近未来の「街」を訪れた天使が見たものは… 舞台「天使は瞳を閉じて」ルポ(上) | アイデアニュース

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近未来の「街」を訪れた天使が見たものは… 舞台「天使は瞳を閉じて」ルポ(上)

筆者: 達花和月 更新日: 2016年10月1日

鴻上尚史さん主宰「虚構の劇団」による「天使は瞳を閉じて」が、2016年8月5日から9月4日まで、東京・愛媛・兵庫で上演されました。1988年に「第三舞台」で初演され、その後何度かの再演を経て、「虚構の劇団」としては2011年以来5年ぶり2回目の再演となった「天使は瞳を閉じて」公演の様子を、「上」「下」2回に分けて詳しくレポートします。

「虚構の劇団『天使は瞳を閉じて』」公演より=写真提供・サードステージ

「虚構の劇団『天使は瞳を閉じて』」公演より=写真提供・サードステージ

■「放射線管理地区」に指定され、透明な壁で封鎖された地域に閉じ込められてしまった人々

物語の舞台は近未来の地球。「放射線管理地区」に指定されたとある土地が、今まさに「封鎖」されようとしている。住人、動物愛護の活動家、高額な報酬を受け取り怪しげな実験に参加しようとする人、過去の贖罪のために生きようとする人、生きる事に絶望した人、etc.がそれぞれの大儀のために、封鎖されようとしている土地に入ろうとし、早急な非難を呼びかける警官や電力会社の社員とすったもんだの押し問答となる。

やがて大きなサイレンの音とともに封鎖の刻限を過ぎると、人々は自分たちが透明な壁に閉じ込められて、外に出られなくなっていることに気がつく。政府と電力会社が秘密裏に開発したこの壁は、放射線を通さない特徴を持ち、出口はどこにも存在しないという。閉じ込められてしまった彼らは、一瞬パニックを起こすものの、なんとかなるさと言いながら、封鎖されたこの土地で新たな「街」をつくるのだと「放射線管理区域」の奥深くに消えていった。

■大地震が起きて人間がいなくなった地球。透明な壁に閉じ込められた人たちだけが残った

時が過ぎ、地球規模の大地震が起こり、世界中の発電所から漏れ出た放射線に汚染されて、地球上には人間がいなくなってしまう。「神」の存在も覚束ないそこには、二人の「天使」たちが居た。天使の任務は「見つめる」こと。人間が居なくなった今、彼らは自分たちの受け持ち区域にかろうじて生き残った、動物や昆虫の様子を日々報告しあっていた。

ある日、天使の一人が透明なドーム状の膜に覆われた「街」を見つけ、そこに人間たちが居ると報告する。彼らがその「街」へ降り立ってみると、そこは賑やかなパーティーの真っ最中だった。透明な膜に覆われた「街」。そこは高度なIT技術とマスメディア、ソーシャルメディア、あらゆるメディアが異様に発達していた……。

<虚構の劇団  第12回公演「天使は瞳を閉じて」> (この公演は終了しています)
【東京公演】2016 年8 月5 日(金)~14 日(日) :座・高円寺1
【愛媛公演】2016年8月20日~21日 あかがねミュージアム あかがね座(多目的ホール)
【関西公演】2016 年8 月26 日(金)~28 日(日) :AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)
【東京凱旋公演】 2016 年8 月31 日(水)~9 月4 日(日) :あうるすぽっと
【作・演出】鴻上尚史 【出演】上遠野太洸 鉢嶺杏奈 伊藤公一 佃井皆美 / 小沢道成 杉浦一輝 三上陽永 渡辺芳博 森田ひかり 木村美月 (虚構の劇団)

<関連サイト>
虚構の劇団  第12回「天使は瞳を閉じて」
虚構の劇団のページ

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汚染された地球に残った人々と天使の物語、虚構の劇団「天使は瞳を閉じて」5年ぶり再演へ
近未来の「街」を訪れた天使が見たものは… 舞台「天使は瞳を閉じて」ルポ(上)
重くなりがちな社会派のテーマを、笑える演出で 「天使は瞳を閉じて」ルポ(下)(10月2日掲載予定)

<ここからアイデアニュース有料会員限定部分>一部ネタバレを含みますので、この作品をご覧になったことのない方はご注意ください。公演レポートの「下」は、10月2日(日)に掲載する予定です。

■透明ドームの中で天使が見たのは、売れないロックンローラーの結婚パーティ

■クロスメディア戦略で大ヒット曲を出したユタカ(上遠野太洸)。しかし急速に忘れ去られ…

■何故こうなるのか訳が解らず、それでもユタカの味方であろうとするマリ(鉢嶺杏奈)の一途な姿

■立ちはだかる壁に挑戦し続けるユタカと、迂回路を探すケイ(佃井皆美)。その対処方法は対照的で

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<筆者プロフィール>達花和月(たちばな・かずき) 遠方の友人を誘って観たお芝居との出会いがきっかけで、演劇沼の住人に。ミュージカルからストレートプレイ、狂言ほか、さまざまな作品を観劇するうち、不思議なご縁でライターに。熱っぽく自らの仕事を語る舞台関係者の“熱”に、ワクワクドキドキを感じる日々。 ⇒達花和月さんの記事一覧はこちら

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