「12月に難民キャンプに行って…」、『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』囲み取材 | アイデアニュース

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「12月に難民キャンプに行って…」、『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』囲み取材

筆者: 中田 ゆりな 更新日: 2020年2月23日

【編集部追記】地球ゴージャス二十五周年祝祭公演「星の大地に降る涙 THE MUSICAL」につきましては、新型コロナウイルスの影響により、3月10日(火)~3月19日(木)、3月28日(土)~4月13日(月)までの東京公演、大阪公演の全公演が中止となりました。払い戻し等につきましては公式サイトをご確認ください。

2009年に地球ゴージャスが初演した『星の大地に降る涙』が、地球ゴージャス二十五周年祝祭公演『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』として2020年3月10日(火)に開幕します。3月10日(火)から4月13日(月)までは東京公演が千葉県浦安市の舞浜アンフィシアターで開かれ、5月3日(日祝)から5月14日(木)まで大阪のフェスティバルホールで大阪公演が開かれます。2月7日には新田真剣佑さん、岸谷五朗さん、寺脇康文さんが参加した合同取材会(囲み取材)が、大阪で行われました。

新田真剣佑さん(中央)、岸谷五朗さん(左)、寺脇康文さん(右)=撮影・中田ゆりな

新田真剣佑さん(中央)、岸谷五朗さん(左)、寺脇康文さん(右)=撮影・中田ゆりな

--まず、岸谷さんにお伺いします。2009年の初演以来、初の再演ということで今回の『星の大地に降る涙』を選ばれた理由を改めて教えていただけますでしょうか。

岸谷:寺脇さんと演劇ユニットを組んで、あっという間に25年が経ちました。今回は、せっかくなら25周年の祝祭公演を打とうと企画したところ、お客さまのリクエストが多かったのが『星の大地に降る涙』でした。11年前の作品ですが、作品のテーマ性は、今のこの世界の状況の方が、この演劇をぶつけるのにふさわしいなと思っています。それと同時に、「THE MUSICAL」として生まれ変わります。楽曲も2倍くらいに増えていますし、舞浜アンフィシアターという本当にエンターテイメントをやるにふさわしい、逆にいうと手強い劇場で、まず1ヶ月半やります。そして、我らの愛する大阪フェスティバルホールに乗り込みます。東京でたくさんの公演数を重ねて、大阪に来るので、クオリティの高いものが発表できるんじゃないかと思います。

--新田さんは、前回の『ZEROTOPIA』の出演を経て、今回は主演となるわけですが、最初にお話をいただいた時のお気持ちと、稽古が始まった今のお気持ちはいかがですか。

新田:最初にお話をいただいたのは、前回の『ZEROTOPIA』に出演している時でした。僕は、12、3歳くらいの時にロサンゼルスにいたんですが、その時に観た映像が『星の大地に降る涙』の初演の映像で、「何だ、この凄い舞台は」とその時思ったんです。初めて地球ゴージャスの作品を観たのが『星の大地に降る涙』で、すごい縁だなと感じました。しかも、シャチ役でオファーをいただいて、夢のようなお話で、僕はただただ(岸谷)五朗さんの熱を感じました。

岸谷:(笑)。

新田:今、やっと舞台稽古に参加させていただいて、とにかくやることがたくさんありますし、本当に役者ができる全てが詰め込まれている舞台だなと思っています。ダンス、歌、殺陣もアクションもありますし、それをいかにブラッシュアップして、皆さんに観ていただけるか。それを楽しみにしています。

--寺脇さんにお伺いします。寺脇さんと岸谷さんは、初演のときと同じ役でご出演になりますが、新たなキャストや演出のなかで、どういった思いで役に向かわれていますか?

