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シリアスなテーマながら、ミュージカルだからこそ見やすい作品『ファン・ホーム』

筆者: 岩村美佳 更新日: 2018年2月12日

 

「A NEW BROADWAY MUSICAL『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』」が、シアタークリエで上演中です。2月26日まで上演の後、3月3〜4日に兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールで、3月10日に日本特殊陶業市民会館 ビレッジホールで上演されます。2015年のトニー賞で、ミュージカル作品賞、ミュージカル脚本賞、オリジナル楽曲賞、ミュージカル主演男優賞、ミュージカル演出賞の5部門を受賞したミュージカルです。

 

A NEW BROADWAY MUSICAL『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』より=写真提供/東宝演劇部

A NEW BROADWAY MUSICAL『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』より=写真提供/東宝演劇部

 

 

父親(吉原光夫)が亡くなった時と同じ年齢になった43歳の主人公のアリソン(瀬奈じゅん)は、レズビアンで漫画家。漫画を描きながら自分の半生を振り返っていきます。ペンシルバニアの葬儀屋の長女として生まれ、家族は両親とふたりの弟。一見、幸せな普通の家族ですが、父はゲイであることを隠しながら生きていて、母(紺野まひる)はそのことに気づいているといういびつさがあります。

 

休憩なしの100分間、今のアリソンを演じる瀬奈さんは、ストーリーテラーであり、常に舞台上にいて、自分や家族のこれまでを振り返ります。過去の自分と家族の物語をさまざまな表情で見つめる姿が印象的でした。天真爛漫な小学生時代(笠井日向/龍杏美)、自分のセクシュアリティに気づき、戸惑い、受け入れていく大学生時代(大原櫻子)、父親、母親、恋人……。記憶の断片を集めながら、痛みを伴い、思い出したくないようなことにも向き合っていきます。

 

自らの命を絶つことで、突然その人生を終えてしまった父との関係を思い出しながら、自分と父に共通点を見出し、受け入れ難い思いも、愛しい思いも伝わってきます。それは親子ならではの感情であり、誰しもがどこかに共感を覚えるでしょう。ぎゅっと凝縮された、アリソンの、家族の物語を見ながら、観客は自身の家族、人生にも思いを馳せることになるのです。

 

シリアスなテーマながら、ミュージカルだからこそ見やすい作品です。素朴で柔らかなメロディが、心に染み渡ってきます。その中で、あるメロディが鳴ると、アリソンの人生のなかでも、特にターニングポイントとなる出来事が起きていきます。観劇後も耳に残る、特に印象的なメロディです。シアタークリエ開幕10周年記念の『TENTH』で上演された、『ネクスト・トゥ・ノーマル』『ニュー・ブレイン』『この森で、天使はバスを降りた』に続く、上質な深いドラマを描くミュージカルです。

 

A NEW BROADWAY MUSICAL『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』より=写真提供/東宝演劇部

A NEW BROADWAY MUSICAL『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』より=写真提供/東宝演劇部

 

 

<A NEW BROADWAY MUSICAL『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』>
【東京公演】2018年2月7日(水)~2月26日(月) シアタークリエ
【兵庫公演】2018年3月3日(土)~3月4日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
【愛知公演】2018年3月10日(土) 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
公式サイト
http://www.tohostage.com/funhome/

 

 

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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