東京オペラシティ コンサートホールで2023年11月18日(土)に、大阪・梅田芸術劇場 メインホールで12月12日(火)に、アクトシティ浜松 大ホールで12月25日(月)に、りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 コンサートホールで、2024年1月14日(日)に、ウェスタ川越 大ホールで1月23日(火)に、岡山シンフォニーホール 大ホールで1月29日(月)に開催されるミュージカル & 映画音楽『ドリーム・キャラバン 2023』with シンフォニック・ジャズ・オーケストラコンサートで、岡山公演に出演する渡辺大輔さんと、新潟公演に出演する森崎ウィンさんのインタビュー後編です。
「下」の無料部分では、『ドリーム・キャラバン 2023』への出演が決まった時のそれぞれの思い、オーケストラとの共演について、思い入れのある曲とチャレンジ曲のことなどについてお話ししてくださった内容を紹介します。有料部分では、渡辺さんと森崎さんそれぞれの公演地である新潟県と岡山県で楽しみにしていること、そこから広がった渡辺さんから森崎さんへの「お米の炊き方」レクチャーの模様などをお届けします。
――『ドリーム・キャラバン 2023 with シンフォニック・ジャズ・オーケストラ』のお話を伺っていきたいのですが。おふたりはご出演の場所が新潟と岡山と違いますが、まず出演することについて、どんなお気持ちでしょうか?
渡辺:そもそも恐れ多いです。歌は好きですけど、コンサートやライブというよりは、ミュージカルとか役が乗り移って歌うことが好きなので、自分自身として歌うということがどうしてもまだ慣れない。多分、自分に自信がないんじゃないですかね。自信を持たなきゃいけないし、持つべきでもあるんですけど、自分の声があまり好きじゃないとか、自分の演技がすごく嫌いとか、そういうのがあるんですよ。それが顕著に出るのが、完全に歌だけのコンサートになりますし、だからそういう部分ですごく光栄ですしありがたいんですが、怖いなというのが正直な気持ちです。しかもフルオーケストラの皆さんでやりますので、余計にですね。フルオケで歌うのは、岡幸二郎さんのコンサート以来かなと思います。岡さんは東京フィルハーモニー交響楽団の方々を従えて、東京オペラシティで歌ったのですが、ちょうど『ロミオ&ジュリエット』をやっているあたりか、終わってから誘っていただきましたが、恐怖でしかなかったんです。
――東京フィルハーモニー交響楽団ってすごいですよね。演奏前に揃われた時のぴしっとした感じが客席にも伝わって、姿勢を正すというか。プライドを感じる楽団だなと感じました。
渡辺:リズムとかピッチとか、ちょっとでも外そうものなら……。「え? できんの? 歌ってごらん?」という感じで、恐怖でしかなかったんです。今回お誘いはいただいたんですけど、正直めっちゃ怖かったです。
――その時の記憶が残っているんですね。
渡辺:だから、そんなに大人数ではないバンドさんと一緒にやるなら、「あぁ……なんかアットホームな感じでできるな」と思うのですが、「完全なオケか……どうしよう……」とか思って。でも断ったりしたら、絶対に今後の話が来なくなりますから。
森崎:やらない人なんだ、と思われちゃいますよね。
渡辺:これも経験か、と思いました。でもやるからにはと思って、楽曲もご相談させていただいたのですが、ご提案くださった曲を「チャレンジします」という気持ちが前提にはありましたね。
――森崎さんはいかがですか?
森崎:フルオケで歌える機会は少ないですよね。僕の場合は自分でも音楽活動もやっているから、むしろ自分として歌うところから始まっているのですが、フルオケでの経験は積めないから、ラッキーだなと思いました。
――対極ですね。
森崎:ただ以前、広島のオケの皆さんとコラボみたいなことも1回あったんですが、おっしゃる通りオケの人たちってめっちゃ怖いじゃないですか。
――独特の空気がありますよね。
森崎:NHKでも映画音楽の番組があるんですが、それも現場に行くと、どわ~! といらして、皆さん少し前までマスクしているから表情も分からないし、「やべ~……」と思いながら行ったんです。でも、僕がどうこうというよりも、音が鳴ってその楽曲になった時に、皆さんが乗ってくるんですね。だから、「俺ができるできないというよりも、みんな根本的には音楽が好きなんだな」と。その時はノリノリの曲だったということもありますが、ドラムも乗ってきて。そういうこともあって、逆に僕の場合は、ひとりで歌い上げるような楽曲は、もしかしたら苦手なのかもしれません。でも、一緒に音楽をつくる瞬間は大事だと思いますので、「ありがとうございます!」「楽しみます!」みたいな気持ちです。
――歌唱予定の曲についてお聞かせください。ご紹介できる範囲ですと、渡辺さんは「時が来た」を歌われるんですね。
渡辺:「時が来た」との出会いは、岡さんの影響が大きいです。俺がよく歌っているのは、ミュージカル『ジキル&ハイド』で歌われているものとは別の、岡さんバージョンなので、歌詞が違うんです。
――ミュージカルで上演されているものと、歌詞が違うんですね?
