「歌ったことがない音域の曲も」、ミュージカル『20世紀号に乗って』珠城りょう(上) | アイデアニュース

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「歌ったことがない音域の曲も」、ミュージカル『20世紀号に乗って』珠城りょう(上)

筆者: 岩村美佳 更新日: 2024年3月9日

2024年3月12日(火)から3月31日(日)まで東京・東急シアターオーブで、4月5日(金)から4月10日(水)まで大阪・オリックス劇場でミュージカル『20世紀号に乗って』が上演されます。主役・オスカー・ジャフィを増田貴久さんが、ヒロインのリリー・ガーランド役を珠城りょうさんが、オリバー・ウェッブ役を小野田龍之介さんが、オーエン・オマリー役を上川一哉さんが、ブルース・グラニット役を渡辺大輔さんが、レティシア・プリムローズ役を戸田恵子さんが演じます。

アイデアニュースでは、珠城りょうさんにインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。上下の無料部分では合同取材の内容を、有料部分では独自取材の内容を紹介します。「上」の無料部分では、本作への出演は「挑戦」であるというお話、オスカー役の増田さんのこと、クリス・ベイリーさんの演出のこと、リリーを演じるにあたって楽しいポイント、難しいポイントについて伺った内容などを紹介します。有料部分では、『天翔ける風に』を通しての変化についてのお話を紹介します。

「下」の無料部分では、クリス・ベイリーさんとベス・クランドールさん(演出補・共同振付)の振付のこと、今回、作中で歌う曲の難しさや歌う中で大切にされているポイント、初のヒロインというポジションを務められることについて、カンパニーの雰囲気のことなどについて伺った内容を紹介します。有料部分では、『天翔ける風に』で変化を感じた理由、珠城さんが大切にされていることなどについてのお話と、作品を楽しみにされている方々へのメッセージを紹介します。

珠城りょうさん=撮影・岩村美佳
珠城りょうさん=撮影・岩村美佳

――この作品に出演したいと思われた理由や、惹かれた部分について教えてください。

この2年半は、舞台だけに限らず、映像作品でも比較的内容が重いものが多くて、コメディー作品への出演はありませんでした。ですから「ザ・エンターテイメント」でお客様に楽しんでいただける作品かつ、ブロードウェイミュージカルで、演出家、振付家も海外の方ということもあり、「挑戦することに意味がある」という思いがありました。

――ご自身にとっては「挑戦」なんですね。

とても大きな挑戦です! ブロードウェイミュージカルはやはり、楽曲が難しいんです。ハーモニーとして、そういうところをうまく表現できると、とても美しいのですが、非常に難しいということもわかっているんですよ。

そしてこの作品は、1930年代のアメリカを舞台に作られているため、オールドスタイルのミュージカルでもあるんです。だからこそ、楽曲もより難解な作りなのではと思っていたんです。今回は、歌ったことがない音域の歌もあります。ですから、「なぜリリー・ガーランド役を珠城りょうにお願いしたいと言ってくださったのか、その理由を、私自身も見出していけたらいいな」という気持ちでお受けしました。本当に覚悟が必要でした。

――主演の増田(貴久)さんには、元々どのようなイメージがありましたか? 稽古の中で感じたイメージと違ったというギャップなどもあれば教えてください。

テレビなどで拝見しながら、人を楽しませることが好きな、面白くて優しい方なんだろうなと思っていました。初めてご挨拶した時も、以前ご一緒したスタッフの方に、私のことを少し聞いてくださっていて、とてもフランクにお話してくださいました。

最初は「どういうふうにコミュニケーションをとったらいいかな?」と、なるべく何かをお話できるように、増田さんが出演されているドラマや番組を事前に拝見したり、私なりに話のネタを用意していたのですが、そういうものが必要なかったくらい、いろいろ話しかけてくださったんです。相手のことを気遣ってくださる方ですね。

実際にお稽古が始まると、増田さんがポロッとおっしゃった言葉で場の空気が和んだりもしています。でも、台詞一つ一つをなぜオスカーはこう言うのかとご自身が腑に落ちるまで突き詰めていらっしゃってとても真摯に取り組まれる方なんだと思いました。私が台詞を間違えて一人で慌てていてもそれを笑いに変えてくださったこともありました。演出家のクリス(・ベイリー)さんも含め、増田さんのひと言や行動でみなさんが笑う空気感が、とても温かいなと感じています。

