2023年2月5日(日)から2月14日(火)まで東京国際フォーラム ホールCで、2月20日(月)から3月5日(日)まで梅田芸術劇場メインホールで、3月11日(土)から3月15日(水)まで博多座 、3月22日(水)から3月26日(日)まで御園座で上演されるブロードウェイ・ミュージカル『ドリームガールズ』で、カーティス役を演じるspiさんのインタビュー、後編です。「下」では、ディーナとエフィそれぞれへのカーティスの想い、カーティスに共感できる部分のこと、逆にエフィが考えていることがわからないというお話と、お客さまへのメッセージを紹介します。
ーーカーティスは恋愛的な駆け引きをする部分も多いと思います。spiさんが、そういう役を演じられているのを拝見した記憶がないのですが、色気が活かされて似合うだろうなと楽しみです。その辺りは、いかがですか?
舞台を作るにあたって、一番先立つのは「お客さんが何を感じるか」です。もちろん、役や俳優がどう思っているかなどの心の旅みたいなものはありますが。
映画版を観ての印象ですが、カーティスは、ディーナに近づくためにエフィと付き合ったように思えたし、「エフィを黙らせるため、言うことを聞かせるため」というところがあると思います。「最初からディーナに気があったけれども、今はエフィを味方につけておいた方がいい」と思えなくもない。本当に恋に落ちていたのはディーナで、エフィを利用したというか。お客さんが、ガールズの中の誰に共感するかによって、カーティスの見え方はだいぶ変わってくるでしょう。
エフィにすごく共感する人にとっては、カーティスはすごく嫌な奴に映るだろうし、ディーナに共感したら、カーティスはやっぱり自分を愛してくれる男なんだ、って思うだろうなと。「お前が俺の夢なんだ」という曲があって、カーティスのディーナへの「好き」という気持ちには本当に嘘がない。でも、だからこそ余計に厄介でもあるのですが。そういう、いろんなお客さんが感じるカーティスへの感情を作り出せればと思います。
ーーそういう部分を演じるのは面白いですか?
結局、ディーナが去って、カーティスの夢は破れるわけじゃないですか。それを演じるのは面白いし、超楽しいなと。 恋に落ちるとか、人を好きになるとかは、実生活でもあることだし。でも、壊れていく、しかも自分で壊しちゃって、後で気づくみたいなことを演じられるのは、すごく役者冥利に尽きますね。状況や音楽が全部説明してくれるので、俳優はそこに立っているだけでいいとは思うのですが、それをできる俳優であれたら嬉しいです。
ーーカーティスは、仕事においても野望においても、そのスタート地点から頂点にのぼりつめ、崩れるところまでいきますよね。ちなみに彼は、物語の後どうなったのでしょうか?
1960年代のモータウンレコードの社長がカーティスのモデルなのですが、結局あの後、成功し続けるわけです。お金は入り続けるし、家庭を持つし。黒人を白人たちの前に売り出して、イメージ戦略を練って、打ち出しをこうしたらこうなるとか、そういうことを上手にできた人だから、夢が1個破れてまた強くなった。本当に自分がずっと一緒にいたかった人とはいられずに前に進んで。まぁでも、みんなそうじゃないですか? 人生ってそういうもんだなとは思います。
ーー「男から見たらカーティスはわかる」とおっしゃっていましたが、具体的にはどの部分でしょうか?
彼の中の、仕事の比重ですね。商品が売れるためには曲げなきゃいけない信念があり、売らなきゃいけない魂ってのもやっぱりあるというか。仕事人としては、売れるか売れないかというのは、かなりデカいんです。魂を売らないことが男らしさなのか、そんなのさっさと売っ払って金を集めるのが男らしさなのか。物への執着が男らしさなのか、その執着を捨てて社会で権力や地位を得ていくのが男なのか。それは、男性からしたら、やっぱり永遠の課題です。でも、どんなビジネスシーンでもそうなのかなと思います。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、カーティスに共感できる部分のこと、逆にエフィが考えていることがわからないというお話やお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■「主演とトメ以外はやりません」と言っている。それは魂を売っていることだと
■俺はむしろ、エフィがわかんない。「女性ってそういう生き物なんだろうな」と
■仕事と魂を売ることのバランス・お金と権力などにフォーカスを当てて演じたい
■『ドリームガールズ』は、キャストやジャンルなど全ての垣根を超える代表作に
<ブロードウェイ・ミュージカル『ドリームガールズ』>
【東京公演】2023年2月5日(日)~2月14日(火) 東京国際フォーラム ホールC
【大阪公演】2023年2月20日(月)〜3月5日(日) 梅田芸術劇場メインホール
【福岡公演】2023年3月11日(土)~3月15日(水) 博多座
【愛知公演】2023年3月22日(水)~3月26日(日) 御園座
公式サイト
https://www.umegei.com/dreamgirls2023/
『ドリームガールズ』 関連記事:
- 「バスの停留所みたいに」、ミュージカル『ファントム』sara(下) 20230701
- 「絶対に、背伸びせず演じる」ミュージカル『ファントム』sara(上) 20230630
- 「曲が増え、描写も細かく」、『シュレック・ザ・ミュージカル』spi(下) 20230614
spi 関連記事:
- 「本物だなと」「夢みたいな話」、『Musical Lovers 2024』藤岡正明・川嵜心蘭 20241017
- 「“いつまでも眠れそうだよ”はspiさんの提案」、『VIOLET』藤田俊太郎・spi(下) 20240407
- 「どうしようもなさ、と共に生きる不安定さ」、『VIOLET』藤田俊太郎・spi(上) 20240407
※spiさんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは3月2日(木)です(このプレゼントの募集は終了しました)。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
アイデアニュースは、有料会員のみなさんの支援に支えられ、さまざまな現場で頑張っておられる方々の「思いや理想」(ギリシャ語のイデア、英語のアイデア)を伝える独自インタビューを実施して掲載しています。ほとんどの記事には有料会員向け部分があり、有料会員(月額450円、税込)になると、過去の記事を含めて、すべてのコンテンツの全文を読めるようになるほか、有料会員限定プレゼントに応募したり、コメントを書き込めるようになります。有料会費は取材をしてくださっているフリーランスの記者のみなさんの原稿料と編集経費になります。良質な取材活動を続けるため、どうか有料会員登録にご協力をお願いいたします。
自分は女性ですがカーティスに共感するところが大きかった。それはspiさんの説得力のおかげだと思ってます。公演数も残り半分を切りましたが1人でも多くの方にspiさんのカーティスを体験して欲しいです