渡辺:違います。そもそも俺が本格的に、歌というか、ミュージカルを本格的にやり始めたのは30歳を越えてからなんですよ。
森崎:そうなんですか。
渡辺:それまではミュージカルをやったことはあったけど、歌い上げるというのではなくて。偉大な先輩である岡幸二郎さんとの初共演は、『1789 -バスティーユの恋人たち-』でした。その後、『ロミオ&ジュリエット』では、俺の叔父上役だったから、そこでいろいろとアドバイスから厳しい言葉までをいただいて、認められて、さっき言ったオペラシティに「出てみるか?」と誘われたんです。その時に岡さんの「時が来た」を聴いて、これはいつか歌ってみたいと言いました。あと、中日劇場さんがなくなる年に上演された、『さよなら中日劇場 岡幸二郎 in ミュージカル・コンサート』にも、参加しているんです。その時にも歌わせていただいて、その時もフルオケだったんです。
森崎:コンサートはフルオケが多いですよね。
渡辺:その時に初めて岡さんから「すごくよかった」と言われたんです。「ここに来てやっと自分のものになったな」と初めて言われて。岡さんはあまり褒めない方なので、その時はめちゃくちゃ嬉しかったです。そのきっかけとしての楽曲だというので、思い入れが強い歌です。『ジキル&ハイド』に出演したことはないんですけど、自分の中ではずっと歌っていきたい楽曲です。岡さんから引き継ぐわけじゃないですけど、岡さん同様に俺も一緒に歌っていきたい楽曲でもあります。だからこそ歌詞に関してもこだわりがあって、作品で歌われているほうではなく、岡さんが歌われている歌詞でやっていきたいという思いが強いです。今回も入れさせていただきました。
――岡さんのお言葉を経てからの「時が来た」なんですね。
渡辺:そうです。
――森崎さんはどの曲をご紹介いただけますか?
森崎:「Defying Gravity」にします。
――『ウィキッド』の「Defying Gravity」を森崎さんが歌うのは新鮮ですね。
森崎:先日、WOWOWさんの番組で初めて歌ったんですが、イギリスに『レディ・プレイヤー1』の撮影で行った時に観たミュージカルが『ウィキッド』だったんです。「Defying Gravity」は一幕の終わりの曲ですが、その曲に感動して、「いつか歌いたい!」と思ってました。でも、キーとかも分からないしと思っていたんですが、この間番組でやって、ある程度バージョンが見えたなと思いました。日本語じゃなくて英語なんです。こういうコンサートがないと歌う機会がないので、もうちょっと自分のものにしたいなと思って、入れさせてもらいました。思い入れもある曲ですし、めちゃくちゃいい曲ですね。
――曲に出会った時のお話をしてくださいましたが、楽曲自体の力や、音楽的なこと、歌詞的なことについてはいかがでしょうか?
森崎:いろんなしがらみに対して「我が道を行くんだ!」、「ここから飛び立つんだ、私は!」という内容は、日本だけじゃないと思うんですけど、「みんなこうしてるから、自分もそうしなきゃ」とかという言葉って、すごくありふれているなと思うんです。でも「みんなしてるからやらなきゃいけないことなの?」という疑問もすごく抱いているんですよね。それってすごく怖いことでもあるし、いろんなバッシングとか壁でもあるんです。でも、僕が直感で感じて「こういう風にやりたいんだ、これが見えているんだ」ということに対して、自分を信じて突き進んでいく。それに対して僕を信じてくれる周りの人たちにも信頼を置いて、ちゃんとついていくということに、この楽曲がすごくヒットしたんですよね。
俺は間違っていない、と。もちろん、それが例えば犯罪とか、いろんな意味で社会的にだめなことになってくると話は変わってきます。「みんなこうしてるから、こうしなきゃいけないんだ」から、「こうしなきゃいけない時にそうしたからって、何が問題なんですか?」と。僕が歌うのは海外バージョンなんですが、そこの歌詞が大好きで、unlimited、無限大なんだと。そこでいきなり曲調が変調するんです。
渡辺:日本語にする時に変えたのかな?
