2023年12月3日(日)に兵庫・兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール で、12月24日(日)に東京・昭和女子大学 人見記念講堂で開催されるSNOOPYのオーケストラコンサート、billboard classics × SNOOPYシリーズの第4弾『Magical Christmas Night』で、出演に加えて、演出を手掛ける城田優さんのインタビュー後編です。「下」の無料部分では、今回のコンサートの推し曲、コンサートのアイデアについて、ゲストのCrystal Kayさんと清水美依紗さんのことなどについて伺った内容を紹介します。有料部分では、「カテゴライズ」ということについて、エンターテインメントを通して届けたいことや心掛けていること、演出家・俳優など役割を切り替える際にも、ご自身の中に特にスイッチはないというお話などを紹介します。
ーー『ファントム』についても伺いたいことが尽きないのですが、話を戻してSNOOPYコンサートのもう少し具体的なところを教えてください。曲や構成は、どんなふうに決めていったんですか?
基本的には、音楽監督の宮本貴奈さんが入ってくださっていますし、今日ここに同席してくださっている制作のみなさんと決めました。貴奈さんが、音楽監督としていろんな曲の候補を出してくださって、僕も候補を出して、みんなでありなしの意見出しをしていったという感じです。
ーー城田さんが今回、特に推したい曲はありますか?
個人的には、やっぱり「真夏の果実」になっちゃうかなあ‥(笑)。
ーーおー!
意外性というか。真冬に真夏の果実っていう。
ーーオーストラリアのクリスマスみたいですね。
まさにその通りなんですよ。そこなんです。オーストラリアに限らずですが、日本に住んでいる人間にとっては、クリスマス=冬だけど、思考を広げるとクリスマスは別に冬じゃない。12月24日、25日という聖なる夜のことは、世界の全員が冬と思っているわけではないんだよという、ちょっとしたメッセージなんです。「視野を広げましょう」っていう。
ーー地球全体で考えたら、夏冬半々ですもんね。
真夏のクリスマスを過ごしている人もいるという前提のもと、真夏の曲を日本的なクリスマスアレンジにするっていう。これも思考したのではなく、なんか面白いことしようってふと思ったんです。きっとSNOOPYたちも共感してくれるはずですが、きっかけになったのは、僕がこのコンサートでも大事にさせてもらっている「区別や差別をしない」という思いです。世界平和という言葉が一番わかりやすいのかもしれないですけど。
環境や状況は人それぞれみんな違いますが、その中でみんな手を取り合って改善していこうよと。ジョン・レノンの「Happy Christmas」も歌わせてもらいます。
肌の色や年齢、収入とか、測ろうと思えば僕らはいくらでもお互いのことを測り合って「あいつより上だ、こいつより下だ」って言うことができるんですが、そういうことじゃなくて。どこに生まれたとか、どこに住んでるかとか、そういうのはどうでもよくてという思いから派生したものです。
クリスマス、真冬の歌‥と考えていたときに、クリスマスって別に冬じゃないところもあるなと想像して、「あれ? 真夏の曲をクリスマスアレンジしたらめちゃおもしろいんじゃない?」と。
ーーそういうアイデアがわいたんですね。
ほんとは、クリスマスっぽくない曲をもっとたくさん選んで、そこにクリスマスアレンジをしようと思っていたんです。でもやっぱり、クリスマスの定番の曲や、これまでに3年間やってきたコンサートの中から、外せない大切な曲は残しつつ、新たに加えられるものとしてアレンジをしていくという方向性でいくことにしました。
ーーゲストがCrystal Kayさんと清水美依紗さんですよね。最高のお二人だと思いました。
最高の二人です。よく、ほんとに二人ともキャスティングできたなと。
ーー城田さんからお声がけされたんですか?
正式にはもちろん主催者側からですが、本人たちとは僕も直接やりとりしています。クリ(Crystal Kayさん)の「えーなにそれ?面白そう〜!」って感じの反応だったり(笑)
ーー以前取材させていただいたときに、Crystal Kayさんのお人柄が本当に素敵で可愛らしくて、大好きになりました!