寺脇:五朗ちゃんと僕は11年前と同じ、僕はザージャという役で、タバラ族のなかでリーダー的な存在で、五朗ちゃんはトドという日本人、倭人と呼ばれている記憶を失くした男。シャチは新たに新田真剣佑が…。

新田:はい(と立ち上がる)。

寺脇:座っていいですよ(笑)。以前、三浦春馬がやっていた役ということで、11年経っているんですが、そのほかのメンバーはキャストを一新しています。前回は前回の良さがありましたが、今回はまた違ったセッションが稽古場でできているなという気持ちです。人が変われば接し方も変わってくるというか、内容も全体の空気感も全然違います。僕は11年前の芝居と同じセリフもあるので、11年経った自分がやると、どうなるのかなとも感じていますが、同じになってもいいと思うし、新しく感覚的に変わるところがあってもいいと思うし、今やれることのベストを尽くそうという気持ちでやっています。11年経っていますから、アクションやギャグの質が落ちたと言われないように。今、本当にベストな状態で体をもっていっていますので、楽しみにしていただきたいと思います。

■新田「前回は舞台のことがわからない状況でした。2年が経って成長した姿を見せたい」

--新田さんが12歳のときにロスで映像を観られたのは、何かきっかけがあったのですか?

新田:たまたまなんです。役者になりたいなと思い始めていたころだったので、その映像がとても印象に残っていました。

--その映像を観て、どんなところに惹かれたというのは覚えていらっしゃいますか?

新田:それまで、ちゃんと舞台というものを観たことがなくて。舞台の生感を映像から感じました。それがすごく記憶に残っています。

--前回地球ゴージャスの作品に出演されて、苦労したことや楽しかったことはありますか?

新田:『ZEROTOPIA』に出演させていただいたときは、舞台のことが本当になにもわからない状況でした。そんななか、五朗さんや寺さんにいろいろなことを教わりました。そんな僕が、『ZEROTOPIA』から2年が経ち、『星の大地に降る涙』で少しでも成長した姿を見せたいと思い、頑張っています。

--今回、主演が新田さんになるということで、主役が彼だからという演出はあるんでしょうか?

岸谷:真剣佑は、もちろんそうなんですが、ほかのキャストも本当に素晴らしいエンターテイナーが集まってくれて、逆にいうと、再演というのはこういうことができるんだなと。初めてなものですから、前回の役者さんがこうだったから逆に違うところを狙うとか、前回の役者さんがこうだったから、それをもっと大きくしていくと、こうなるなとか。森久美子さんみたいになっちゃったんですが(笑)。

(会場一同笑)

岸谷:今回『星の大地に降る涙』をやるなら、シャチは真剣佑しかいないなと思っていて。すべての舞台における芝居はもちろんそうですが、身体能力。殺陣あり、踊りあり、そして立ち回り。すべての総合力をもって、このシャチを演じきれるのは真剣佑だと思っています。もちろん、台本も書き直したので、真剣佑のシャチを想像して書いています。音楽も同じように、真剣佑だから楽曲を増やそうとしています。

--楽曲が増えたということですが、ソロで歌われたりというナンバーも?

岸谷:もちろん、あります。主題歌であるEXILEの「愛すべき未来へ」という曲は、まず頭から真剣佑が歌います。

--新田さん、「成長した姿を見せたい」というお話もありましたが、どういうところを頑張っていきたいと考えていらっしゃいますか?

新田:頑張らなければいけないところが多すぎて…。先ほども言った、芝居、歌、ダンス、殺陣の大きすぎる4つがぎゅうぎゅうに詰められた舞台なので、…帰ってすぐに稽古したいくらいですね(笑)。

岸谷:今、言うと思った(笑)。

新田:キャストの皆さんが34名、本当に一人一人がエキスパートなので、なにか困ったときには、お兄ちゃんもいるし、お姉さんもいるし、振りがわからないときに助けてもらえる殺陣の先生がいたりとか、皆さんに支えてもらいながら、少しずつシャチを磨いていっている過程です。頑張ります。

新田真剣佑さん=撮影・中田ゆりな

新田真剣佑さん=撮影・中田ゆりな

■寺脇「気持ちがトップに来るところの曲が倍近くに増えた。だから『THE MUSICAL』」

--寺脇さんにお伺いしますが、新田さんとの稽古の雰囲気はどんな感じでしょうか?

寺脇:マッケンとは前作でも絡みのシーンが結構あって、今回も絡みがあるので、空気感をふたりで楽しみながらやろうかなと思っています。決めつけていかないで、その日の感覚で会話ができればいいなと思って稽古しています。

--今回の舞台と前回のとの違いは、いかがですか?

