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「食わず嫌いは良くないので、ぜひ」、『壽祝桜四月大歌舞伎』、中村莟玉(下)

筆者: 岩村美佳 更新日: 2023年4月6日

2023年4月8日(土)から4月25日(火)まで、明治座で明治座創業百五十周年記念『壽祝桜四月大歌舞伎』が上演されます。昼の部の『大杯觴酒戦強者』にて小姓木村采女を、『お祭り』にて町娘お玉を演じる、中村莟玉さんのインタビュー後編です。「下」では、『壽祝桜四月大歌舞伎』の見どころや莟玉さんが演じる役のこと、歌舞伎を観に行くと今もお客さん目線でワクワクするというお話や、普段ミュージカルをご覧になっている方へのメッセージを紹介します。

中村莟玉さん=撮影・岩村美佳
中村莟玉さん=撮影・岩村美佳

――この記事を入口に、歌舞伎をちょっと覗いていただけたら。

きっかけが、とにかく大事だなと思っていて。そのきっかけを与えられない限りは、歌舞伎だけのファンの人たちに、歌舞伎じゃないものを好きな人や、歌舞伎にまだハマっていない、歌舞伎を観たことがない人たちへの普及を任せるのは、ちょっと難しいと思うんですよね。

――それぞれのファンの方が、棲んでいるところが違うんですよね。

ジャンルがちょっと違うんですよ。

――同じ舞台好きでも、“歌舞伎好き”という感じでしょうか。

そうなんです。宝塚との互換性はかなりあるのですが。もうちょっと広げていくことを考えると、やはりきっかけを、いろいろなところに設けていく必要が今後あるなと思っています。

――『壽祝桜四月大歌舞伎』では、昼の部で2つの演目へご出演されますが、作品の見どころと、莟玉さんのお役についてお聞かせください。

この『大杯觴酒戦強者(おおさかづきしゅせんのつわもの)』という演目は、ものすごく久しぶりに上演される演目で、僕はちっとも知らないんですよ。内容も全然知らないですし、今回が前回通りやるのかどうかもわかりません。それはまだこれからなのですが、まずこの(河竹)黙阿弥さんという人が、歌舞伎の世話物(江戸時代における現代劇のようなもの)と呼ばれるジャンルの代表的な狂言作者ですが、没後130年なので、一応歌舞伎界では“黙阿弥イヤー”なんです。

要は、ミュージカルだったら、フランス革命から○周年だから『1789‐バスティーユの恋人たち‐』をやる、みたいな感じです。まず年間を通してのイベントがあって、その人の作品なので、こういう珍しい作品も掛けようということだと思います。僕がさせていただく小姓・木村采女は、歌舞伎における「前髪物」というジャンルがありまして、まだ元服する前の男の子の役。歌舞伎の場合は、おじいさんになってもこういう役どころをやるんです。『1789‐バスティーユの恋人たち‐』でいえば、ロナンぐらい若い役を、今の市村正親さんぐらいになってもやるわけですよ。

――なるほど! わかりやすいです!

歌舞伎は、そういうことが、ありうるわけです。ずっと生涯を通して、ひとつの、歌舞伎のなかにたくさんある役のジャンルのなかでも前髪物という若衆の役をやり続けていきたいと僕は思っていて。というのも、養父の(中村)梅玉もそれを得意とし、自分のフィールドワークにしているんですね。自分のテリトリーのなかにある。だからそれを僕も教わってやっていきたいという気持ちがあり、そのタイプのお役です。なので、今回これを観ていただけるのはすごく嬉しいです。

その次の『お祭り』では僕は女方で、これは踊りなのですが、普段は、養父の梅玉がひとりでやる、一人立ちのものですが、たまに芸者が出たり、「からみ」といって、若い鳶の者が出たりするのですが、今回僕は珍しく町娘で、一緒に出させてもらいます。歌舞伎界でミュージカルと大きく違うのは、家族がいっぱいいて、こことここが親戚で、みたいなのがぐちゃぐちゃになっているのですが、そういうものを調べながら観ていただくのも。僕は、養子というのは珍しいですし、この人とこの人が親子なんだ、とかいう見方をしていただくのも、ひとつの楽しみ方かなとも思います。

――莟玉さんは、立役(男性の役)と女方の、両方をされるんですね。

立役も女方もやる人もいて、女方しかやらない人も、立役しかやらない人もいるのが、歌舞伎のすごく特殊なところなので、それを楽しんでいただけたらいいかなと思います。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、歌舞伎を観に行くと今もお客さん目線でワクワクするというお話や、普段ミュージカルをご覧になっている方へのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■歌うのは…。ちゃんとレッスンをしていただけて本当にワンフレーズだけ!とか(笑)

■「観るのが好き」から「やりたい!」に。「俺の仕事はこれ」という出会いではない

■歌舞伎を観に行くと、勉強というよりワクワクする。お客さんの気持ちになれる

■沼らなくても、「やはりミュージカルだな」でも良いので、歌舞伎にもぜひお越しを

<壽祝桜四月大歌舞伎>
【東京公演】2023年4月8日(土)初日~25日(火)千穐楽 明治座
公式サイト
https://www.meijiza.co.jp/info/2023/2023_04/

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中村莟玉さん=撮影・岩村美佳
中村莟玉さん=撮影・岩村美佳

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. ゆりはっと より:

    中村莟玉さんの記事を読んで明治座の150周年記念公演の昼の部を観劇しました。莟玉さんが演じる『大杯』の小姓は気品があって凛々しく『お祭り』の町娘のお玉は可愛らしかったです。養父である中村梅玉さんとの舞は華やかで素敵でした。観劇して楽しかったです。

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