城田優演出「billboard classics × SNOOPY、来年は全国ツアーへ」、『Magical Christmas Night』 | アイデアニュース

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城田優演出「billboard classics × SNOOPY、来年は全国ツアーへ」、『Magical Christmas Night』

筆者: 村岡侑紀 更新日: 2024年1月12日

PEANUTSコミック生誕70周年を祝して2020年にスタートしたSNOOPYのオーケストラコンサートbillboard classics × SNOOPYシリーズの第4弾『Magical Christmas Night』が、2023年12月3日(日)に兵庫・兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール で、12月24日(日)に東京・昭和女子大学 人見記念講堂で開催されました。2020年から毎年、このコンサートにゲストボーカルとして出演してこられた城田優さんが、今回はメインパフォーマーとしての出演に加えて、演出を手掛けられました。また、ゲストボーカルとして、兵庫公演にはCrystal Kayさん、東京公演には清水美依紗さんが出演されました。アイデアニュースでは、東京公演の様子を写真と共に紹介します。

撮影:石阪大輔
撮影:石阪大輔

アイデアニュースでこのコンサートをご紹介するのは初めてとなるため、まず、スヌーピーとクリスマスソングの結びつきについて少し説明します。

そもそも「なぜ、クリスマスコンサートでスヌーピー?」というところなのですが、その鍵となるのは、1965年からアメリカでは毎年放映されているというアニメーション番組「チャーリー・ブラウンのクリスマス」です。日本でもおなじみのスヌーピーは、チャールズ M. シュルツ作のコミック『PEANUTS(ピーナッツ)』の主人公チャーリー・ブラウンが飼っているビーグル犬です。『PEANUTS』には、ライナスやルーシーなどさまざまな愛すべきキャラクターたちが登場しますが、「チャーリー・ブラウンのクリスマス」も、彼らが登場する物語の一つです。

というわけで、billboard classics × SNOOPYのオーケストラコンサートには、この番組で使用されている曲をメインに構成されてきたという歴史があります。ちなみに、「チャーリー・ブラウンのクリスマス」のサウンドトラック『A Charlie Brown Christmas』は、ジャズ・アルバムのベストセラーとしても広く知られているそうです。

「チャーリー・ブラウンのクリスマス」も含め、60年代から70年代にかけて、テレビで放映された『PEANUTS』のアニメーション作品で音楽を担当し続けたのは、ジャズ・アーティストのヴィンス・ガラルディでした。子ども向けの番組にジャズ音楽が使用されたことは画期的だったようです。「チャーリー・ブラウンのクリスマス」を実際に拝見したところ、とても音楽が印象に残りました。愛らしいキャラクターが織りなす無邪気さと、クリスマスの商業主義化を嘆くチャーリー・ブラウンの気持ちの変化、「クリスマスとは何か」というメッセージを、音楽が詩的に伝えているように思いました。

さて、それでは当日のコンサートに話を戻しましょう。4回目の開催となったbillboard classics × SNOOPYシリーズ『Magical Christmas Night』でも、このアルバムからの曲はもちろん、『PEANUTS』の作品に登場する楽曲が、オーケストラ、ジャズ・トリオ、音楽監督の宮本貴奈さんのピアノ演奏、そして城田優さん、子どもたちのクワイア(合唱団)による歌唱によって届けられました。アイデアニュースのインタビューの中で、「魔法の時間を作るんだ!」とお話ししてくださっていた城田さんの言葉を思い出すコンサートでした。

撮影:石阪大輔
撮影:石阪大輔

ステージには、舞台の背景をおおうほどに大きなクリスマスツリー。開演前にはBGMとして虫の音も聞こえてきます。さながら月のようなミラーボールによって会場が照らされ、月光のような幻想的な光の中、指揮者の栗田博文さんが指揮する東京フィルハーモニー交響楽団と、宮本さんのピアノ演奏による「Christmas Time Is Here 」「Christmas is Coming」「Linus & Lucy」の3曲で構成される「Overture」で華やかに開演しました。