そういう人柄の部分も、僕はすごく大切にしたくて。表に出る人も、関わるスタッフも、ご一緒する方達は全員、同じマインドで同じ意識を持って成功させたいんです。例えばサッカーチームでも、プレイヤーだけが頑張るんじゃなくてサポートしている人たちも同じ思いをもって優勝しよう!っていうふうにやるわけじゃないですか。そういう意味でも、かなりチームワークでみんなで頑張らなきゃいけない中で、プレイヤーの人はなおのことその魂がというか心が綺麗であれと思います。
更に、僕の中で今回のチェックポイントがいくつかあって、そこがクリも美依紗も全部クリアされているんです。英語が喋れなきゃいけない、「まいりました!」って思うくらい歌唱力があって上手い人、そして何よりも人としてリスペクトできるとか一緒に過ごしたいとか歌いたいと思う人。この2人を募れたのは激レアだし、観にきてくださった方々が、二人の歌を通してどれほど愛をもらえるかは、それはもう、「感じてください!」としか言えないですけど。空気も含めてどう感じるかはその人の感性次第ですが、音楽好きならきっと誰もが沁みると思うんですよね。
ーーそうですよね。
あとはやっぱり、俳優とか演者系の方々にも観てほしいですね。「悔しい! 僕も私も出たい!」と言ってくれるような。こんなこと言ってますが、来年は全く別の演出かもしれませんが。でも今年の公演をきっかけに、あえてカテゴライズされないものを作りたい。
「クラシックコンサートではあるんだけど違うね」というか、「これはなんだろう?」と言われたらすごく面白い。そういうものを作って、本当に面白かったら勝手に広まっていくだろうし、来年はチケットが全然取れない!追加公演!となればみんなハッピーですね。海外からも興味を持たれてオファーが来るかもしれない。それくらいのポテンシャルを持った企画だと僕は思います。
ーー「カテゴライズしない」って、IMYのときもそういうことをおっしゃっていましたよね?
そうです。僕自身はずっとカテゴライズされてきたから。「スペイン人」「日本人」「外人」と、「なんで場所と人が変わると自分や自分の見られ方が変わるんだろう?」と。身長が高いこともそうですけど容姿も含め、すごく幼少期に悩み倒したし、カテゴライズされることにすごく嫌気がさしていて。肩書きもそうですよね。「俳優」とか「歌手」とか。なんで両方やっちゃいけないの?と。芝居も歌も努力した上で自信をもってやっているという自負があります。でも面白いことに、両方やっていると、それぞれ正当に評価してもらえない傾向がありますよね。
ーー私自身、カメラマンとライター、他のことなどもやっているので共感します。
そう、そういうことです。演出家もそうだし、僕は全部本気で命かけてやってます。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、「カテゴライズ」ということについて、エンターテインメントを通して届けたいことや心掛けていること、演出家・俳優など役割を切り替える際にも、ご自身の中に特にスイッチはないというお話などインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■物差しというかカテゴライズする人たちは常に一定数いるけど、「やるしかない」と
■少しの元気、やる気、勇気、笑顔…そういうものを届けられたらと思いながら
■エンタメという意味では演出も俳優も、僕にとっては同じ。役割ごとにスイッチはない
■「新しいものが生まれる瞬間」には、なるべくたくさん立ち会ってほしいと思う
<billboard classics × SNOOPY 『Magical Christmas Night』>
【兵庫公演】2023年12月3日(日) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
【東京公演】2023年12月24日(日) 昭和女子大学 人見記念講堂
公式サイト
https://billboard-cc.com/snoopy2023
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※billboard classics × SNOOPY 『Magical Christmas Night』のオリジナルグッズを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは2023年11月4日(土)です(このプレゼントの募集は終了しました)。発送は2023年12月以降となります。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
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SNOOPYコンサート、次はもういいかなと思っていましたが、優くんのインタビュー読んで、新演出やっぱり観に行こうと思いました!
岩村さんのインタビュー、他とは違う優くんの話が読めて、とても良かったです!