PEANUTSコミック生誕70周年を祝して2020年にスタートしたSNOOPYのオーケストラコンサートbillboard classics × SNOOPYシリーズの第4弾『Magical Christmas Night』が、2023年12月3日(日)に兵庫・兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール で、12月24日(日)に東京・昭和女子大学 人見記念講堂で開催されます。これまで3年連続でゲストボーカルとして出演してきた城田優さんが、今回は出演に加えて、演出を手掛けます。イルミネーションに彩られた巨大なクリスマスツリーの中で行われる音楽の夜会をイメージしたステージを創り出し、SNOOPYにまつわる名曲や古今東西のクリスマスソングをオーケストラとジャズピアノトリオ、豪華ゲストとともに届けられます。兵庫公演のゲストはCrystal Kayさん、東京公演のゲストは清水美依紗さんです。
アイデアニュースでは、城田優さんにインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。「上」の無料部分では、このコンサートのことや、今回演出を手掛けるにあたっての想いを、有料部分では、ミュージカル『ファントム』の演出のことについてお話ししてくださった内容などを紹介します。「下」の無料部分では、今回のコンサートの推し曲、コンサートのアイデアについて、ゲストのCrystal Kayさんと清水美依紗さんのことなどについて伺った内容を紹介します。有料部分では、「カテゴライズ」ということについて、エンターテインメントを通して届けたいことや心掛けていること、演出家・俳優など役割を切り替える際にも、ご自身の中に特にスイッチはないというお話などを紹介します。
ーー今年から演出も担当されるとのことですが、まずこのシリーズのコンサートに、城田さんはいつもどんな想いで出演されてきましたか?
「PEANUTSの生誕70周年を記念して、billboard classicsでコンサートをやるんですけど、ゲストシンガーで出ませんか?」と、3年前にお誘いいただき、「え?そんな素敵なコンサートをやるんだったら、ぜひ出たいです」とお受けしたんです。1年目が好評だったのか、そこからありがたいことにお声がけをいただき続けて、今年に至るんです。だから最初は、本当に「お仕事のひとつとしてのオファー」というところからでした。
ーー今回は「演出も担当」ということですが、そこについてはいかがですか?
演出というところで言うと、2015年、16年あたりから、演出やものづくりのほうに、意識をだいぶ高く向けてきてはいました。とはいえ、演出って、手を挙げたとて任せていただけるお仕事ではないですから、いただいたチャンス一つひとつをしっかりと形にして、関わった方々、観に来てくださった方々に「面白かった」と思ってもらえるものを作っていこうと。「そうやってとにかく場数を増やしていくうちに評価してもらうしかないかな?」と思ってから今日に至るまで、ミュージカルやコンサートの演出をさせていただく機会が少しずつ増えてきています。『ファントム』もそうですが。
このSNOOPYコンサートに関わるみなさまも、僕が演出に興味があるということはご存知の中で、どちらからともなくという感覚で決まった話でした。正直なところ僕は去年くらいから「いや〜演出させてほしいな」と思っていたんです。要は、言い方は難しいのですが「このままの形ではもったいないな」と思っていたことがあって。そんな矢先に主催のビルボードさんから演出のオファーがあったんです。
ーーそうだったんですね。
それもやっぱり、3年連続でださせていただいたからこそで、1年だけの出演だったら、絶対に何とも思っていなくて。2回目の出演の際に「こういうふうにしたら、もっとよさそうだな」「こうしないほうがいいのにな」と思い始めました。3年目の出演となった昨年、少しそういう部分をみんなでディスカッションする時間があったので、僕なりに思っていたことをお伝えしたんです。そしたら前回、改善された部分があったり、試みたりしてくださったりしたところもありました。でもやっぱり「根本的なところが、なんか違うんだよな…」という思いもあって。
でももちろん、僕は演出家として携わっていたわけではないので、あくまでもゲストシンガーとして発言するという形で、一応わきまえてはいたんです。「あまり言いすぎないようにしよう」と考えて、これまでは演出の部分には口を出さないスタンスをとっていましたが、去年の公演が終わって「来年どうしよう?」という話になった際に、初めて「演出」という話が出ました。「ぜひやりたいです」というお返事をして、「じゃあ、この3年間の総評みたいなものを」というお話を、みなさんが一堂に会している際にお話しました。
自分がゲストボーカルとして携わらせていただく中で感じてきたこととか、今年からどういうコンセプトで、どういう構成で、どんな方向性のコンサートを作りたいのか、「根本的にここはこうしたい」ということをお伝えしたら、ありがたいことに「それでいきましょう」となりました。
ーー具体的には、どんなふうになりそうですか?
