2023年7月8日(土)から7月17日(月・祝)に東京・パルテノン多摩 大ホールで、8月19日(土)に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで上演されるギリシャ悲劇の大作『オイディプス王』で、主役のオイディプス王を演じる三浦涼介さんのインタビュー後編です。
「下」では、この作品に今出会えたことに対しての想い、「演じる」とはご自身にとってどういうことなのか、「三浦さんのオイディプス王を見せて欲しい」という石丸さんの言葉に応えたいという想いなどについてお話ししてくださった内容と、お客さまへのメッセージを紹介します。
ーー台本を読む前にいろいろと調べたのですが、この戯曲が書かれたのは紀元前427年頃ですよね。すごいなと思いました。現代の感覚で読むと、ギリシアの神々の神話を読むのと同じくらい昔のようというか。そのあたりはどう感じていますか?
その時代にこんな戯曲ができたいたということが信じられないですよね。僕はこういう仕事をしていることもあって、「難しい」と思うと嫌いになっちゃうから、難しく考えないようにしています。どんな仕事もどんな作品も、嫌いだなと思わないようにくぐり抜けてきているのかなと思います。シェイクスピア作品に出た時には、台本がもっと分厚かったりもしたんですよ。
ーー今回、台本の厚さは、物理的には薄めですよね?
時間も、本読みの段階で1時間半くらいでした。ぎゅっと詰まっているので、きっと、観ていただくとあっという間の時間だと思います。言葉が難しいとか、セリフが大量だなとは思いますが、内容は、わからなくはないというか、「人間ぽいな、そうだよな」というふうになんとなく思える部分もあります。あとは、文自体がこの作品を支配しているんですが、その文に対しても、感慨深いと感じることがあります。
ーーお芝居については、今、どんなことを思っていますか?
迷宮入りですね。僕、これやったら、これ以上もこれ以下ももう、二度とないと思います。
ーーえー!?
いままで20年間このお仕事をしてきて、このタイミングでこの作品に出会えたことは、とんでもないことだし、すごいことだと思います。
ーー改めて、そんな作品において「役を演じる」ってどういう感覚ですか?
三浦涼介として、こうやって語ることもそうだし、表現することも難しかったりと、自分の中で、自信を持てない部分がずっとあって。でも、役を通して自分の身体を通して吐けることだったり、どの役でも変わらずに、いろいろな体験をさせてもらえるんです。役のおかげで強くなれるとか、優しさに触れられるとか、そうやって知ったことによって、良くも悪くもかもしれないけど、私生活も変わったりだとか。役を演じたからこそ、知識を持てたり、知ったこともたくさんあって、僕自身と切っても切れないんだと思います。僕がもし、この仕事を辞めたとしても、プライベートでエチュードとかやっちゃうかも(笑)。
<取材協力>
ヘアメイク:春山聡子 スタイリング:村瀬昌広
※アイデアニュース有料会員限定部分には、「演じる」とはご自身にとってどういうことなのか、「三浦さんのオイディプス王を見せて欲しい」という石丸さんの言葉に応えたいという想いなどについてお話ししてくださった内容やお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■「演じる」とは自分から離れて表現することだけど、自分とすごく向き合う感覚
■三歩も四歩も上へ行きたいし、芝居ももっと勉強したいと思う中で出会った作品
■「あなたが生きてきたその人生のオイディプス王」を見せてほしいと、石丸さんが
■悲劇ではあるが、希望を持って帰っていただける作品にしたい。観て、感じてほしい
<『オイディプス王』>
【東京公演】2023年7月8日(土)~7月17日(月・祝) パルテノン多摩 大ホール
【兵庫公演】2023年8月19日(土) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
公式サイト
https://www.oedipus.jp
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上下ともに、とても興味深く有意義な記事と美しいお写真(それも沢山!)、ありがとうございます。
これまでの20年間と、裸になる感覚…三浦さんにしか出来ないオイディプス王が絶対そこには有りますし、それだけの覚悟で臨む表現を観られることが、とても幸せです。
楽しみがさらに募るインタビューでした!無事に幕が開けて、最後まで駆け抜けられますように。