カラフルに変化する照明によって映し出される舞台の上手には、大きな雪だるま。そして下手には、電飾で飾られたドッグハウスが。全てが『PEANUTS』のコミックのタッチそのものなので、物語がそのまま飛び出してきてくれたようでした。まずは視覚を通して、まさに「スヌーピーたちが住む世界で行われる夜の音楽祭」を訪れたかのような気持ちになります。そんな中、ドッグハウスからはスヌーピーが登場し、会場は拍手喝采。

『ファントム』を拝見した際にも感じましたが、城田さんの演出作品では、会場を訪れた際に「その世界観」に入り込めるよう、様々な仕掛けが用意されているように思います。空間から演出されているので、「劇場に入る」「席に座る」「ステージを見る」という、観客としてごく普通の行動をしているうちに、自然とその世界に誘われているように感じます。「その世界観に入り込もう」と観客が努力する必要はないのです。

スヌーピーがドッグハウスに戻ると、ツリーに『PEANUTS』の仲間たちが次々と映し出されます。「Skating」「そりすべり(Sleigh Ride)」「Benjamin」の3曲が、ジャズ・トリオの演奏も加わり、オーケストラとピアノによって演奏されます。実は、ツリーにぶら下がっているプレゼントだと思っていた部分は、パネルになっており、曲に合わせて映像が変化しており、視覚的にも楽しい仕掛けになっていました。例えば、「Skating」では軽快にスケートをするスヌーピーたちが、ツリーを横切って行きます。「そりすべり(Sleigh Ride)」では、映し出されたクリスマスのベルがゆらゆらと動くので、シャンシャン音をたてているように感じられました(演奏しているのはオーケストラ)。あっという間に、曲は「Benjamin」へ。ジャズ・トリオのドラムが祝祭感を盛り上げるのでした。

撮影:石阪大輔
撮影:石阪大輔

舞台が暗転し、背景の大きなツリーは影を潜めます。オーケストラとピアノの演奏と共に、舞台中央から城田さんが登場し、デイビッド・ベノワの「Just like me」。城田さんの澄んだ声に、冬の空気、そして、チャーリー・ブラウンのピュアな心も伝わってくるように感じました。

「チャーリー・ブラウンのクリスマス」の物語の中で、クリスマスの商売主義を憂鬱に思っているチャーリー・ブラウンは、小さな木に出会います。彼は「これこそが自分たちのツリーだ」と、その木を選ぶのですが、やせっぽちでみすぼらしい木を仲間たちは笑います。しかし、「クリスマスとは何か」というチャーリー・ブラウンの問いに、ライナスが聖書の一節を暗唱して答えることで、子どもたちは本来のクリスマスの意味を知り、チャーリー・ブラウンも自身の気持ちが満たされるのでした。

「Just like me」では、このやせっぽちの小さな木に自分自身を重ねるチャーリー・ブラウンの心情が歌われているように思います。キリストの誕生を告げる星がまたたく空の下で歌われているようなステージに、「チャーリー・ブラウンのクリスマス」の物語のメッセージが重なりました。

さて、次に披露されたのは「Let it snow」。スヌーピーが登場し、城田さんの歌に合わせて踊ります。光の演出に雪を感じながら、城田さんもピーナッツの仲間たちになったかのような軽快なシーンに会場も盛り上がります。続いての曲は、ビーチの光景を想起させる「真夏の果実」(サザンオールスターズ)。「クリスマスは、日本は雪が降る寒い時期。東京の夜に、真夏のクリスマスがあったっていいんじゃないか」という城田さんの思いと共に、クリスマスのオーケストラアレンジで届けられました。

吹雪の雪景色のシーンを歌った「Let it snow」から「真夏の果実」へと、歌から感じる世界の温度感が一気に転換するのを感じました。ステージ上のクリスマスツリーと雪だるまを見ながら視覚からは冬を、歌を通して聴覚からは夏をキャッチし、双方をミックスしながら真夏の海辺で、サンタクロースがサーフィンをしている光景を想像するのは、とても新鮮でした。