寺脇:まず、題名に「THE MUSICAL」がついている。前回はついていなかったんですね。ということを踏まえて見ると、やはり曲が倍近く増えています。しかも曲が増えている箇所というのは、それぞれのキャストの気持ちが前面に出るとき、気持ちが一番トップに来るようなところで、セリフでやっていたところを歌にする。というところで、「だから『THE MUSICAL』なんだ」と。最初は前回も歌はたくさんあったのに、なぜ「THE MUSICAL」とわざわざつけるのかなと思ったんですが、脚本を読んだときに、なるほどと思いました。感情が一番トップに来るから「THE MUSICAL」なんだと思って。あとは、それぞれの当て書きで、特にモリクミ(森久美子)さんじゃないといけないようなギャグも、たくさん入っていますから(笑)。

寺脇康文さん=撮影・中田ゆりな

寺脇康文さん=撮影・中田ゆりな

■岸谷「ロヒンギャ難民キャンプを視察して、やはり『星の大地に降る涙』はやるべきだと」

--岸谷さん、手ごたえはいかがですか?

岸谷:最高のキャストやスタッフで、今の台本の揉み方にしろ、最高の土台ができていて、これを具現化することの難しさ。今、昨日も3人で大阪に乗り込んだんですが、出発ギリギリまで必死に稽古したよな?

新田:はい。休憩がなかったです(笑)。

(会場一同笑)

岸谷:そんな稽古場で、今。先ほどマッケンも言ったように、「すぐにこのあと稽古したい」という気持ちは、我々も同じです(笑)。でも、本当に集まってくれた役者は素晴らしくて、本当に貪欲な役者ばかりで、皆が休まず稽古をしているんですよね。先頭を切って貪欲なのがマッケンなので。地球ゴージャスは発声練習が始まる前に、1時間ちょっとの岸谷メソッドがあるんですが、体操をしたりなど、普段演劇ではやらないようなことをやってから、最後に発声をしてから立ち稽古なんです。そのなかに腹筋という項目はなかったんですが、マッケンが入ってきてから、その稽古が始まる前に「腹筋クラブ」というのができて。はじめはマッケンがやっていたんですが、今では全員でやるようになっちゃって、またその時間が少し長くなっちゃった(笑)。それくらい貪欲に、皆と一緒に稽古をしています。

--今、このタイミングをこの作品を再演される意義について、もう少し詳しく聞かせていただいてもよろしいでしょうか。

岸谷:まず、ひとつはすごくエンターテイメント要素があるなか、地球ゴージャスのファンクラブのお客さまから強い要望があり、人気の高い作品でもあったこと。寺ちゃんと僕は全作品を愛していますが、そんなこともありながらエンターテイメント作品と考えたときに、僕のなかでは位置付けとして反戦三部作を作るとするならば、『クラウディア』という作品があって、3つの内のひとつがこの『星の大地に降る涙』だと思っていて、1868年という明治維新の年代を決めて書いた本もこれだけなんですよね。激動の日本で大政奉還など、いろいろな出来事があるなか、ある架空の民族がそのなかで揉まれ、滅びていく。非常に魅力的な、太陽のような笑顔をもつ少数民族が滅びていくというところで、反戦を訴えられないかなという思いがあって。ミャンマーのロヒンギャというところの民族が、あるジェノサイドがあって、今バングラディッシュで90万人以上の難民キャンプができているんですよね。それがつい2年前のことで、今我々は平和に暮らしていますが、そんななか、こんなことがたくさんある。実際に、僕も12月にロヒンギャ難民キャンプを視察してきたんです。そこで、やはり『星の大地に降る涙』はやるべき作品だなと思いました。そんな思いもありながら、今この時代に、世界に向けて発信する作品だと俳優たちにも言っています。演劇に力がないのではなくて、皆で集まってひとつの作品を作れば、大きなテーマをもった力になるんだということを顔合わせでも、皆に話しました。コメディーなので笑いがあり、そのなかでこのテーマもあり、そしてなによりも明日お客さまが元気になれる作品なんですね。観に来たお客さまが、よし、明日元気を出して仕事をしよう、学校へ行こうと思ってもらえる。非常な前向きな作品なので、そこで今この作品をやる意味があるなと思いました。

