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嚥下障害があっても食べられるフランス料理のフルコース

筆者: 松中みどり 更新日: 2019年7月5日

2015年、フランス料理のオリンピック「ボキューズドール」に日本代表として出場し、世界第5位となったシェフ・高山英紀さんのレストラン「メゾン・ド・タカ芦屋」で食べることが出来る「嚥下食」コースのレポートです。

2019年6月30日「メゾン・ド・タカ芦屋」にて 夏の果物を使ったタルト 上が同じものを調整した嚥下食 =撮影・松中みどり

2019年6月30日「メゾン・ド・タカ芦屋」にて 夏の果物を使ったタルト 上が同じものを調整した嚥下食 =撮影・松中みどり

芦屋川のほとりにある瀟洒な邸宅風のレストランでいただく高山シェフのお料理は、味も見た目も超一流です。美食の頂点を追求している高山シェフですが、彼にはもうひとつ、探求しているものがありました。飲み込む力が弱くなった年配の方や、嚥下障害のある方においしく食べてもらう料理です。トロミ剤などを用いず、食材の特性を活かして、食べた人がみんな笑顔になるユニバーサルな「嚥下食」なのです。

嚥下食に関しては、以前レポートしたこちらの記事を参照下さい⇒ 口から食べる楽しみを守りたい・愛情あふれるケーキが嚥下食レシピ大賞受賞!

今回、高山シェフのレストラン「メゾン・ド・タカ芦屋」で、嚥下障害のある方もそうでない方も一緒に食事を楽しむことが出来るという情報をくれたのも、上の記事で紹介したEさんご一家です。管理栄養士の指導を受けて、安心して食べられる家庭料理を楽しんでいるEさんですが、たまには家族で外食も楽しみたいのが当たり前。高山シェフのお料理を、嚥下障害のあるEさんも、お連れ合いや娘さんが食べる通常コースとほぼ同じ内容で楽しめるというわけで、その嬉しいランチに筆者も同行してきた次第です。

2019年6月30日「メゾン・ド・タカ芦屋」にて アミューズ 上が同じものを調整した嚥下食:真ん中のパイ風のものは省かれた =撮影・松中みどり

2019年6月30日「メゾン・ド・タカ芦屋」にて アミューズ 上が同じものを調整した嚥下食:真ん中のパイ風のものは省かれた =撮影・松中みどり

ウエディングも出来るという美しい中庭を眺めながらテーブルにつくと、高山シェフが挨拶に来られました。

高山シェフ:アミューズを召し上がっていただいて、食べられるかどうかの確認をしながら、次の料理を調整していきます。パイ生地のもの(写真下真ん中)は省略しましたが、チーズのババロア(写真上左)は、上に乗せた生ハムのパウダーを省いていますので十分召し上がっていただけると思います。トマトは、出汁に浸して炊いてから、ゼラチンで覆ってあります。上の飾りは取ってありますが、口の中でパンッとはねるような食感を楽しんでいただくものですから、お父様が召し上がれるかどうか、確認してください。

この後のお料理すべてにおいて、シェフの目配りがきいていて、Eさんも最後まで笑顔で完食。食べられるかどうかの確認のため、新しいお料理が出るごとにテーブルまで来られた高山シェフでした。

高山シェフ:ユニバーサルな嚥下食メニューは専門知識が必要になるので最終調整は私が行いたいと考えています。当店のフルコースは5800円からになるので、お値段は今の所、ムース食であれば5000円程度に押さえて一人でも多くの方に召し上がって頂きたいと思っております。

高山シェフは、兵庫医科大学の道免和久・リハビリテーション医学主任教授と共同開発した介護食を手がけています。専門家による医学的な後ろ盾と、一流シェフの技術が、安心して食べられるユニバーサルでおいしい料理につながっているのです。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、ランチコースで出された他のお料理の写真と、今回感動したパンのムースのコツなどを掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■シェフのサインが入ったメニュー表

■トウモロコシのスープ~幸せのスープ~

■驚きのメイン料理

■パンのムースのコツ

<関連リンク>

メゾン・ド・タカ芦屋ホームページ
http://maisondetaka.jp/

たかやマルシェ: 高山シェフプロデュース テイクアウト専門店
http://takayamarche.jp/?mode=f2

蔵マルシェ: 介護食品
https://kuramarche.com/

楽天市場 蔵マルシェ 高山シェフのスープ購入ページ

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<筆者プロフィール>松中みどり(まつなか・みどり) フィリピン支援ボランティア/英語講師/ライター 初めて行った外国がフィリピンで、以来かの国の人々の明るさ温かさに魅せられ、様々なNGOや支援活動に関わる。1994年からは山岳先住民アエタの教育支援主宰。コミュニケーションツールとしての英語を各地で教えている。動物好きの自称「ケモノバカ」。飼い猫は黒猫で親バカ度も加速中。 ⇒松中みどりさんの記事一覧はこちら

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