ちなみに、この記事を書きながら、「南半球のクリスマス」を検索してみると、画像や記事がたくさん見つかりました。ほんの少しのことではありますが、今、ちょっぴり、南半球が近くなったような感覚があります。検索しながら、城田さんがインタビューの中でもおっしゃっていた「視野を広げよう」「区別や差別をしない」というメッセージを思い出しました。

撮影:石阪大輔
撮影:石阪大輔

続いて演奏されたのは、オーケストラとジャズ・トリオによる「Christmas is coming」。クリスマスの到来が告げられ、ステージは再び森へと戻り、東京公演のゲストボーカルである、清水美依紗さんの登場です。

城田さん、山崎育三郎さん、尾上松也さんの3名のユニットIMYによる「あいまい劇場 あくと 其の壱」(2021年)で舞台デビューされ、『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』『ビートルジュース』などミュージカルでも活躍されている清水さん。2023年5月17日に3番目のデジタルシングルとしてリリースされたオリジナル曲「Home」のクリスマスアレンジ、そして広瀬香美さんの「Promise」の2曲を続けて届けてくださいました。

亡くなられたお父様への気持ちが込められているとMCでおっしゃっていた「Home」。城田さんからクリスマスの思い出について問われ「家族で過ごして、家でクリスマスパーティーを。ケーキを食べたり、プレゼントを開けたり、歌を歌ったり」という清水さんの答えに、「Home」に込められている大切な時間を思いました。言葉をひとつひとつ届けてくださった「Home」と、ドラマティックな「Promise」。真っ直ぐに心に響く芯のある抜群の歌唱力が、ここからのコンサート後半、会場にまた新たな魔法をかけてくれます。

撮影:石阪大輔
撮影:石阪大輔

MCの後は、城田さんが舞台にスヌーピーと子どもたちのクワイアを呼び、全員でスペシャルクリスマスメドレー。「Winter wonderland」「Silent Night」「Santa Claus is Coming to Town」の3曲が届けられました。スヌーピーの森でみんなが出会ったような楽しいシーンに、クリスマス気分が高まります。

撮影:石阪大輔
撮影:石阪大輔

続いて、城田さんと清水さんのデュエットで「メリクリ」(BoA)。ステージの背景で光る流れ星のように、こぼれおちる光となって降り注ぐお二人の歌声に思わず願いを込めたくなります。静かに美しい、クリスマスのワンシーンが描かれました。

撮影:石阪大輔
撮影:石阪大輔

コンサートを締めくくるのは、『Magical Christmas Night』に向けて作られたオリジナルソング「夢の種〜I’ll be by your side」でした。「夢に年齢制限はない。コロナ禍の中で、夢や目標が遠くなってしまう現状を目の当たりにし、音楽で何かできることはないだろうかという思いから生まれた」と城田さんがおっしゃっていました。MCの中では、制作過程も明かされました。宮本さんが『PEANUTS』に出てくるフレーズや、スヌーピーに似合うキーワードをピックアップして書き出し、それを見ながら会話する中で、城田さんの中にインスピレーションが湧いてきたそうです。「(城田さんが)急に制作モードに入って、スイッチが切り替わって。スラスラといろんなフレーズが出てきて、私は急いで追いかけてコードをつけて。そうやって追いかけながらするすると曲が完成して。天才ってこういうことなんだなと思いました」(宮本)。

撮影:石阪大輔
撮影:石阪大輔

宮本さんのピアノと共に、城田さんとクワイアの歌声で届けられた「夢の種〜I’ll be by your side」。背景のツリーには、『PEANUTS』の仲間たちがアニメーションで映し出されます。「I’ll be by your side. You’ll be by my side. 僕がいるから。変わらずそばにいるから。君がいるから。必ずうまくいくから。こぼした涙の数だけ夢は強く育つから。」「だからね」と繰り返した先に、一度だけ歌詞に登場する「夢を咲かせよう」。ここが呼びかけになっているところに、寄り添ってくれる優しさを感じます。それぞれが抱く小さな夢も大きな夢も、一人で叶えるのではなく、みんなで互いに叶え合っているもの。もしも、自分には今夢がないとしても、いるだけで誰かの夢を叶えているのかもしれないなと、そんなふうに思ったりもしています。

