2023年3月8日(水)から4月2日(日)まで東京・シアタークリエで、4月7日(金)から4月9日(日)まで大阪・新歌舞伎座で、4月12日(水)から4月13日(木)まで愛知県芸術劇場大ホールで上演される、ミュージカル『RENT』にエンジェル役で出演する、百名ヒロキさんのインタビュー後編です(RIOSKEさんとダブルキャスト)。「下」では、コリンズをダブルキャストで演じる加藤潤一さんとSUNHEEさんそれぞれとの感情の受け渡しが違うことによる面白さと大変さ、『RENT』の「サークル」という稽古のこと、エンジェルの見せ場でもある「Today For You」のシーンのことなどについてお話ししてくださった内容と、お客さまへのメッセージを紹介します。
ーーエンジェルは、やはりコリンズと一番大きく関わるかと思いますが、ダブルキャストの方々と演じていて、どんなふうに変わりますか?
相手が変わったときに気づくというか。「エンジェルはこのシーンではこう思う」と型にはめてやっていたけれど、相手が変わるごとに、その方との芝居のキャッチボールをしないと成り立たなくなるのがすごく気持ち悪くて。加藤さんとやってて、SUNHEEさんに変わったときに、加藤さんと作った感じのまま行くと、全然成り立たなかったりするんです。そういう経験は初めてなので、面白いですし、大変です。
ーー相手が違うと、感情の受け渡しが違うということですよね?
目を合わせるタイミングが違うだけで変わりますし、違う空気になるのがわかりますね。
ーーおふたりのコリンズの印象を教えていただけますか?
シンプルに言えば、加藤さんは本当に全て包み込んくれる優しさ、そして包容力があります。SUNHEEさんは、男らしさと力強さ。これはまた稽古を経て変わっていくかもしれません。お二人が変わることによって、僕の見え方も勝手に変わってくるかもしれないですし。かわいく見えたり、大人に見えたり。でも、それを映像で自分で確認できないのがちょっと……。ダブルキャストで言いあえる関係がすごくいいなと思って、言いあうようにしているんです。「ここどうだったの?」とか。コミュニケーションが大切だなと思います。
アンディさんの現場は、コミュニケーションを大切にしていて、朝の会みたいな場で、今日何があったか、昨日何があったかとかを、伝えるんです。言うのが恥ずかしいとか、起きてここに来ただけだなとか思ったりするんですが、起きてここに来た、お腹すいただけでもいいからと、それがコミュニケーションなんです。そういう現場もはじめてなので面白いです。
ーー『RENT』といえば、皆さんで輪になって、自分のお話をするという稽古をすると、これまで伺ってきたんですが。
「サークル」は有名なんですね?
ーーはい。その稽古がターニングポイントになったというお話を伺ったこともありました。今回、その稽古はありましたか?
突然ありましたね。僕も前回のキャストから噂は聞いていたんですよ。「サークル」では、みんながボロ泣きしちゃうよ、みたいな。いつ頃やるのか聞いたときは、稽古の最後の頃かなと聞いていたんですが、実はもう終わっています。
ーーそのご経験はいかがでしたか?
難しいですよね。個人的なことを言ったりしますし、そういう話を共有することで、確かに団結力も生まれますけど、言いたくない人もいるし。でも嘘をついたら確実にバレる雰囲気なんですよ。だから、みんな本当にちゃんと考えて、自然に。僕も何を喋ろうかなと思っていたら、まさかの僕が先頭だったんです。
自由に喋り出してって言われて、やっぱり誰も喋り出せずにいたら、「じゃあ、ヒロキくんから」って。すぐにスイッチが入って喋ることができたんですけど。用意していなかったからこそ、さらけだせたのは、面白いワークショップだなと思いました。いい経験でした。
ーーみんなで話した後に「Seasons of Love」を歌うと伺いました。
歌いました。
ーー他の時に歌うのとは、何か気持ちが違いましたか?
違いましたね。
ーーもし言語化していただけることがあれば、お聞かせください。
何というか、ソウルじゃないですけど、「魂しかない歌」になってました。音程とかが狂っていても、なんか許されるんです。その様子を客観的に見ていないからわからないですけど、「僕たちの中では許されてる」というか。一つになること自体が大切なんだなと思いました。歌い終わった後にはもちろん音程とかをちゃんと確認するんですけど…音楽班から冷静に、ここがちょっとズレやすいねと言われた時は、みんなで笑いました。その話を今しないでくださいって(笑)。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、エンジェルの見せ場でもある「Today For You」のシーンのことやお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■未熟さを痛感する日々。選ばれたからこそは魅力を出し、人生の分岐点になれば
■「Today For You」のシーンは、パフォーマンスだと思っていたけど、違っていた
■ヒラヒラは「エンジェルにとって私服」。綺麗に見せるのではなく普通に歩くだけ
■純粋に『RENT』という作品を楽しんでもらいたい。ファミリーみんなで頑張る
<ミュージカル『RENT』>
【東京公演】2023年3月8日(水)~ 4月2日(日) シアタークリエ
【大阪公演】2023年4月7日(金)~4月9日(日) 新歌舞伎座
【愛知公演】2023年4月12日(水)~4月13日(木) 愛知県芸術劇場大ホール
公式サイト
https://www.tohostage.com/rent2023/
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回を重ねるごとにヒロキくんらしくなっていくエンジェルに魅せられていました。それはエンジェルにとって当たり前のことだということを理解した上でヒロキくんが演じてるからなんだろうな、と改めてインタビューを読み返し、思いました。ヒロキくんにとって人生の分岐点になり得る作品を観劇できて幸せでした。