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「思わず、“カッケェ!!!”って」、『キングアーサー』、浦井健治・伊礼彼方(中)

筆者: 岩村美佳 更新日: 2023年1月13日

ミュージカル『キングアーサー』が、2023年2月5日(日)まで東京・新国立劇場中劇場で、2月11日(土・祝)から2月12日(日)まで群馬・高崎芸術劇場大劇場で、2月24日(金)から2月26日(日)まで兵庫・兵庫県芸術文化センター KOBELCO大ホールで、3月4日(土)から3月5日(日)まで愛知・刈谷市総合文化センターアイリス 大ホールで上演されます。

アイデアニュースでは、アーサー役の浦井健治さんと、メレアガン役の伊礼彼方さん(加藤和樹さんとダブルキャスト)にインタビューしました。昨年掲載の「上」につづき、稽古中に伺ったお話をお届けいたします。「中」では、稽古の様子や演出のこと、照明に特徴がある舞台だということ、それぞれの役のことや、群像劇であり人間ドラマが渦巻いている物語だということなどについて伺った内容を紹介します。「下」では、物語のこと、「時間の経過」を表現するにあたってメレアガンとジャベールが似ているというお話、相対するシーンでお互いに感じている「芝居を待てる」という感覚のこと、アンサンブルの素晴らしさや、全キャストそれぞれの人生を賭けてきた個性が爆裂しているからこその魅力などについて伺った内容を紹介します。

浦井健治さん(左)と伊礼彼方さん=撮影・岩村美佳
浦井健治さん(左)と伊礼彼方さん=撮影・岩村美佳

(※このインタビューは、2022年12月初旬に実施しました)

――稽古の様子はいかがですか?

浦井:ようやく昨日一幕を通しましたが、すごく面白かったです。エンタメの格好いいミュージカルがまた爆誕したぞと。

伊礼:まだ稽古をつけていないシーンがありましたが、とりあえず流して歌ってくださいと。実は俺はそういうのが苦手なんですよ(笑)。いきなり歌えと言われても、心情が合わないから。なので、まず1回撃沈しましたけれど。

浦井:めっちゃかっこよかった。絶対にお客さんが惚れると思う。そして、曲がかっこいい。

伊礼:かっこいいね。

――どの曲もかっこいいですか?

伊礼:全曲とは言わないかもしれないですが、シングルカットできるようなナンバーです。そして、どのシーンを切り取っても絵になるんです。

浦井:演出の(オ・)ルピナさんの絵が明確なんです。韓国でルピナさんたちが作られたオリジナルのシーンも含め、すべてのビジョンが見えています。もちろん日本初演になりますが、韓国での演出を踏まえて、各役者の役割や具体的な動きまで、ビジョンがすごく明確で早い。そこにすごく信頼感があり、お互いの相乗効果が期待できるようなスピードなのかなと思います。

――たくさんの演出家とご一緒されてきたおふたりから見て、ルピナさんの演出はいかがですか?

浦井:みんなが、たまに「姫」と呼ぶんですが、ルピナさんは本当に可愛いんですよ。可愛らしいけれど、いい意味でちゃんと自我を持っていて、「こういうことをやりたい」と意思もしっかり伝えてくれてる。でも、ジョークもうまくピンポイントで入れて、場を和ませてくれます。

伊礼:こちらが意見を言うといいものは採用してくれるし、ずれてるものに関しては絶対にダメと。その「ダメ!」が可愛らしいんですよ。でもちゃんと考えてくれますね。こっちがやりやすいようにというのもそうだし、こういう風にしたほうが、このシーンはもっとよくなるんじゃないかという提案をして、なおかつそれに納得していただけると採用もしてくださいます。

――ジャッジが明確ということですね。

伊礼:すごく明確です。

――演出面での特徴はありますか?

浦井:ミザンスを含めて、栗山民也さんの見せ方に似ているというか。まず、空間の取り方がショーアップされている。お客様に何を伝えたいかをクローズアップするミザンスなんです。立体感があるステージングでもあって、でもそれは、ただかっこよく綺麗にみせるためだけではなく、すでにどうしたいのかの構図が出来上がっているんです。台詞ひとつのニュアンスも含めて、役者に任せている部分もありますが、全体の流れを通した時に、よりよい方向に導いて、各役にちゃんと心情を乗せるという作業をやってくれる。意図的なんだと思いますが、最初に「こういう道があるよ」というのを1回示しておく、クレバーな感触があったりします。

伊礼:見どころはたくさんありますが、特徴的なのは、僕も栗山さんの演出に似ているなというところです。何作かご一緒させてもらっていますが、栗山さんはやはりミザンスをつけるんですよ。だから結構最初の頃は栗山さんに反抗して(笑)、「あっちでもよくないですか?」、「あっちに行きたいんですけど」とか言うんですが、最終的な画を見ると、やっぱり栗山さんの意見が正しくて、そちらのほうがしっくりくるんです。不思議なんですよね。演出家として考え抜いているんだろうなと思います。

