ミュージカル『ビリー・エリオット』の東京公演が、2024年7月27日(土)から10月26日(土)まで東京・東京建物Brillia HALL で、11月9日(土)から11月24日(日)まで大阪・SkyシアターMBSで上演されます。
本作は、日本では2017年に初演が開幕し、オーディションを経て選ばれたビリー・エリオットと実力派揃いの大人キャストを迎え、おおよそ4ヶ月に渡る東京・大阪でのロングラン公演を達成しました。約16万人の観客を熱狂させ日本の演劇界にも大旋風を巻き起こし、菊田一夫演劇大賞や読売演劇賞選考委員特別賞など多くの演劇賞を受賞しています。2020年は新型コロナウィルスの影響による一部中止を乗り越えて上演され、観客に明るい希望をもたらしました。そんな珠玉のミュージカルが、新たなビリーとともに4年ぶりに帰ってきます。約1年にわたりバレエ、演技、タップダンス、器械体操、歌唱など、様々なジャンルのレッスンを重ね、厳しいオーディションで選び抜かれた少年たちがビリー役に挑みます。アイデアニュースでは、ビリーの兄であるトニーを演じる西川大貴さん(Wキャスト:吉田広大さん)にインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。
「上」では、作品の魅力、トニーという役についてのお話などを紹介します。「下」では、4人のビリーそれぞれの魅力、西川さんが制作された『雨が止まない世界なら』のお話や、ダブルキャストの吉田さんのお話などを紹介します。
ーーお稽古はいかがですか?
現在、約3週間に渡る舞台稽古の最中ですが、日本での通常の舞台稽古とは大きく違いますね。 1ブロックに1日かけて進んでいるような感じなんです。でも、そうする必要が確実にあるというか。ビリーもマイケルも4人いますし、子ども達も沢山いるので、シーンをしっかりと確認しながら進むんです。1つのシーンを2日に分けて進める事もあるぐらいです。
ーー作品をご覧になったことがあると伺っていますが、今回、実際にご出演となって、作品について見えてきたものなどに変化はありましたか?
もちろん発見はたくさんあります。参加する前からこの作品のことは大好きでしたので、その想いは強くなる一方です。演出の巧みさなども以前から感じていましたが、今回参加して改めてすごいなと思った点は、クリエイターの細かいこだわりが沢山詰め込まれているのに、舞台で見るとあたかも「自然とそうなった」みたいに見える作りになっているところですかね。
ーー先日も「名作すぎる」とポストされていましたよね。
マジで名作すぎるんです。以前から思っていたのですが、こんなにも全世代を取りこぼさず、ミュージカルの三大要素である音楽・ダンス・物語の全てで10点満点をたたき出す作品って、他にあまり思い当たらないんです。 「好きな作品だな」「音楽がめっちゃ素敵だな」と思ったとしても、「ダンスシーンは少ないな」と思ったりとか、エンターテインメント性はバーンとあっても、ドラマの部分が薄い作品とか。ミュージカルだとやはり音楽の力に頼った作品も多いというか、芝居の部分はどうしてもストレートプレイに比べてちょっと弱いと感じる事もあります。でも『ビリー・エリオット』は、最高のバランスで成り立っていると思うんですよね。子どもと親世代だけではなく、おばあちゃん世代も含む3世代にわたる話であり、炭鉱であったり、コミュニティの話でもあるから、ただの「子ども向けミュージカル」でもない。そう考えると、いや、すごくないですか?と。
ーー改めてその観点で考えると、確かに全部揃っている作品ですし、エンターテインメント性の部分に関してもすごいですよね。
本当に、欠けているところがないんですよね。最後のフィナーレとBOWSですが、この作品は、そこも含めて本編みたいなところがあって。先生やお母さんとお父さんが一緒に踊ったりするところとか、作品の世界では虚構かもしれませんが、そのフィナーレがあることで救われる部分があるところも、めちゃくちゃ計算し尽くされてるというか。他にもクリエイターのこだわりでいえば、幕が閉まる時に最後まで手を振っていい子どもはこの子だけとかも決まっていたりするんですよ。
ーーそこまで決まってるんですね。
そうなんです。なのに、登場人物たちが自然体に見えるところがすごい。先に動きやステージングが決まっていて、その結果中身がなかなか繋がらないみたいなミュージカル作品も多いとおもうんですが、この作品は動きが決まっていたとしても、全部リアリティに基づいていて、「なぜこうなのか」ということに対する答えがあるんです。
ーーその作品に、トニーとして入られて、人物像についての見え方が変わったところもありましたか? いま、どのように役を捉えて取り組んでいらっしゃるのか、西川さんの目線でのお話を伺えたらと思います。
漠然とですが、炭鉱夫の役なので、比較的ガッチリしたというか身体がデカい人じゃないと厳しくないか?なんて思っていたんです。でもこうして役を演じる機会を与えていただいたので、僕に出来ることは、トニーとしてしっかり実感を持って舞台に立つ事。それだけを考えてますね。あとは、「ビリーの兄貴」としてちゃんとそこにいたいという思いがあります。でも、いわゆる兄弟愛を描いてるシーンはあまりないんですよ。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、トニーという役についてのお話などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。インタビュー「下」では、4人のビリーそれぞれの魅力、西川さんが制作された『雨が止まない世界なら』のお話や、ダブルキャストの吉田広大さんのお話などを紹介します。などインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■当時のイギリスでは、子どもに対して、ベタベタしない。その中でのトニーとビリー
■トニーにとって炭鉱夫というのは、本人のアイデンティティというか夢でもある
■「自分がどうあれば」という思いを抱えたトニー。喪失感を拭えていない
■トニーはずっと怒っている。ビリーも含め「当然こうあるべき」ことが問題だらけ
<ミュージカル『ビリー・エリオット』>
【オープニング公演】2024年7月27日(土)~8月1日(木) 東京建物Brillia HALL (豊島区立芸術文化劇場)
【東京公演】2024年8月2日(金)~10月26日(土) 東京建物Brillia HALL (豊島区立芸術文化劇場)
【大阪公演】2024年11月9日(土)~11月24日(日) SkyシアターMBS
公式サイト
https://billy2024.com
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