シンる・ひま オリジナ・る ミュージカ・る『ながされ・る君へ〜足利尊氏大変記〜』が、12月28日(木)から31日(日)まで明治座で上演されます。世界に誇れる「日本人」そして「日本の歴史」を面白可笑しくシュールに上演してきた本シリーズは、“面白おかしく、そしてなんとなく歴史が学べる舞台公演“として人気を博し、演劇界の新ジャンルとして、「祭シリーズ」という名で定着しました。2011年の初演から丸12年、13作目に突入することになった2023年の本作は、鎌倉末期から室町初期までのたくさんの戦が描かれた軍記もので、戦国武将たちが兵法書として読んだと言われる「太平記」を元にしたオリジナルミュージカルです。
アイデアニュースでは、足利尊氏を演じる相葉裕樹さんと、高師直を演じる上口耕平さんの対談を、上下に分けてお届けします。「上」では、今回親友役で共演すること、久しぶりの祭シリーズへの出演について、今年は恒例だったカウントダウンが3年ぶりに復活することへの想い、祭シリーズの作風の変化のことなどについてお話ししてくださった内容を紹介します。「下」では、作中で描かれる足利尊氏、高師直それぞれの役について、相葉さん、上口さんご自身と役がリンクするということ、お互いの関係性も役同士の関係性にリンクさせたいというお話と、お客様へのメッセージを紹介します。
ーー共演はお久しぶりと伺いましたが、親友役で共演することについてはいかがですか?
上口:めちゃくちゃ嬉しいです。何度か共演していますが、役柄的にあまり関わらなくて、会話をたくさんすることもなかったですし。
――共演しても、一緒に芝居を作ることがなかったんですね。
上口:今回、やっと一緒にお芝居できるな、ちゃんと絡めるなという感じですね。
――相葉さんはいかがでしょうか?
相葉:おっしゃる通りで、今回はがっつり芝居やミュージカルで絡むとなると、一緒に歌ったりもするだろうし、お芝居の中で言葉を交わすだろうしと。ちょっとこっぱずかしい部分がありつつも、楽しみですし、心強いですね。耕平くんのほうがちょっぴりお兄ちゃんなので。
上口:あんまり変わらへんけどな。
――何歳違いですか?
上口:ふたつです。もっと離れてると思ったんですよ。ふたつか…「変わんないじゃないか!」と思いました(笑)。
相葉:でもやっぱりお兄ちゃんですよ。僕は末っ子気質なところがあるなと。
上口:ハハハ!
相葉:だから多分、困ったら頼っちゃうんだろうなと。稽古も結構タイトで、3週間くらいしかないから。
上口:そうだね。
相葉:稽古中は忙しい感じになるだろうなと思いますし。そうなると、信頼できる方がそばにいてくれるのは、やっぱり心強いし嬉しいですね。
――「祭シリーズ」へのご出演が、相葉さんは12年ぶり、上口さんは9年ぶりと伺いましたが、離れたところからは、このシリーズをどのように思っていましたか?
相葉:第1回目はサンシャイン劇場だったんです。
上口:へぇ~!
相葉:その時にすごいなと思ったのは、「日に日に当日券に並ぶ人が増えています」と制作さんから聞いたことです。千穐楽では、数百人並んだそうです。
上口:うわっ! すごい!
相葉:そうらしいんです。
――それはもはや伝説ですね!
相葉:目撃したわけじゃないので、「わぁ!そうなんですね!」って。そういう作品が12年、13年と続いているのは本当に嬉しいことだなと思いますし、楽しそうに演じられているというか、毎年すごいことだなと思います。もちろん、る・ひまさんの愛も感じるんですが、明治座さんの愛もすごく感じるなと。必ずその期間は劇場を空けておくというか、抑えるようにしているというのは、もうずぶずぶなんだと(笑)。「今年は違う人がカウントダウンする」ということがないんですから。
――確かに、他の方がされてもいいわけですからね。
相葉:劇場がカウントダウンをするという粋な計らいって、やっぱりすごいなと思って。恒例になっていますが、歴史ある劇場がそういうことをされるという、当たり前じゃないことを毎年やっているんですよね。そんなふうに、この祭シリーズに対する愛を、外からは見ていました。
――上口さんは2014年の「聖☆明治座・るの祭典」にご出演されているんですね。
上口:はい。いつも楽しみにされている方がいらっしゃるのは分かっていたので、毎年盛り上がっている様子を見ると、嬉しかったですね。ここ数年、演劇がいろんな影響を受ける事態になっているじゃないですか。その中でも毎年「明治座の年末はこれだ」とずっと続けていることはすごいと思います。
相葉:すごいよね。
上口:「今年はなかったんだ」という年がないですよね。
――そして今年は、この3年間なかったカウントダウンが復活するということですが。
相葉:3年ぶりなんですね。
上口:コロナ入ってからだね。
相葉:じゃあ、コロナ明け一発目ということですね。
上口:これは記念すべきことですよ。
相葉:ペンライトも振って、声も出していいよということですね。
相葉・上口:楽しんでいただけるね!
――カウントダウンは、いかがですか?
上口:久々です。カウントダウンで舞台の上で過ごすのは、シリーズに出演した2014年が最後ですね。その非日常空間は、やっぱり特別です。深夜にハイになった状態で、みんなで年を越せる、しかも明治座という歴史ある劇場で幕を開けることができるというのがすごいですよね。
相葉:すごい! 150周年ですって!
上口:すごいよ! もう初詣にも行かなくていいんじゃないかと思います。
――明治座がむしろ神社みたいな(笑)。
相葉:こんなにめでたいことはないですよ。
上口:しかも新しい時代の幕開けという感覚があるじゃないですか。3年間できなくて、復活の第1回目になる。またできること、みんなで一緒に共有できて、一緒に過ごせるということが、めちゃくちゃ嬉しいですね。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、今年は恒例だったカウントダウンが3年ぶりに復活することへの想い、祭シリーズの作風の変化のことについてお話ししてくださった内容などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。14日掲載予定のインタビュー「下」では、作中で描かれる足利尊氏、高師直それぞれの役について、相葉さん、上口さんご自身と役がリンクするということ、お互いの関係性も役同士の関係性にリンクさせたいというお話やお客様へのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■上口:「大切なものをずっと残したまま」なのは、すごく愛おしいことだなと思う
■上口:今回のメンバーを見ると、「祭」要素もミュージカル要素もどちらも強そう
■相葉:今回の「祭」は、人数も一番少ない。ひとりひとりの力がより一層必要になる
■上口:今回の「祭」は、すごく複雑な時代が舞台。作り甲斐・解釈のし甲斐がある
<シンる・ひま オリジナ・る ミュージカ・る『ながされ・る君へ~足利尊氏太変記~』>
【東京公演】2023年12月28日(木)~12月31日(日) 明治座
公式サイト
https://taihenki.com
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相葉さんと上口さんのインタビュー、楽しく拝見しました。