日本史上最も優雅な甲冑、大鎧(イベント・コスプレ用)自作方法(1) | アイデアニュース

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日本史上最も優雅な甲冑、大鎧(イベント・コスプレ用)自作方法(1)

筆者: Lapis 更新日: 2016年1月11日

平安時代から鎌倉時代に上級武将がつけていた「大鎧」(おおよろい)を精密に手作りしてイベントなどに参加している「大鎧を愛でる会」のLapisさんが、コスプレ用の大鎧の作り方を写真69枚を使って詳しく書いてくださいました。戦国時代の鎧の作り方はウェブサイトなどにも掲載されていますが、繊細な紐(ひも)の威し(おどし)が必要な平安~鎌倉時代の「大鎧」の作り方は、ほとんど見当たりません。ここでは、大鎧に魅せられたLapisさんが、ヘルメットや、携帯電話用のコード、綿棒などを使って作った大鎧の作成ノウハウを、一挙公開します。(写真69枚と細かい説明は、有料会員限定となります)。ここから先は、Lapisさんの文章です。

今から800年以上前に、上級武士が着用していたと言われる大鎧。源平合戦で、源氏の源義経や平家の名将達が身に付けていたとされるその鎧は、日本の歴史の中で誕生したどの種類の鎧(甲冑)よりも一番美しいデザインであると言われています。

本や博物館、人形店で勉強してやっと自分なりの形に仕上げることが出来た「イベント用コスプレ大鎧」の作り方を、写真69枚を使って、詳しく説明します。雅な貴族社会を彷彿とさせるような、艶やかな色彩と繊細な紐の威し技術。錦の飾り紐で結ばれたその美しさは、とても戦場で身につける鎧には見えません。

実際に、戦国時代の鎧と比べてもらうと分かるのですが見た目も紐の多さも全く違います。時代の流れや武器の変化で鎧は姿形を変え、戦のない現代では端午の節句で床の間に飾られる風習となって残っています。

大鎧は時代の流れとともに、一度役目を終えました。南北朝→室町→安土桃山時代を経て、江戸時代で再び大鎧ブームが巻き起こります。江戸時代には殆ど使用されなくなった鎧は、床の間に飾られるようになり、その見栄えの良さから大鎧のデザインが流行ったのだそうです。

3. 筋兜を表現するために、コードを10~32間分、計算して張ります。

3. 筋兜を表現するために、コードを10~32間分、計算して張ります。

8. 綿棒が乾燥したら黒で塗装して、先端を切って瞬間接着剤でくっつけていきます。更に上から全体を黒で塗装。

8. 綿棒が乾燥したら黒で塗装して、先端を切って瞬間接着剤でくっつけていきます。更に上から全体を黒で塗装。

13. 大鎧といえば「絵韋」ですが、平安時代の絵柄は売っていませんので自分で再現するしかないです。

13. 大鎧といえば「絵韋」ですが、平安時代の絵柄は売っていませんので自分で再現するしかないです。

48. 鍬形はマグネットで取れるようにしました。当時のも強い力が加わったときには壊れたり外れる作りでした。

48. 鍬形はマグネットで取れるようにしました。当時のも強い力が加わったときには壊れたり外れる作りでした。

私も、そんな大鎧に魅せられた一人です。昔から母と一緒に読んでいた、平家物語に出てくる武将が身にまとっている鎧が好きで好きでたまりませんでした。いつか本物を見てみたい、着てみたいと思うようになりました。

鎧が載った本や辞書、資料をかたっぱしから集めて読み、博物館や人形店に行ってスタッフさんにお話を伺ったりと、勉強してやっと自分なりの形に仕上げることが出来ました。

68. 完成です。本来は装着を手伝う人がこれを行うのですが…一人で着用出来るようにあらかじめ固定しました。

68. 完成です。本来は装着を手伝う人がこれを行うのですが…一人で着用出来るようにあらかじめ固定しました。

これは初期作品です。現在イベントなどに現役で着て出陣してますが、愛情と力を注いだ作品なだけあって、まだ壊れていません。まだまだ改善しなくてはいけないところがたくさんあるのですが、それは次の作品で試しています。

この鎧はあくまでイベント用のコスプレ鎧だと思って見ていただければと思います。皆さんの鎧製作の参考になれば幸いです。

69. 大鎧の魅力は、全体のバランスが美しいということです。端午の節句で、観賞用として現代に残っています。

69. 大鎧の魅力は、全体のバランスが美しいということです。端午の節句で、観賞用として現代に残っています。

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写真69枚を使って「イベント用コスプレ大鎧」の製作方法を詳しく紹介します。以下は、その一部です。
■兜の表面にある鋲(星)を表現するために、綿棒を使います。
■ しころを三段ほど仮威し(仮では細めの丸紐です)して、紐の色を決めていきます。
■鹿の革の代わりに牛の革を使います。表面をやすりで磨いて滑らかにして色をつけます。
■メッキ塗装したビニールコードで縁取りをして、化粧板、菊の形をした釘を接着剤で付けます。
■吹き返しの大きさや反り具合などは、どの資料を見ても様々なので好みで調整しました。
■肩上の裏側はアルミ版で補強して障子板をつけます。
■一列威すのに2時間ほどかかり、前後左右全て終えるのに約1ヶ月ほどかかりました。
■太刀はジェルメディウムで木の質感が出るように工夫しました。

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大鎧(イベント・コスプレ用)自作方法(1)…写真番号1~9
https://ideanews.jp/archives/15782
大鎧(イベント・コスプレ用)自作方法(2)…写真番号10~19
https://ideanews.jp/archives/47741
大鎧(イベント・コスプレ用)自作方法(3)…写真番号20~29
https://ideanews.jp/archives/47744
大鎧(イベント・コスプレ用)自作方法(4)…写真番号30~39
https://ideanews.jp/archives/47750
大鎧(イベント・コスプレ用)自作方法(5)…写真番号40~49
https://ideanews.jp/archives/47757
大鎧(イベント・コスプレ用)自作方法(6)…写真番号50~59
https://ideanews.jp/archives/47759
大鎧(イベント・コスプレ用)自作方法(7)…写真番号60~69
https://ideanews.jp/archives/47763

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<筆者プロフィール>Lapis(ラピス) 佐賀県出身、熊本県在住。平氏ゆかりの家に生まれ、平家物語を読むうちに源氏の弓の名手「那須与一」に惹かれる。平安から鎌倉時代に上級の武将がつけていた「大鎧」のコスチュームを手作りし、「大鎧を愛でる会」(⇒こちら)を主宰。栃木県大田原市のご当地キャラクター『与一くん』の公認アテンドとなり、那須与一ゆかりの地や、神社を巡っている。 ⇒Lapisさんの記事一覧はこちら

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