2023年9月5日(火)と9月6日(水)に東京・プラネタリウム天空で、9月10日(日)に神戸・バンドー神戸青少年科学館で、2会場を巡るプラネタリウムツアー『LIVE in the DARK tour w/ 加藤和樹-星空リサイタルvol.1-』を開催する加藤和樹さんのインタビュー後編です。「下」では、先日加藤さんが出演され、韓国語でも歌唱された『BRANDON LEE ミュージカルシンフォニーコンサート』のこと、韓国ミュージカルを通して感じるダブルキャストの印象の違いや、役作りの自由度のことなどについてお話ししてくださった内容を紹介します。
ーー今は頻繁に韓国に行かれていますか?
コロナになってからは、3年くらい行けなかったんですけど、ようやく行き来ができるようになりました。新作ミュージカルを観に行ったりしています。最近ですと『ムーラン・ルージュ』や『ベートーヴェン』ですね。でもやはり、それだけではなく、韓国はオリジナルミュージカルもすごくたくさん作っていますから。
ーー劇場の数も全然違うと聞いたことがあります。
本当に全然違いますよ。そこから受ける刺激はやっぱりすごくたくさんありますね。そんな中で、先日のBLANDON LEEコンサートのお話をいただいたんです。最初は、「俺!?」って思いました(笑)。
ーーそうだったんですか?
自分へのご褒美だなと思って。韓国に行った時に、ステージで拝見している方々ばかりだったので、歌声を聞けるだけで幸せという感覚なんです。だから、韓国主体のコンサートにまさか自分が同じステージで歌えるなんて思ってもいなかったですし、チャンスをもらえたとしても、韓国語を話せるようになってからもっと先だろうという気持ちでした。予想外に早いタイミングで実現したのですが、韓国語を勉強していてよかったです。
ーーコンサートでは、韓国語でも歌われていましたよね?
ソロ曲を韓国語で歌って欲しいっていうオーダーをいただいたんです。イ・ソンジュンさんの『フランケンシュタイン』と『ベン・ハー』のコンサートなので、僕が歌うのはフランケンの楽曲かなと思ったら、まさかの『ベン・ハー』の楽曲でびっくりしたんです。韓国で『ベン・ハー』を観ていなかったので、焦りました。
ーーそうだったんですね!
歌はもう、必死で覚えましたね。まずは物語の感情を理解して、韓国語の先生と一緒に発音をチェックしました。勉強しているからこそわかる発音の違いもありますから、やるからにはね、ネイティヴの人がきいても遜色ない発音で歌いたいという思いもあったんです。ひたすら音源を聴いて、多分1000回以上は聴きましたね。
ーー1000回以上ですか!?
稽古に行く時も毎回、車の中でずっと聴いていました。家に帰っても毎日ずっと聴き続けた日々でした。韓国語には、日本語にない発音が多いので、そこがきちんとできていないと「日本人の発音だね」となりますから、ひたすら猛練習しました。
コンサートで、たまに英語で歌う時はこれまでにもあって。それはそれで難しいのですが、韓国語には、英語とはまた違う発音もあるんです。似たところもありますけどね。英語のLとRの間みたいな発音があったりもするんです。僕は、そこはまだクリアはできていませんが、そういところにまで今回触れられたので、勉強になりました。
ーー韓国でずっとご覧になっていた方々と、今回同じステージに一緒に立たれて、いかがでしたか?
いや、もう…やっぱりほんとにすごかったです!「なんでそこで伸ばせるの?その声の圧はどっから出るの?」って、ずっと袖でただただもうブラボー!という感じでした。彼らの技術力も、本人たちの地の力というか、持っているパワーが全然違いましたね。あとはみんなから日本がすごく好きという気持ちが伝わってきたことが、とても嬉しかったです。日韓の交流も深まってきたので、だからこそ今度は日本から韓国へ何か持って行きたいという気持ちもあります。
今は、どうしても韓国の方々をお呼びするという形になっているので、日本代表として何人かと韓国に行って、日韓で音楽の交流も徐々にできていったらいいなと思います。以前、中川晃教さんが韓国の野外フェスに出演したことがあるので、そういう交流がもっと増えていくと今度は日韓合作ミュージカルとかもできそうだなと。その作品を日韓両方で上演とか、そういうことも実現したいです。
ーーそもそもなのですが、加藤さんは韓国ミュージカルのどのような点に魅力を感じていらっしゃいますか?
まず話がわかりやすいんです。なんとなく最初にオチがあって、「ああなるほどね!」と繋がるんです。コロナが明けてからようやく大学路(テハンノ)の小中劇場にも行けたんですが、そこで上演されている作品もお芝居の力がすごくあり、楽曲がいい!どの作品も言葉がわからなくても、楽曲の印象がすごく耳に残るんです。
初めてフランケンを観たときも、頭の中でずっと「君の夢の中で」がリピートされていて。もちろんいろんな作曲家の方がいらっしゃいますが、韓国ミュージカルの楽曲は耳に残りますね。そこがすごいなと思います。しかも歌うとなると、とても難しいんです。イ・ソンジュンさんの楽曲もそうですが、キーの幅が広いんですよ。すごく低いところがあるかと思えば、高いところは際限なく高いところまでいきますし。韓国の役者さんたちは、ダブルキャストだと歌う幅を自由に変えたりされてるんですよ。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、韓国ミュージカルを通して感じるダブルキャストの印象の違いや、役作りの自由度についてお話ししてくださった内容などインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■韓国のミュージカル映像を観ると、原曲がわからないくらい人によってキーが違う
■『フランケンシュタイン』のアンリ役。KAIさんはメガネをかけていて衝撃だった
■韓国で『ベートーヴェン』を観劇。作品や役へのアプローチがキャストで全然違った
■ダブルキャストなら、「自分はこうしたい」という幅がもっとあってもいいかも
<『LIVE in the DARK tour w/加藤和樹 -星空リサイタル vol.1-』>
【東京公演】2023年9月5日(火)・9月6日(水)
開場 18:00 開演 18:30/開場 20:00 開演 20:30(上演時間60分)
コニカミノルタプラネタリウム天空 in 東京スカイツリータウン(R)
【神戸公演】2023年9月10日(日)
開場 16:00 開演 16:30/開場 18:00 開演 18:30(上演時間60分)
バンドー神戸青少年科学館ドームシアター(プラネタリウム)
公式サイト
https://planetarium.konicaminolta.jp/livedark/katokazuki2023/
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いつも素敵なインタビューですが、今回は特に興味深かったです。加藤さんのプラネタリウムライブ、BRANDON LEEコンサートどちらも本当に素晴らしく、ご本人がどのように臨まれたのかと関心がありました。緻密なリハーサルや想像をはるかに越えたご苦労などもあったことを知り、感激です。韓国への思いの強さについても掘り下げていただき、読み応えたっぷりの記事です。ありがとうございました!