ーーそんなふうにコミュニケーションをとれているのは、素敵だなと思いました。

本当にありがたいことに、いろいろと向き合ってくださって。特にこの作品は、増田さんが演じるオスカーと、私が演じるリリーの二人を主軸に物語が進んでいくので、二人の関係性に説得力があるように作っていかなければいけなくて。お稽古でも今回の芝居について相談しながら作っていけたので、とても感謝しています。

ーーリリーという役柄については、演出・振付をされるクリスさんと、どのようなお話をされましたか?

とにかく、エネルギーを常に、前に爆発させてほしいと言われています。リリーは、ひとりの女性として、自分の意志や意見をきちんと持っていて、相手にそれをきちんと言っていく。そういう強いエネルギーのある人なんです。そしてオスカーとは対等なんだと。

でも、なかなか最初はうまくいきませんでした。私は、役の感情の流れが腑に落ちないと、歌を歌うこと自体にとても緊張してしまうんです。どうしても「歌っているだけ」になってしまい、ずっと自分ができていないことへの不安がありました。

そうやって、「どうしよう?」と思っていた時、「一歩引くという選択肢は、リリーの中には絶対にない感情。怖がらずにチャレンジしてほしい」とクリスさんが言ってくださったんです。その言葉にすごくはっとさせられました。クリスさんはいつも、役者が自分で表現したものをまず「グレート!」と言ってくださり、そこから「じゃあ、ここをこうしたらどうなるかな?」と一緒に作ってくださいます。

だから、チャレンジすることへの恐怖心がなくなるんですよ。「とりあえず、やってみよう」という気持ちになれるので、とてもいい現場だなと思います。クリスさんは、とてもチャーミングな方でもあるんです。クリスさんが稽古中、実際に動きながらリリーをやってくださることもあるので、そこからリリーのイメージをキャッチしたりもしています。

ーークリスさんならではの、印象的だったディレクションはありますか?また、ご自身のお芝居について、クリスさんとのコミュニケーションのなかで得られた新しい発見はありましたか?

やはり、先ほども少しお話ししましたが、いつも「怖がらずにチャレンジして。すごく素敵だから大丈夫」と言ってくださるんですよね。それがありがたいですし、もっと頑張ろう!と自分を奮い立たせていました。

クリスさんご自身が、いろいろな役を演じて見せてくださることがあるのですが、その動きが日本人にはない独特のボディーランゲージというか、身体の使い方が自然とコメディに見える時もあるんです。その動きそのものが面白かったりするので、そのまま自分の中に取り込めたら、もっとアメリカンコメディらしさを出せるのかなと思いながら拝見しています。いろいろなエッセンスを加えてくださっていると感じます。

――「挑戦」と仰っていましたが、今回役作りをされる中で、一番楽しいポイントと、一番難しくて苦労しているポイントをお聞かせください。

増田さん演じられるオスカーや、渡辺大輔さんが演じられるブルース、あとは小野田(龍之介)さんが演じられるオリバーとか、上川(一哉)さんが演じられるオーエンとか、いろんなキャラクターと絡むところですね。やり取りが非常にスピーディーかつコミカルで、歌以外での会話のやり取りもすごく楽しいです。そういうやり取りのなかで毎回「こう言葉をかけたら、相手はどう反応するかな?」「どう返ってくるかな?」というところを楽しんでいます。

個人的に非常に苦労しているのは、リリーという女性は、有名になってハリウッドスターになり一躍脚光を浴びていますが、どこか自分をまだ模索していたり、本当に自分はこのままでいいのか、何かちょっと満たされてない部分があったりして、かなり精神的に不安定なんです。ブルースともオスカーともすぐ喧嘩するし、人にもすぐにワーっと言うところがあって。彼女の女優としての葛藤や一人の女性としてオスカーに対して揺れる想いも一緒に表現していかなくてはいけません。