これは、オーケストラを背負ったクラシックコンサートと、SNOOPYやチャーリー・ブラウン、オラフなどのかわいいキャラクターたちがいるPEANUTSという作品と、Crystal Kayや清水美依紗、城田優、(指揮者の)栗田さん、(ピアノ・音楽監修の)宮本貴奈さんという、とにかく名だたるいろんなジャンルの素敵な方々がいるコンサートなんです。そしてそこに、一年の中の特別な日の一つである「クリスマス」という素晴らしいイベントもあるので、「エンタメを作る上でこれらを掛け合わせない手はないですよね?」というところですね。
もちろん、これまでの3年間に、その要素を全く使えていなかったわけではないんです。でも、うまく食材が合わさっていなかったと僕は思っていて。だから、そういうところに、あくまでも僕のイメージですが「僕なりに面白いメニューを考えちゃったんですけど!」みたいなノリです(笑)。調理の仕方を変えたり、ちょっと新しい食材を入れてみるという感じですね。
ーーその思いを反映したのが『Magical Christmas Night』ですか?
そうです。タイトルも私がつけました。たとえ笑われようが、子供じみていようが、「魔法の時間を作るんだ!」ということです。クリスマスという聖なる夜に、PEANUTSという、みんなが圧倒的に「かわいい〜!」となるキャラクターたちの住む世界に行って、みんなで魔法の時間を過ごしましょうと。そんな意味合いを込めています。
ーー「SNOOPYたちが住む世界で行われる夜の音楽祭」と、公式メッセージでもおっしゃっていましたね。どんなふうに考えて、そのタイトルやコンサートのイメージにたどり着いたんですか?
え!?どうだろう。別に考えたわけじゃないんですよ。「みんなそう思うんじゃないの!?なんでそうしないんだろう?」という思いしかなくて。
ーー3年間の「どうしてこうならないんだろう?」という思いが形になるんですね?
そうなんです。3年間携わらせていただく中で、1年目に感じたこと、2年目に感じたことをちょっとシェアして、3年目にさらにシェアを広げた中で、「俺がもし演出だったら、こうするなあ」という感覚だけなんです。セットや照明、セットリストなどの中身を確認しながら「ここはどうすればいいんだ?」とやってきたわけではなくて。
ーーピン!と思いつくというか。
「どうしてこの食材があるのに、この料理しないの?」という僕の勝手な違和感ですね。でも、世の中のいわゆるクラシックコンサートの大半や、音楽だったり芸術に携わっている人たちのマジョリティの感覚は、去年までのフォーマルなスタイルだと思います。だから、今年から開催しようとしているコンサートは、あくまでも「賭け」なんです(笑)。
ーー「賭け」ですか。
当たり障りないことをやるとか、万人に受け入れてもらえるものをやるというスタンスが、僕にはないんです。「誰もやったことがない」ということに対しては、やっぱり「やりたい!挑戦したい!」という思いが強く、ミュージカル『ファントム』では三刀流に挑戦しました。「できない」「無理」「前例がない」と言われると、余計にやりたくなっちゃうところもあるし。そこはやっぱり僕自身の性格というか。そういうことを実現して、「僕も、私もできるかもしれない」という誰かのエネルギーに変わるといいなと思います。もしも、今回僕らがやろうとしているコンサートがとても評価されて、「あんなクラシックコンサート思いつかなかった!面白いな!」と評判になったとしたらきっと、「あのSNOOPYコンサートみたいなもの」と言う人たちが現れると思うんですよ。
ーー確かにそうですね!
僕だって、夢は何度も潰れたり消えたりしましたから「嫌だな」と思うこともあるんですが、それでも腐らずにキラキラしていなきゃいけないと思っています。
ーーワクワクしながらみんなで作るということですね。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、ミュージカル『ファントム』の演出のことについてお話ししてくださった内容などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。5日掲載予定のインタビュー「下」の無料部分では、今回のコンサートの推し曲、コンサートのアイデアについて、ゲストのCrystal Kayさんと清水美依紗さんのことなどについて伺った内容を、有料部分では、「カテゴライズ」ということについて、エンターテインメントを通して届けたいことや心掛けていること、演出家・俳優など役割を切り替える際にも、特にスイッチはないというお話などインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■『ファントム』の「崩れゆく心」でエリックが回転するシーンも、想像力から生まれた
■想像ができていないと、「言葉で言い表せない感動や興奮」は作れないと思っている
■エリックが自分の世界をぶっ壊し引きちぎって、その結晶みたいなものが降ってきたら
■思考も大事だけど、アイデアがないのに思考しちゃうと、つまんなくなっちゃうな
<billboard classics × SNOOPY 『Magical Christmas Night』>
【兵庫公演】2023年12月3日(日) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
【東京公演】2023年12月24日(日) 昭和女子大学 人見記念講堂
公式サイト
https://billboard-cc.com/snoopy2023
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※billboard classics × SNOOPY 『Magical Christmas Night』のオリジナルグッズを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは2023年11月4日(土)です(このプレゼントの募集は終了しました)。発送は2023年12月以降となります。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
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インタビューを読んで、人を想える優しいお人柄とアイディアに優れた、信頼できる方だからこそ、ゲストシンガーから演出家として携わることが出来たんだろうなと思いました。
マジカルなクリスマスコンサート楽しみにしてます。