「お互い、芝居を待てる」、『キングアーサー』、浦井健治・伊礼彼方(下) | アイデアニュース

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「お互い、芝居を待てる」、『キングアーサー』、浦井健治・伊礼彼方(下)

筆者: 岩村美佳 更新日: 2023年1月14日

2023年2月5日(日)まで東京・新国立劇場中劇場で、2月11日(土・祝)から2月12日(日)まで群馬・高崎芸術劇場大劇場で、2月24日(金)から2月26日(日)まで兵庫・兵庫県芸術文化センター KOBELCO大ホールで、3月4日(土)から3月5日(日)まで愛知・刈谷市総合文化センターアイリス 大ホールで上演されるミュージカル『キングアーサー』に、アーサー役で出演する浦井健治さんと、メレアガン役で出演する伊礼彼方さん(加藤和樹さんとダブルキャスト)のインタビュー「下」です。「下」では、物語のこと、「時間の経過」を表現するにあたってメレアガンとジャベールが似ているというお話、相対するシーンでお互いに感じている「芝居を待てる」という感覚のこと、アンサンブルの素晴らしさや、全キャストそれぞれが、人生を賭けてきた様を出しているからこその魅力などについて伺った内容を紹介します。

浦井健治さん(右)と伊礼彼方さん=撮影・岩村美佳
浦井健治さん(右)と伊礼彼方さん=撮影・岩村美佳

(※このインタビューは、2022年12月初旬に実施しました)

――「よくあるなと思うような物語」とおっしゃっていましたが、それは普通のドラマの題材として、普通にありそうなということですか? それともリアルな人間世界にありそうということですか?

浦井:韓国ドラマにありそう。みんなが大好きな感じですね。

伊礼:最近見てないけど、昼ドラとか昔そういうテーマを扱ってたよね。

――前回対談をしていただいた時に、お芝居が見どころになるであろう座組だというお話をされていましたが、実際に始まってみていかがですか?

伊礼:もう健ちゃんなんか大変です。一般市民から王様になる過程を演じなければいけないから。分かりやすく、最初は猫背で歩いている人間が、急にぴっと背筋を伸ばして歩かなきゃいけないんですから。その変わりようは面白いんじゃないかなと思います。

浦井:同じフレーズをリフレインで、一幕と二幕で歌うんですが、それが全然違う歌として聞こえてくることを目指していて。刀、殺陣ひとつひとつにも、多分重さが変わってくる。その過程すべてに意味があって、最終的にはメレアガンを殺めてしまうんです。

それはもしかしたら、アーサーにとっての正義かもしれない。でもそれは、やってしまったがゆえの結果なので、正当化じゃないですが、そういうところまで演じていけるのは、すごく楽しいです。また、周りの人がアーサーを通して変わっていく様がすごく早いので、演じながら見ていても楽しいです。

――伊礼さんは、先程おっしゃっていた「自分が正義だ」というところから変わっていく過程の表現に面白さなどがありますか?

伊礼:脚本には、それがシーンとして明確に描かれていないので、メレアガンはとても飛躍しなきゃいけない役なんです。時間がすごく経過するんですよね。二幕で現れた時には、豹変していなければいけないので。だから表現がとても難しいな、どう整理をつけようかなと、ルピナさんとも加藤和樹とも話しているんですが。

分かりやすく言えば、一幕の前半は、メレアガンが幕開きにいろいろ騒動を起こすんですが、その後モルガンにバトンタッチされるんです。そして、二幕でふたりが登場して企てていくんですが、それを伝えるシーンがないんですよ。そこを一貫して伝えているのは、やっぱりアーサー。アーサー王物語だから。これが敵役とかいわゆる脇の人間たちの課題ではあって、それをどう見せていくか。それがしっかりしないと、アーサーもちゃんと見えなくなっていくので、そこが今悩んでいるところというか。

――『レ・ミゼラブル』のジャベールの時も、同様に出てくる度に時間が経過していたりしましたよね。あの時間が経った表現がすごいなと思いました。

伊礼:それを勝ち取るまでが、すごく苦しいんですよね。どのレベルで表現するのか、どのくらいの感覚を持って、例えば10年経ったというその重みをどう持たせるのか、持たせないのか。ジャベールは時間が経過して重くはなっていくんですが、実は声質で言うと変わらない。最初から一貫して最後まで、その声の強さは変わらない。一方、バルジャンはとにかくいろんな幅を効かせて表現しているんです。

そういう違いがあります。時間が経って重くはなっているけれど、声質は最初から固いまま。それは変わらない。なんならもっと固まってもいいくらい。だからジャベールを作り上げるまでは、非常に苦しかったです。

だから、ジャベールもメレアガンも似ている。時間が経過したら、そこにいろんな思いを上乗せして出なきゃいけない。それは難しいところではありますが、そうおっしゃってくださるのはありがたいです。頑張った甲斐があります。

――どう見せてくださるかとても楽しみです。

伊礼:ダブルキャストの和樹とか、他の人たちは分かりませんが、僕は主役や主軸になっている人たちの役どころを見ながら、感情的なものもそうだし、彼らがこういう芝居をするんだったら、そこから盗めるものを盗んでから、次を出ようかなと考えたりするので、ひとりではやっぱり作れないですね。だからそのシーンになった時に、周りの動きや心情を見て構築していこうかなと。

浦井:でも、メレアガンとアーサーのシーンは、極端に少ないんです。

伊礼:そうだね、一幕でワンシーン。

浦井:二幕もワンシーン。僕はグィネヴィアとのシーンも、極端に少ないし。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、相対するシーンでお互いに感じている「芝居を待てる」という感覚のこと、アンサンブルの素晴らしさや、全キャストそれぞれが、人生を賭けてきた様を出しているからこその魅力などについて伺った内容などインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■伊礼:刀を首に突きつけるシーンで目を合わせた時の「かちっ」とした感じに信頼が