私自身は、比較的のんびりした性格をしているので、瞬時に感情を爆発させるのが難しくて。リリーの歌は、感情がきちんと上がっていないと歌えない曲が多いんですが、台詞でも苦労しています。ただ、彼女の核にある感情や思いがなんなのかを紐解くために、日々リリーと向き合っています。

<取材協力>
ヘアメイク 河上智美(Rouxda.)
スタイリスト 長谷川めぐみ

ワンピース¥271,700(ファビアナフィリッピ/アオイ TEL 03-3239-0341)
イヤリング¥9,000
ネックレス¥38,500(ともにジェンマ アルス TEL 03-6438-0178)
パンプス¥23,100(リミット ティル トゥエンティスリー フィフティナイン/TOKEN TEL 03-3840-2505)
その他<スタイリスト私物>

※アイデアニュース有料会員限定部分には、『天翔ける風に』を通しての変化についてのお話などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。10日掲載予定のインタビュー「下」の無料部分では、クリス・ベイリーさんとベス・クランドールさん(演出補・共同振付)の振付のこと、今回、作中で歌う曲の難しさや歌う中で大切にされているポイント、初のヒロインというポジションを務められることについて、カンパニーの雰囲気のことなどについて伺った内容を紹介します。有料部分では、『天翔ける風に』で変化を感じた理由、珠城さんが大切にされていることなどについてのお話や作品を楽しみにされている方々へのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■『天翔ける風に』を経て、「ミュージカルで、歌が入ってくる」ことの意味を

■「この歌に入るためには、どういう感情の流れに?」とアプローチが変化

■「自分にしか表現できないものをお届けするのがまず第一だな」と今は思う

■「クリスさんの演出だからこうなる」というリリー像を、一番大切に取り組む

<ミュージカル『20世紀号に乗って』>
【東京公演】2024年3月12日(火)~3月31日(日) 東急シアターオーブ
【大阪公演】2024年4月5日(金)~4月10日(水) オリックス劇場
公式サイト
https://www.musical-onthe20th.jp

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珠城りょうさん=撮影・岩村美佳
珠城りょうさん=撮影・岩村美佳

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. もちもちパン より:

    珠城りょうさんが大好きです。有料記事を読み、珠城さんのまっすぐで清らかな思いがよく伝わり、気高い美しさに心打たれました。珠城さんの心のこもった歌がすごく好きなので、記事を読んで、観劇がさらに楽しみになりました。これからも、ずっとずっと応援しています。
    珠城さんのすてきなインタビューと写真を載せて下さって、ありがとうございました!

  2. きよちん より:

    丁寧な記事ありがとうございます。珠城さんは、本当に正直で誠実な人。大変な思いもたくさんしてきましたね。今まで恐かったことを乗り越えて前向きに頑張る舞台応援しています。周りに素晴らしい人が集まる人間性豊かな方。尊敬しています。スタッフの皆さま、これからもよろしくお願いします。

  3. にいに より:

    無料で読める記事だけでも充実しているのでいつも迷っていたのですが、有料会員となって読める部分を薦める方が多かったので、思い切って今回登録しました。全文を読んで珠城さんの心境がわかり読んでよかったと思いました。下を読むのが楽しみです。これからも素敵なインタビュー記事を読めることを期待しています。

  4. かじママ より:

    宝塚時代から珠城りょうさんを応援してます。
    珠城さんのお芝居大好きです。
    退団後もミュージカルへご出演されることがとても嬉しいです。
    「20世紀号に乗って」とても楽しみです!

  5. もうすぐ春がくる! より:

    宝塚時代からのファンです。珠城さんの演技、歌の表現が自然で温かくて大好きです。新たな挑戦を応援出来ることがとても嬉しいし、ワクワクします。もうすぐ迎える初日がとにかく楽しみです。

  6. kei より:

    珠城りょうさんの記事を読みたく、有料会員登録しました。
    いつもどんな時も自分をしっかりと持ち努力を惜しまず、ファンのみんなを大切にしてくださる珠城りょうさん。
    今回のミュージカルもまた進化した珠城りょうさんを拝見できると思うとワクワクして楽しみで仕方がありません。
    素敵なインタビュー記事をありがとうございました。

  7. マリナ より:

