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慢性骨髄性白血病など5つの「希少疾患」治療、10年で大きく進展

筆者: 松中みどり 更新日: 2015年2月27日
慢性骨髄性白血病 ジェーンさん

慢性骨髄性白血病 ジェーンさん

米国研究製薬工業協会(PhRMA=Pharmaceutical Research and Manufacturers of America)は2015年2月25日、新しいレポート「希少疾患における革新的10年」(A Decade of Innovation in Rare Diseases)を発表しました。 米国研究製薬工業協会は、1958年にアメリカで発足、製薬の研究開発と製造をおこなっている企業の団体です。所属企業は、バイオ医薬品やバイオテクノロジーの最先端技術を誇るリーディングカンパニーで、癌やアルツハイマー病のような深刻な病気の治療法の研究に取り組んでいます。

PR Newswireが2015年2月25日に配信したプレスリリースによると、今回のレポートは、癌のような、患者数の多いよく知られている病気とは違う「希少疾患」 (非常にまれな疾患=Rare Disease)への取り組みについて書かれたものです。リリースの内容に入る前に、訳語と日本の事情について書いておきます。

「Rare Disease 」 という言葉は、かつては「奇病」と訳されたこともありますが、今では、「希少疾患」「非常にまれな病気」と訳します。Rare Disease の類語が ”orphan” disease  で、こうした希少疾病用の医薬品を orphan drug と言います。「orphan =孤児、みなしご」・・・患者さんの数が少ないので、開発しても利益が望めず、引き取り手がいないという事情から生まれた言葉でしょう。

今日本では、一定の条件を満たせば国から補助が得られる「希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器の指定制度」や交付金が出る「難治性疾患克服研究事業」などの制度があります。今年のアカデミー賞で主演男優賞をとったのは、エディ・レッドメインさん。彼が演じたのはALS(筋萎縮性側索硬化症)の物理学者スティーブン・ホーキング博士です。ALSもまた、10万人にひとりの希少疾患ですが、日本では特定疾患医療費助成制度の対象になっています。

The report illustrates that more than 230 new medicines to treat rare or “orphan” diseases were approved by the U.S. Food and Drug Administration (FDA) in the last decade, and there are currently more than 450 orphan drugs in development.米国研究製薬工業協会のリポートは、この10年間で、希少疾患に対する230の新しい医薬品がアメリカ食品医薬品局によって認可されていると解説しています。また現在450の希少疾病用薬品が開発中であるとも述べられています。

It also explores significant treatment advances seen over the past decade in five rare diseases which have led to improvements in patient survival and quality of life: chronic myelogenous leukemia (CML), chronic lymphocytic leukemia (CLL), pulmonary arterial hypertension (PAH), hereditary angioedema (HAE), and cystic fibrosis (CF). Furthermore, the report spotlights additional rare conditions where major milestones transformed treatment —including several in which first–ever treatment options have become available to patients.また、この10年で5つの疾患の治療に関して特に大きな進展があったことがくわしく述べられています。患者の生存率と生活の質の改善に貢献した画期的な発展であったわけですが、その疾患は、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、肺動脈性肺高血圧症 (PAH)、遺伝性血管性浮腫 (HAE)、嚢胞性線維症(CF)の5つです。さらに、これまで治療をすることが出来なかった希少疾患を含む、いくつかの非常にまれな病気にも、画期的な発見から治療へとつながった例があることにもスポットライトを当てています。

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<筆者プロフィール>松中みどり(まつなか・みどり) フィリピン支援ボランティア/英語講師/ライター 初めて行った外国がフィリピンで、以来かの国の人々の明るさ温かさに魅せられ、様々なNGOや支援活動に関わる。1994年からは山岳先住民アエタの教育支援主宰。コミュニケーションツールとしての英語を各地で教えている。動物好きの自称「ケモノバカ」。飼い猫は黒猫で親バカ度も加速中。 ⇒松中みどりさんの記事一覧はこちら

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