劇の中でも壮絶なヒロイン・王女メディア役を演じるのは、南沢奈央さんです。イアソンとメディアの間に産まれた3人の子どもたちだけでなく、そのほか複数の役を演じるのは、三浦宏規さん、水野貴以さん、加茂智里さんです。

アイデアニュースでは、三浦宏規さんにインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。「上」の無料部分では、長台詞に驚いたこと、森さんの演出を受ける中で感じている楽しさについてのお話を紹介します。有料部分では、本読みをじっくり行なう新鮮さ、セットのアイデア、たっぷりと芝居できる喜び、決して否定されない中でのトライアンドエラーを何度もできる現場のことなどについて伺った内容を紹介します。「下」の無料部分では、イアソン役の井上芳雄さんと芝居で共演することへの思いや、台本を読んでの所感などについて伺った内容を、有料部分では、一筋の光が見える物語であるというお話や、三浦さんがギリシャ悲劇・神話にハマったということなどについて伺った内容と、お客さまへのメッセージを紹介します。

三浦宏規さん=撮影・岩村美佳
三浦宏規さん=撮影・岩村美佳

ーーお稽古は、いかがですか?

めっちゃ楽しいです。稽古開始前に頂いた台本は、全4幕のところ、 3 幕までのものだったんです。3幕まで読んで、「いろいろな役をやるんだ、おもしろいな」と思いました。そこまで台詞量も多くなさそうだなと稽古場へ入り、最後の4幕の台本を頂きました。すると、森さんがニヤニヤされていて(笑)。

森さんとは初めましてだったのですが、まだ4幕の台本を読んでいない状態で「配役を発表する」と言われて、「三浦は使者(使いの者)」と。いざ読んでみると信じられないくらいの長台詞があったんですよ。マジで、見たことがないくらい。

長台詞の内容はとてもおもしろくて、「とにかくこれはやりがいがあるから、まずは台詞を入れてきてくれ」と言われました。その次の日には、その場面の本読みだったので、「やってやろう」と思って、いろいろなことを考えながら家で練習しました。近所迷惑にならないよう、5割くらいの声量に抑えてやったのですが、いざ稽古場で「よっしゃ、やるぞ!」と本読みに臨んだら、最初の1ページくらいで酸欠を起こしてしまって(笑)。

ーーえー!!!

とにかく長いんです。森さんのイメージも、「押せ押せ」みたいな感じかと思い、ガッとやったら序盤から声も出なくなってしまうほどでした。歌ならまだわかりますが、台詞で声が出なくなったのは初めてで、読んでいるうちにどんどんボリュームが下がっていって、頭が真っ白になってしまいました。

そんなこともあって、「これは大変だ」というのが、稽古初日の感想です。そんな初日から始まった稽古ですが、とても刺激的ですし、すごく楽しいです。森さんの演出がとにかく楽しくて、絶対に自分では思い浮かばないような演出を生み出されるのを、何回も目の当たりにしています。役づくりに関しても、「こういう感じでやってみて」というアドバイスから、自分の考えでは一生到達できないような役のあり方へと導いてくれる。すぐにしっくりいかなくても、実際に何度も稽古を重ねるうちに「これが正しいんだな」と納得できるよう導いてくれます。

他の出演者に演出するのを見ていても、みるみるうちによい場面へと仕上がっていくのがわかるので、すごいなと思います。もちろん森さんだけではなく、演者の皆さんの演技力があってこそですが、「こんなに変わっていくんだ」と感じています。だから、毎日稽古に通うのが楽しくて。

自分でも、稽古前に「こんな感じでやろうかな」と、役づくりを固めて稽古場にいく。でもそれが180°くらい変わることもあるので、一度戸惑うんですが、いざやってみると納得できる。たまに自分が持っていったものが「いいよ」と言ってもらえると、すごく嬉しいんですよね。飴とムチが(笑)。あれは好きになっちゃいますね(笑)。

ーーいいバランスで、飴とムチがあるわけですね(笑)。

次の日も、「よし頑張ろう」という気持ちになれます。演出をしていただいているだけで、叱ったりするわけではないので、ムチはないのですが(笑)。一つのシーンを何度も重ねて稽古するのは大変なのですが、その分いろいろと試すこともできて楽しいです。

ーーキャスト5人で、これだけたくさんの役を演じられるんですよね。三浦さんが担当される役の中で、使者(使いの者)役の話をしてくださいましたが、いろいろな役のおもしろさは均等ですか?