    珠城りょうさんの大ファンです。
    男役時代の歌も好きですが、歌唱指導を受け努力し続けてる歌声は高く伸びやかになっていて20世紀号も期待で胸はずませています。ミュージカルへの胸のうちを聞いて下さり有り難うございました。

  8. ミモザ より:

    珠城りょうさんの記事がきっかけで会員登録しました。
    とても読み応えのある素敵な記事とお写真をありがとうございます。
    珠城さんの役者としての表現が大好きです。観ていて心が震えます。だけど押し付けがましくなく、どんなお役であろうとも観終えた後に温かな気持ちになります。そして珠城さんの歌声には必ずメッセージがある。その曲に携わった方々への敬意を感じます。
    珠城りょうという「人」を尊敬・敬愛しています。

  9. ぐっち より:

    すごく心の奥底にある気持ちを聞いてくださり、珠城りょうさんファンとしては本当にありがたく思います。舞台の成功を心から願っています。

  10. SUMIRE より:

    今回、「20世紀号に乗って」に出演される珠城りょうさんの記事がきっかけで会員登録しました。
    内容の濃いお話を見ることが出来てとても嬉しいです。ますます公演が楽しみになりました。今後も応援させていただきます。

  11. クリームソーダ より:

    珠城りょうさんの真摯な思いやお人柄が伝わる、すてきな記事でした。写真もとても美しいです!

  12. マイン より:

    『20世紀号に乗って』が公演間近になった今、珠城さんの公演への思いを色々な角度からインタビュー、記事にして下さりありがとうございます!私は珠城さんの表現が大好きで、特に歌。中の人の歌ではなく、まるでお役の台詞のように響く歌声が心地よくて大好きです。記事で珠城さんの歌に対する思いが知れて嬉しかったです。この度はブロードウェイミュージカルということで、お芝居に加えて、踊り、歌と珠城さんの世界を堪能できるのではと、観劇できる日待ち遠しいです。そして記事の後編!早く読みたいです!どんなお話が読めるのか、わくわくで待っています。

  13. キラキラ☆ミッキー より:

    大好きな珠城りょうさんの記事とお写真がとても素敵で会員登録して良かったです。

  14. たまむすび より:

    『20世紀号に乗って』のミュージカル公演が間近になり、いろいろな媒体が、珠城さんへのインタビューを公開してくださり、うれしく読ませていただいています。
     そのなかで、貴アイデアニュースの岩村美佳さんの記事が一番読み応えがありました。珠城さんが、ミュージカルへのアプローチの仕方の変化について、前向きにじっくりと語ってくださっている有料記事で胸が熱くなり、一層珠城さんを応援したい気持ちでいっぱいになりました。『20世紀号に乗って』の公演が待ち遠しくてしかたありません。
     素敵な記事をありがとうございました。下も楽しみにしています。
     

  15. まろん より:

    いつもキチンと事前に調べて取材をされてると思います。読み手が知りたい事をしっかり掘り下げて聞いてくださるので読み応えのある記事で珠城りょうさんの本音もしっかり伝わりまた応援したくなりました

  16. 桜もち より:

    珠城りょうさんの記事ありがとうございました。様々な方向から質問してくださり、文章もボリュームがあり読み応えがありました!珠城さんの舞台にかける気持ちがとてもよく伝わってきました。これからも記事を楽しみにしています!

  17. Kaorin より:

    読み応えのあるとてもいい記事でした。
    写真もとっても素敵です💓

  18. 月明かり より:

    大好きな珠城りょうさんが宝塚ご卒業後にまさかブロードウェイミュージカルに挑戦してくださる日がくるなんて夢にも思っていなかったので、20世紀号に乗ってにご出演されると解禁された日の驚きと喜びは今でも鮮明に覚えています。珠城さんはとても心を大切にお芝居をされる方なので、今回のリリーガーランドもきっと素敵に、チャーミングに演じられると思います。先日のディナーショーで天翔ける風にの時よりさらに歌声が伸びやかでまろやかに変化、進化されていて感動しました。どんな歌を聴かせてくださるのか観劇日が待ち遠しいです。
    この度は読み応えのある素敵なインタビューと数々のお写真をありがとうございました!後編も楽しみにしています!

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