口から食べる楽しみを守りたい・愛情あふれるケーキが嚥下食レシピ大賞受賞! | アイデアニュース
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口から食べる楽しみを守りたい・愛情あふれるケーキが嚥下食レシピ大賞受賞!

筆者: 松中みどり 更新日: 2017年1月9日

 

アイデアニュースで紹介した介護関連の記事の中に、 目の当たりにした「管理栄養士による在宅訪問」の成果、オリーブオイルで体調改善 という、「食支援」を在宅介護の中心にすえて取り組む家族の物語がありました。2度の喉頭癌による嚥下障害で、普通の食事がとれないEさんのために、ご家族は、飲み込みやすい形状を工夫することはもちろん、目でも楽しめる工夫をして食事を作っておられます。今回、Eさんの娘さんのSさんが作った「Happy ミニロール Cake Tower!!」が、2016年12月9日に発表された「第7回 トロミ剤ソフティアを使った嚥下食レシピ大賞」エピソード部門のレシピ大賞を受賞したというニュースが入ってきましたので、ご紹介します。この下の写真に写っている素敵なデザートが、エピソード部門の大賞を受けた「Happy ミニロール Cake Tower!!」です。口の中に入れると口の温度でスーッと溶けますが、トロミ剤でコーティングしているので、形状がばらけず飲み込みやすいケーキは、誤嚥しにくいものに仕上がっています。

 

「第7回ソフティアを使った嚥下食レシピ大賞」<エピソード部門>大賞受賞Happy ミニロール Cake Tower!!

「第7回ソフティアを使った嚥下食レシピ大賞」<エピソード部門>大賞受賞Happy ミニロール Cake Tower!!

 

読者の皆さんにとって「嚥下障害」という言葉は、耳慣れないものかもしれません。私たちは、食べ物を認識し、口に入れ、噛んで、飲みこむという一連の動作を当たり前に毎日行っています。この動作のうち、「飲み込む」という動作が「嚥下(えんげ)」です。加齢や病気によって、この動作が困難になってくるのは、例えばお正月に「餅を喉に詰まらせて緊急搬送」される人のニュースなどでもよく分かると思います。年を取ったら、あるいは病気になったら、安全のためにお餅や飲み込みにくい食材は避けるべき?でも、好きなものを食べたいという気持ちや、家族に好きなものを食べてもらいたいという気持ちは、誰もが持っています。

 

大賞を受賞したこのケーキは、

 

大切な家族のお誕生日には、一緒にお祝いしたい。

おじいちゃん、おばあちゃんも子や孫と一緒に食べて欲しい。

生きる喜びを味わってほしい。

障害があって食べることが困難な子どもさんやご両親にも食べる幸せと

モチベーションを届けたい。

 

そんな想いで作られました。原則として施設や病院の専門職の方が対象のコンテストで、患者の家族であるSさんが受賞したのは、成績優秀だったのはもちろん、こうした想いが評価されたからでしょう。かぼちゃ、抹茶、ココア、クランベリー、紫いもを使った可愛いケーキは、水玉やラインが模様に入って心浮き立つようなデザイン。スポンジケーキと牛乳、生クリーム、トロミ剤を一緒にしてペースト状のベースを作って、野菜のペーストで色付けし、冷蔵庫で冷やし固める本格的なデザートの手法を使ったケーキは、お祝いの席にふさわしい出来栄えです。安心して食べられる安全な食材に、トロミ剤を使うことで食べやすさを追求したデザートになっています。2017年2月の東京での授賞式には、一家で出席する予定とのこと。受賞した専門の方々に交じって、Sさんも家庭での嚥下食の取り組みについて発表されるそうです。

 

超高齢化社会を迎えている日本において、嚥下食のことを皆さんにもっと知ってもらいたいですし、トロミ剤を使って調理することが「当たり前の知識」として広がって欲しいです。トロミ剤は高齢の方だけでなく、小さなお子さんがのどを詰まらせるような事故も防ぐことができるアイテム。嚥下食は、工夫次第で多くの人が利用できる可能性をもっているのです。

 

Eさんの食事作りに使っているトロミ剤=撮影・松中みどり

Eさんの食事作りに使っているトロミ剤=撮影・松中みどり

 

「管理栄養士さんにトロミ剤を使ったおもち風の嚥下食の作り方を教わったので、父はお雑煮を食べました」とSさん。家族で過ごすお祝いの食卓で、同じメニューを食べられることは、まさに食のバリアフリーです。

 

嚥下食レシピ大賞については以下のページをご覧ください

 

Eさんのお粥にはオリーブオイルとバシルが入り、イタリア料理のようです=撮影・松中みどり

Eさんのお粥にはオリーブオイルとバシルが入り、イタリア料理のようです=撮影・松中みどり

 

7年半、筆者が自宅で介護してきた義父は、脊髄損傷のため、首から下の自由を失い嚥下困難がありました。介護の後半には嚥下障害が進み、刻み食からゼリー状の滑らかなものしか食べられなくなりました。終末期には誤嚥性肺炎を繰り返し、口からものを食べることが出来なくなって亡くなったのです。Eさんの在宅介護の様子を拝見し、特に娘のSさんの精力的な情報収集と、少しでも食べやすく美味しいものを用意しようとする姿勢に触れると、あの時私たち家族も、もっと出来ることがあったのではないかと思います。だからこそ、ひとりでも多くの患者さんとその家族に、在宅介護における食支援の新しい考え方、進化している取り組みについてお伝えしたいと考える次第です。

 

Eさんの嚥下状態を確認する言語聴覚士さん=写真提供Sさん

Eさんの嚥下状態を確認する言語聴覚士さん=写真提供Sさん

 

ここからはアイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分です。本人、家族、医師、看護師、理学療法士、言語聴覚士、作業療法士、歯科医師、管理栄養士、ケアマネージャーなどの力を結集した「多職種連携」によって、納得のいくオーダーメイド医療を実現していくことについてご紹介します。義父の在宅介護中にこのような考え方を知りたかったと思っています。

 

◆アイデアニュースに掲載した介護・医療関連の記事は、この下のリンクをクリックすると出てきます。
アイデアニュース:介護・医療記事一覧 http://ideanews.jp/archives/category/society/care-medical

 

 

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分では、Eさんのように自宅で過ごす人のために、地域の医療施設、福祉施設、訪問介護ステーションなどが力を合わせ、栄養管理を一体となっておこなっている「地域一体型NST」について、紹介します。

 

<有料会員限定部分の小見出し>

 

■言語聴覚士(ST)による訪問リハビリ、管理栄養士の訪問サービスでEさんの「食支援」がスタート

 

■医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、事務などが協力するNST

 

■クッション「p!nto」でEさんの姿勢が劇的に変化、「わたなべクリニック」が在宅NSTの中心に

 

■内視鏡を使った検査を自宅で行い、それを医療メンバーが観察し、今後のリハビリを検討

 

■検査出来る医療機関や、嚥下食対応の飲食店などが見つかる「摂食嚥下関連医療資源マップ」

 

■食支援の情報共有、口から食べるリハビリの集大成が、嚥下食レシピ大賞の受賞に

 

 

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<筆者プロフィール>松中みどり(まつなか・みどり) フィリピン支援ボランティア/英語講師/ライター 初めて行った外国がフィリピンで、以来かの国の人々の明るさ温かさに魅せられ、様々なNGOや支援活動に関わる。1994年からは山岳先住民アエタの教育支援主催。コミュニケーションツールとしての英語を各地で教えている。動物好きの自称「ケモノバカ」。飼い猫は黒猫で親バカ度も加速中。 ⇒松中みどりさんの記事一覧はこちら

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