僕が演じる役のベースは「メディアとイアソンの子ども」という設定です。かわいい子どもたちが、それぞれ扮装をして他の役どころを演じて物語を進めていくのですが、着替えている様子や役に変わる瞬間を、舞台上でお見せしたりもするんです。

だから、お客さんには、子どもたちが作品を紡いでいく、子どもたちが語っていくように見えると思います。最初は、「ワクワクして王冠を被っちゃって」と森さんがおっしゃっていたくらい、シリアスすぎない芝居を見せるんです。まだ稽古途中なので、本番はまた違っているのかもしれませんが。

僕は子どもの役の次に、ヘラクレス役を演じます。子供らしく「〜だね」などと言っていたのが、急に勇ましくなります。様々なキャラクターへと瞬時に変貌するのも、おもしろいのではないかと思います。もう一役、アプシュルトスに関しては、想像の180°どころか360°回ったのではというくらい、当初思っていたのとは異なるキャラクターになりましたが。

ーー1周まわっちゃったんですね(笑)。

「え〜!こっちですか?」みたいな。最初は本当に大丈夫かなと思ってやっていたのですが、その方がいいとほかの演者の方にも言われて。「じゃあ自信を持ってやります」と。本当に森さんマジックだなと思いました。

ーー森さんマジックをいま、体感しているところなんですね。

今回なにもかもが初めましてなので、逆にフラットな状態で入れました。構えることもなく、「よっしゃ、行ってくるか」とさらけ出せる。台本をもらったら、あとは出たとこ勝負というような感じで今回は挑めました。それも良かったのだと思います。

ーー森さんが、自分が思っていたものと違うものを提示してくれるとおっしゃいましたが、何か印象的なことはありましたか?

たくさんあるのですが、まず立ち稽古に入る前に本読みを6日間くらいやったんです。僕は、本読みだけでそこまでじっくり時間をかけるという経験が初めてでした。なぜこの作品はこういう作り方にしたのか、『メディア/イアソン』という作品は何年前に誰が書いて、『アルゴナウティカ アルゴ船物語』はどういう話で、この2作品を組み合わせてこういうものを作りたいなど、様々にお話ししてくださって。ホワイトボードにキーワードを書き出してくださって、まるで授業のようでした。僕は歴史の授業が一番好きだったので、そういった説明を受けるのがとても好きなんです。稽古前に自分でも本をいろいろ買って勉強したのですが、その答え合わせをしているような気分でした。

<取材協力>
スタイリング:小田優士
衣裳提供:Costume MUZE GALLERY(03-6416-4217)
ヘアメイク:園部タミ子

※アイデアニュース有料会員限定部分には、本読みをじっくり行なう新鮮さ、セットのアイデア、たっぷりと芝居できる喜び、決して否定されない中でのトライアンドエラーを何度もできる現場のことについて伺ったなどインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。インタビュー「下」の無料部分では、イアソン役の井上芳雄さんと芝居で共演することへの思いや、台本を読んでの所感などについて伺った内容を、有料部分では、一筋の光が見える物語であるというお話や、三浦さんがギリシャ悲劇・神話にハマったということについて伺った内容やお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■ホワイトボードを使った授業の後、本読みを6日間。台本も真っ黒になり楽しく新鮮

■パズルのようなセットのアイデアもすごい。角度を変えただけでいろいろな情景が

■「お腹いっぱい!」と思うくらいに、たっぷりと芝居できている喜びがある

■トライアンドエラーを何度もできる現場。決して否定されないのでトライしやすい

<『メディア/イアソン』>
【東京公演】2024年3月12日(火)~3月31日(日) 世田谷パブリックシアター
【兵庫公演】2024年4月4日(木)~4月6日(土) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
公式サイト
https://setagaya-pt.jp/stage/2164/

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三浦宏規さん=撮影・岩村美佳
三浦宏規さん=撮影・岩村美佳

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. きりか より:

    本読みのくだりなど稽古場の様子が浮かんできて実際に見るのが益々楽しみになりました。
    文字で読んだアルゴ船物語だとなかなかイメージしにくかった部分も舞台で見たら世界が広がりそうで期待大です。

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