--前回は血の赤い色を非常に大事に使っていらっしゃった記憶があるのですが、演出は変わるんでしょうか。

岸谷:もちろん、変わります。東京公演の舞浜アンフィシアターというのが本当に独特な劇場で、役者たちの立ち稽古も、今それで苦しんでいるところです。フェスティバルホールは、道具をそのまま再現できる劇場なので、新たな照明を作ったりなど、いろいろな細工はしますが、美術の根本的な作り方は、おっしゃったように前回と同じテーマをもっていますね。「星の大地」というのは北海道で、その北海道の大地にある洞窟に住む民族という設定は変わっていません。

岸谷五朗さん=撮影・中田ゆりな

岸谷五朗さん=撮影・中田ゆりな

■岸谷「美術のテーマは前回と同じ。北海道の洞窟に住む民族という設定は変わっていません」

--新田さんにお伺いしたいのですが、この熱量の高い先輩方と共に舞台を経験されて、ご自身にとって役者人生のなかで、どういう作品になりそうですか?

新田:役者をやっているなかで、いろいろな作品に出会ってきましたが、その作品で「これを学ぶことができた」「これはできなかったけど、できるようになった」と実感できることって、そうそうないんです。でも、前回の『 ZEROTOPIA』でいろいろなことを学べたと実感しています。それは、五朗さんや寺さん、皆さんが役者である僕の可能性を引き出してくださったおかげでもあるので。だからこそ、『星の大地に降る涙』で成長する姿を見せたいと話したんですが、今回はまたさらに役者としてレベルアップできたらいいなと思います。今回『星の大地に降る涙』のシャチ役という、こんな夢のようなことはないと思っています。あまり実感は湧いていないのですが、とりあえず、今はこの瞬間、稽古を頑張って全力を尽くすだけなので、終わってからなにか得られたと実感できると思います。

--地球ゴージャス25周年。銀婚式ですね。

寺脇:25年ね(笑)。

--岸谷さんと寺脇さんは、離婚の危機もなく、噂もなく。

寺脇:ますますな、ラブラブ振りでございます。

--25年続けられてきた秘訣は、どこにありますか?

寺脇:なんでしょうね。僕と五朗ちゃんは、全然人間性は違うんですが、やはりエンターテイメントなど、いいなと思うところが変わらず同じで、その根底が一緒なので、どうあっても別れられない。ふたりでエンターテイメントを作っていくことを続ける以外に道はないだろうという感じですかね。あと、まあ僕がすごく好きなんですけどね(笑)。

(会場一同笑)

岸谷:僕も負けないくらい好きです(笑)。そんなに長くやっているんだと思うんですが、一瞬ですね。考える余裕もない内に25年経った感じです。

--地球ゴージャス二十五周年祝祭公演『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』楽しみにしています。ありがとうございました。

新田真剣佑さん(中央)、岸谷五朗さん(左)、寺脇康文さん(右)=撮影・中田ゆりな

新田真剣佑さん(中央)、岸谷五朗さん(左)、寺脇康文さん(右)=撮影・中田ゆりな

<ダイワハウスSpecial 地球ゴージャス二十五周年祝祭公演『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』>
【東京公演】2020年3月10日(火)~4月13日(月) 舞浜アンフィシアター
※3月10日から3月19日までと3月28日から4月13日までの東京公演は中止となりました
【大阪公演】2020年5月3日(日祝)~5月14日(木) フェスティバルホール
※大阪公演は全公演中止となりました
公演オフィシャルサイト
https://www.chikyu-gorgeous.jp/25th/

<出演>
新田真剣佑 笹本玲奈
松本利夫(EXILE) 湖月わたる 愛加あゆ 島ゆいか
猪塚健太 松浦 司 大平峻也 大嶺 巧
碓井菜央 原田 治 神谷直樹 おごせいくこ 田口恵那 砂塚健斗
加藤真央 大音智海 咲良 鈴木百花 織 里織 高木勇次朗
Sarry 杉山真梨佳 青山恵梨子 神田朝香 内木克洋 田邉浩仁
髙城 徹 筑紫珠楽(和太鼓) 佐藤史織(津軽三味線)
森公美子
岸谷五朗・寺脇康文

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<筆者プロフィール>中田 ゆりな / 神戸在住のフリーランスライター。関西の観光、グルメを中心に企画・取材・執筆・撮影を担当。歌とダンスをたっぷり堪能できるミュージカルが大好き。⇒中田ゆりなさんの記事一覧はこちら

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