森崎:尺的になくしたんだと思います。劇団四季が歌っているバージョンともまた歌詞が違っていて、だから日本語ではなく英語で歌いたいんです。そこの歌唱がめちゃくちゃ好きで、いろんなYouTubeを漁ってきて、「このバージョンでアレンジしてください!」とお願いして、その時にできたので、今回はその時を参考にお送りさせていただこうかなと。フルオケでやれる機会はなかなかないから、多分めちゃくちゃ「うわーっ!」となると思うんです。
俺の歌がなくても、オケだけでもやばいと思うので。難しいですけど、こういうライブは挑戦する場でもあると思っていて、特に俺はミュージカルの楽曲との出会いはまだ少ないですし、いい意味で自分の成長の場にもしたいなと思いますので、「挑戦させてください」ということと、自分が好きな曲を並べたという感じですね。
――お二人とも歌詞に拘っていらっしゃるんですね。
渡辺:「時が来た」と結構似ているね。とにかく抑え込んでいた自分から解き放たれるということ。個人的に俺は岡さんバージョンの歌詞だと、自分を奮い立たせてくれる歌詞になっているので、怖がっていても何も始まらないですし、踏み出して、自分で道を切り開いていかないと、何事も進んでいかない。だからそこに勇気と自信を持って。世界はこんなに明るくて、こんなに素晴らしいところなのに、今動き出さないと誰がやるんだ、と。そこに向かっていく姿勢というものに共感できる方はたくさんいらっしゃるんじゃないかなという歌詞になっているので、だからこそ俺はどうしてもこっちの歌詞にこだわってやりたいという思いがあります。いろんな方々がこの曲で勇気をもらったり、何かを始めるきっかけになればと思って、こちらの歌詞で歌い続けてきているというのはありますね。だから、言っていることはウィンとすごく似ているなと思いましたね。
――それぞれ、作品のキーになる楽曲ですものね。
渡辺:あとは完全にチャレンジの曲が俺にもあります。「ニューヨーク・ニューヨーク」を英語で歌うんです。
森崎:いいですね! 僕は新妻聖子さんと英語でデュエットもします。
渡辺:楽曲に入った時に、元々自分の中に持っているものが、ふたりは波長が合うと思う。多分、歌っていて楽しくなってくると思うよ。俺も聴いてみたいけど行けないからな。
<取材協力>
ヘアメイク:丸山晃穂(JYUNESU)
※アイデアニュース有料会員限定部分には、渡辺大輔さんと森崎ウィンさんそれぞれの公演地である新潟県と岡山県で楽しみにしていること、そこから広がった渡辺さんから森崎さんへの「お米の炊き方」レクチャーの模様などインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■森崎:最近、炊飯器を買って自炊を始めたんです。新潟で米を買って帰ろうかなと
■渡辺:夏場は、氷を入れて炊くとおいしくなる。配合を考えてみて 森崎:こだわりたい
■渡辺:全都道府県行くか宿泊するというのが夢。日本地図にどんどん印を入れている
■森崎:ぜひ来てください! 渡辺:純粋に、音楽を楽しみにきていただけることが一番
<ミュージカル & 映画音楽『ドリーム・キャラバン 2023』with シンフォニック・ジャズ・オーケストラ>
【東京公演】2023年11月18日(土) 東京オペラシティ コンサートホール
【大阪公演】2023年12月12日(火) 梅田芸術劇場 メインホール
【浜松公演】2023年12月25日(月) アクトシティ浜松 大ホール
【新潟公演】2024年1月14日(日) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
【川越公演】2024年1月23日(火) ウェスタ川越 大ホール
【岡山公演】2024年1月29日(月) 岡山シンフォニーホール 大ホール
公式サイト
http://www.jpma-jazz.or.jp/concert/dreamcaravan2023/top.html
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上下でいろんなお話聴けてとっても楽しかったです!読み応えありました。素敵な対談記事をありがとうございます!
コンサートで歌う曲聞いてますます楽しみに♪
ウィンくんと大ちゃん、またどこかで共演を観られたらいいな。。