浦井:間違いない。

伊礼:だから、太刀打ちできないんですけど。それに近いような感覚を、ルピナさんにも実は感じるんです。例えば『ハムレット』には芝居のシーンがあったりするじゃないですか、劇中劇みたいな。ああいう場面が今回もあるんですが、それを影絵で見せたりします。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、それぞれの役のことや、群像劇であり人間ドラマが渦巻いている物語だということなどについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。14日掲載予定のインタビュー「下」では、物語のこと、「時間の経過」を表現するにあたってメレアガンとジャベールが似ているというお話、相対するシーンでお互いに感じている「芝居を待てる」という感覚のこと、アンサンブルの素晴らしさや、全キャストそれぞれが、人生を賭けてきた様を出しているからこその魅力などについて伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■伊礼:舞台で照明が当たると、ルピナさんの演出の特徴がさらに現れるのではと思う

■伊礼:古典ミュージカルと2.5次元のキラキラ 浦井:今っぽさとハムレット的なもの

■浦井:前田文子さんの衣装で王座に座り、疑心暗鬼に駆られると、安心感が(笑)

■伊礼:メレアガンは何ひとつ悪くない 浦井:みんなそれぞれの正義で選択する

<ミュージカル『キングアーサー』>
【東京公演】2023年2月5日(日)まで 新国立劇場 中劇場(※1月17日より開幕)
【群馬公演】2023年2月11日(土・祝)~12日(日) 高崎芸術劇場 大劇場
【兵庫公演】2023年2月24日(金)~26日(日) 兵庫県立芸術文化センター  KOBELCO大ホール
【愛知公演】2023年3月4日(土)~5日(日) 刈谷市総合文化センターアイリス 大ホール
公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/kingarthur2023/

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浦井健治さん=撮影・岩村美佳
浦井健治さん=撮影・岩村美佳

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. ゆう凛 より:

    浦井さんと伊礼さんの記事、公演前と公演が始まってからも何度も読み返し、キングアーサー新国立劇場から高崎芸術劇場と続く公演を観ました。私も浦井さんアーサー王の民になりました(笑)伊礼さんメレアガンの来世を願います…フレンチロックは頭から離れません。これから兵庫、愛知と続く公演でもキングアーサー旋風で深化する舞台を楽しみたいと思っています。

  2. ささっぱー より:

    伊礼メレアガンの回を観劇しました。インタビューで触れられている通り、メレアガン悪くない笑 そしてど迫力の歌に圧倒されました。(あの高音!)
    浦井さんの素朴で無邪気な青年から王様としての威厳ある佇まいまでの変化も素晴らしいです。同じメロディでまったく違う心境を表現しなければならず、次々と「個人」として辛い目にあう、かなり難しい役なのでは?と思います。次はツアーですね、どうぞ皆さま最後まで無事に駆け抜けられますように。

  3. ゆみ より:

    お二人のテンポの良い会話が聞こえてきそうなわくわくするインタビューをありがとうございます。
    好きな俳優さんが出る作品の主演が浦井さんで、初めてお芝居を拝見したときは圧倒的な存在感を放ちながら自然なお芝居をされる浦井さんに一瞬で惹き付けられたことを覚えています。
    それからは浦井さんの作品も観劇させていただいてます。
    メレアガンがヒール役だと思っていたのでインタビューを読んで作品をより深く観劇できそうな気がしてきました!
    まだ観劇前なので早く作品の世界を感じたいと楽しみが増しました。

  4. saya より:

    舞台上にトータルで完成される『キングアーサー』の世界への期待が益々高まるインタビュー!残念ながら中止公演もありましたが、開幕し観劇できる日が楽しみです!!

  5. はるき より:

    いつもは「前」「後」しかないところ「中」まで掲載してくださり有難うございます!

    伊礼さんと浦井さん 2人間揃うとそれぞれ単独でのインタビュー受けられてる時の雰囲気と違って、いつもは見せてくれない素の部分も出てきちゃってるように思います。
    そういうの読めて大変嬉しいです
    そしていつも以上に深い話もしてくださる。
    キングアーサー 地方公演含めてこれからの公演無事上演できますように

  6. ちょち より:

    大好きなお二人のつくる世界を早く観たいです。興味深いお話たくさんありがとうざいました。

  7. Kotanko より:

    浦井さんと伊礼さんの記事が読みたくて
    この度有料会員になりました。
    読み応えあって楽しいです。
    過去の記事もこれから読みたいと思います

  8. わっふる より:

    浦井君と伊礼君の記事、ようやく続きの「中」がよめてよかったです。
    二人の作品と演出家に対しての深い話を読んでいるとますます楽しみになりました。
    1月17以降は無事に幕が開きますように。

  9. シロネコ より:

    長くて深いインタビューありがとうございます!初日が延期となっているところですが、開幕を楽しみに待っています。

  10. ミケ より:

    他のメディアでは見かけなかった、照明や衣装に絡んだお話、大変興味深く読みました。前方からでは見え無さそうな影を、三階席からよく見てこようと楽しみが増えました。舞台はもちろん、次回記事も楽しみです!

  11. さくらんぼ より:

    浦井さんと伊礼さんの信頼関係、キングアーサーという作品の期待度ワクワクします。歴史あるキングアーサーを、大好きなお二人で観れるの嬉しいです。無事に舞台の幕があがり完走できますように。きっとどんどん深化しますね。

  12. 伊礼さんファン より:

    栗山先生の演出に似てるって話が面白かったです。残念ながら初日が遅れましたが、無事に開幕されますように!!観劇行けますように!!
    どんなか早く観たいです!!

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