アンコールは「Chiristmas time is here」と「Happy Christmas」。「Chiristmas time is here」は、「チャーリー・ブラウンのクリスマス」のメインテーマでもあります。背景のツリーにはステンドグラスのような映像も映し出され、教会を訪れたような荘厳な雰囲気も。チャーリー・ブラウンが探し続けた「クリスマス」の祈りのシーンのようでもありました。アンコール2曲目は、全員でジョン・レノンの「Happy Christmas」。歌詞の“War is over. If you want it, war is over now.”の部分を、客席からは「ららら」と一緒に歌いながら終演を迎え、最後まで幸せであたたかな魔法の時間に包まれたコンサートでした。

コンサートの終盤では、『Magical Christmas Night』全国ツアーが2024年に開催されることが発表されました。詳細は追ってリリースされるとのことです。2023年の「魔法の時間」は終わりましたが、私たちは、スヌーピーの森から夢の種を持ち帰りました。その種を大切に、再会を楽しみにしたいと思います。

撮影:石阪大輔
撮影:石阪大輔
「夢の種~I’ll be by your side」ティザー動画


<参考リンク>
billboard classics PEANUTS 70th Anniversary SNOOPY Premium Symphonic Christmas Concert
https://billboard-cc.com/snoopy70th
「ピーナッツ」70周スヌーピー・オーケストラ・コンサート 公演直前特集
https://www.billboard-japan.com/special/detail/3041
「チャーリー・ブラウンのクリスマス」など『PEANUTS』アニメーション作品
https://www.snoopy.co.jp/animation/


<セットリスト>
1. Overture(「Christmas Time Is Here 」「Christmas is Coming」「Linus & Lucy」):オーケストラ
2. Skating:オーケストラ、ジャズ・トリオ
3. そりすべり(Sleigh Ride):オーケストラ
4. Benjamin:オーケストラ、ジャズ・トリオ
5. Just like me:城田優、オーケストラ
6. Let it snow:城田優、オーケストラ、ジャズ・トリオ
7. 真夏の果実:城田優、オーケストラ
8. Christmas is Coming:オーケストラ、ジャズ・トリオ
9. Home:清水美依紗、オーケストラ
10. Promise:清水美依紗、オーケストラ、ジャズ・トリオ
11. 洋楽クリスマスメドレー(「Winter wonderland」「Silent Night」「Santa Claus is Coming to Town」):城田優、清水美依紗、オーケストラ、ジャズ・トリオ、クワイア
12. メリクリ:城田優、清水美依紗、オーケストラ
13. 夢の種〜I’ll be by your side〜:城田優、オーケストラ、クワイア
アンコール1. Christmas time is here:城田優、オーケストラ、クワイア
アンコール2. Happy Xmas (War Is Over):城田優、清水美依紗、オーケストラ、クワイア

<billboard classics × SNOOPY 『Magical Christmas Night』>
【兵庫公演】2023年12月3日(日) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール 
【東京公演】2023年12月24日(日) 昭和女子大学 人見記念講堂  
公式サイト
https://billboard-cc.com/snoopy2023

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<筆者プロフィール>村岡侑紀(むらおか・ゆき) 広告制作会社に入社し、企業ブランディングやコピーライティングを経験。その後、化粧品メーカーのマーケティング担当として多くのブランドを育成し、ベンチャー企業で広報も。ミュージカルや舞台作品そのものの魅力はもちろん、そこに携わる方々のことを伝えたい。 ⇒村岡侑紀さんの記事一覧はこちら

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