■浦井:慣れじゃなくて、照れに近い感覚がある。「目線に時間が乗る」というような

■伊礼:アンサンブルの特殊技能というか、彼らのポテンシャルの高さの素晴らしさ

■浦井:オ・ルピナという箱に入った我々が、その箱の中でものすごく爆裂している

<ミュージカル『キングアーサー』>
【東京公演】2023年2月5日(日)まで 新国立劇場 中劇場(※1月17日より開幕)
【群馬公演】2023年2月11日(土・祝)~12日(日) 高崎芸術劇場 大劇場
【兵庫公演】2023年2月24日(金)~26日(日) 兵庫県立芸術文化センター  KOBELCO大ホール
【愛知公演】2023年3月4日(土)~5日(日) 刈谷市総合文化センターアイリス 大ホール
公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/kingarthur2023/

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伊礼彼方さん=撮影・岩村美佳
伊礼彼方さん=撮影・岩村美佳

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. まいまい より:

    上中下とボリュームのある内容の濃い対談で、読み応えがありました!
    キングアーサーのことだけでなく、お芝居そのものに関するお話や昔のお話もあり、同学年で一緒にCDを出したりと仲の良いお二人ですが、お互いに尊敬して高め合ってきたんだなと改めて感じることができました。また、観劇後に読むと、影絵や照明のお話になるほど!と思う部分もあり面白かったです!久しぶりの共演だけでも嬉しかったですが、素敵な対談を読むことができ最高でした。ありがとうございました!

  2. らぶりぃ より:

    このたびは観劇前そして観劇後にも何度も読み返す読み応えのある3部作を有難うございました。
    本作に込められたお2人の愛情と信頼感あふれるお話に感動を覚え、ますます今後への期待が高まりました。キャスト全員が一丸となって作り出されたシーンはどれも珠玉の輝きでした!
    2023年の心に深く残る作品となりました。刈谷千穐楽まで応援しています。

  3. ドロップ より:

    3回にも渡る充実のインタビュー記事をありがとうございました!まずは開幕前に読んで期待が高まりとてもワクワクした気持ちで観劇の日を迎えました。お二人の信頼関係がよく伝わってきましたし、これだけ深く掘り下げて頂いたインタビューはなかなかないのでとても興味深かったです。
    観劇後に読み返したらなるほど…!と感じることもあって何度も楽しめました。素敵な記事をありがとうございました。これからも楽しみにしております。

  4. ゆみ より:

    「中」のインタビューで栗山民也さんの演出に似ているというお話をされていたときにもかんじたのですが、浦井さんと伊礼さんの感覚がすごく似てそうだなーって思いました。
    一緒のシーンが一幕、二幕ともにワンシーンだけとのことですが、その瞬間をすごく楽しんで演じてるんだろうなって想像できてわくわくします。
    浦井さんの「目線に時間が乗る」という表現もすごく素敵で、この言葉を切り取って届けてくれた岩村さん、ありがとうございます。
    最後までお二人が目の前で話してるのかと思うくらいインタビューの熱量が伝わってきました。

  5. リズ より:

    開幕してから読むと、この場面か!とか、なるほど〜と思うことがたくさんで、お二人がさらに深め合っているのが感じられます。
    上、中、下と3回に渡り、たっぷりと読ませていただきありがとうございます。

  6. みすと より:

    本番が開幕し、お二人それぞれの個性を十二分に発揮したお芝居に浸って感慨もひとしお。
    いつか、浦井さんにダークサイド、彼方さんにヒーローでの共演を見てみたいです。

  7. さくらんぼ より:

    信頼関係!大好きなお二人の共演、熱い作品になってると思うと明日の初日楽しみです。

  8. マリア より:

    深く掘り下げてインタビューしてくださるので、他では聞けない内容が興味深いです。しかも今回は上中下という濃い内容。読み応えがありました。これからもよろしくお願いします。

  9. とみこ より:

    お芝居は学芸会とかでしかしたことないのですが、役者さんはいろんなものを受け取ったり返したりしてるんですねぇ。
    読んで感動しました!
    無事に開幕出来ますように!!

  10. ぽち より:

    二人の熱い絆の深い記事に読めば読むほど胸が熱くなり、益々二人の舞台上での芝居での対峙が楽しみになりました。熱く深い記事を3回に渡り掲載してくれて本当に有難うございます。
    17日以降に無事幕が開いて役者さんとスタッフさん達の熱い想いが客席で一緒に体感できますように!

  11. ちょち より:

    お二人の信頼が伝わる素敵な記事をありがとうざいました。お写真も素敵です。キング・アーサー、ワクワクです!!

  12. なつみ より:

    インタビュー、上中下と、ボリュームがあり読み応えがありました.開幕が待ちどおしいです。
    浦井さんと伊礼さん2人の写真の距離感から、仲良し度や信頼感が伝わります。
    素敵な写真です。

  13. ゆきち より:

    まずは、この記事。上中下で、とても読み応えがあり、なかなか聞けない2人の関係性が書かれていて、とても素晴らしかったです。インタビューで無ければ、照れてなかなか言えないような事も聞き出して頂いてありがとうございます。初日は延期になってしまいましたが、とても楽しみな、新しい風をもたらしてくれる様なミュージカルになっている事がよくわかり、期待しています。
    この記事、アイデアニュースさんに感謝です。

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