「死ぬときも『見て見て』と人に見せたいかも(笑)」、駒田一インタビュー(下) | アイデアニュース

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「死ぬときも『見て見て』と人に見せたいかも(笑)」、駒田一インタビュー(下)

筆者: 米満ゆうこ 更新日: 2019年8月6日

2019年9月7日に大阪のフェスティバルホールで開幕するミュージカル『ラ・マンチャの男』(宮城、愛知、東京公演あり)で、ドン・キホーテの従僕、サンチョ・パンサを演じる駒田さんのインタビュー、後半です。おなじみの役となった『レ・ミゼラブル』のテナルディエや、『ミス・サイゴン』のエンジニア、来年40年になる役者人生について話を聞きました。

駒田一さん=撮影・山本尚侍

駒田一さん=撮影・山本尚侍

――『レ・ミゼラブル』のテナルディエは2003年から演じられ、今年で11度目となります。テナルディエはひどい人物であるように見えますが、どう思われますか。

フランス革命時の貧困の時代で、テナルディエは下水道の死体から遺品をかっぱらって生きている。実をいうと、あの時代は皆、やっていることなんです。テナルディエが特殊ではなく、アンジョルラスが特殊なんです。ジャベールは偏狂すぎますが。テナルディエ夫婦があのころの市民の代表だと演出家に言われました。「銀座で石を投げてごらん、ジャン・バルジャンやアンジョルラス、マリウスには当たらないよ。テナルディエにはいっぱい当たる。生き延びるために何でもやる市民がたくさんいたんです」と。

――なるほど、そうですか。

あの作品の中で、マリウス&コゼットと、テナルディエ夫妻以外は皆、死んでいるじゃないですか。だから最後のシーンのエピローグでは、天に召された人だけが歌う。自殺すると天国に行けないから、ジャベールも出てないんです。

――キャラクターに善人が多いからこそ、テナルディエ夫妻の悪人ぶりが際立ちます。

際立たせるために、ああいう風に描かれたんでしょうね。作品が重くて暗い中で、テナルディエ夫妻はお客さまの心を和ませる役割もあるんです。あの作品の中で、第4の壁(編集部注:観客と舞台の間にあるとされる透明な壁のこと)を破って、お客さまと対等に会話をしているのはテナルディエだけなんですよ。

――『ラ・マンチャの男』のサンチョもそうですね。

そうです。二人とも生き延びるために必死に生きている。『ミス・サイゴン』のエンジニアもそうです。製作・プロデューサーのキャメロン・マッキントッシュさんも同じことを言っています。エンジニアは人を傷つけてまでして生き延びる。人を利用してアメリカに行きたい。でも、エンジニアも第4の壁を破りお客さまと対等に話す役なんです。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、『レ・ミゼラブル』の公演前に毎日行っているミーティングの様子や、『ミス・サイゴン』のエンジニア役について、駒田さんが来年、役者人生40年を迎えられることなどについてうかがったインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■『レ・ミゼラブル』は毎公演始まる前に「こうしてみよう」というミーティングがある

■『ミス・サイゴン』のエンジニアは、いけてない派のドブネズミ。でも熱い血が通っている

■(伊礼彼方さんと東山義久さんが新たにエンジニア)意識しないと言ったら嘘になります

■『ラ・マンチャの男』、歴史ある作品で、楽しんで演じています。ぜひ見ていただきたい

<ミュージカル『ラ・マンチャの男』>
【大阪公演】2019年9月7日(土)~9月12日(木) フェスティバルホール
【宮城公演】2019年9月21日(土)~9月23日(月) 東京エレクトロンホール宮城
【愛知公演】2019年9月27日(金)~9月29日 (日) 愛知県芸術劇場大ホール
【東京公演】2019年10月4日(金)~10月27日(日) 帝国劇場
公式サイト
https://www.tohostage.com/lamancha/
大阪公演特設サイト
https://www.umegei.com/lamancha/

<関連サイト>
駒田一オフィシャルブログ「駒田一の酔いどれときどき日記」
https://ameblo.jp/hajipyon/
駒田一:Victor Music Arts
http://www.victormusicarts.jp/hajimekomada_pro/

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駒田一さん=撮影・山本尚侍

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<筆者プロフィール>米満ゆうこ(よねみつ・ゆうこ) 大阪府出身。「アート」をテーマに国内外の舞台を中心に取材・執筆をしている。ブロードウェイの観劇は長期にわたり、脚本家や演出家、俳優たちに現地でも取材。作品を追っかけたり、芸術家にインタビューしたりすることが、原動力であり、救いにもなっていると最近、実感する日々。⇒米満ゆうこさんの記事一覧

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