「こんなにしゃべってたっけ!?」、『ハムレット』柿澤勇人・豊田裕大(上) | アイデアニュース

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「こんなにしゃべってたっけ!?」、『ハムレット』柿澤勇人・豊田裕大(上)

筆者: 岩村美佳 更新日: 2024年5月1日

彩の国さいたま芸術劇場開館30周年記念 彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.1『ハムレット』が、2024年5月7日(火)から26日(日)まで彩の国さいたま芸術劇場大ホールで、6月1日(土)と6月2日(日)に仙台銀行ホール イズミティ21 大ホールで、6月8日(土)と6月9日(日)に愛知県芸術劇場大ホールで、6月15日(土)と6月16日(日)にJ:COM北九州芸術劇場 大ホールで、6月20日(木)から6月23日(日)まで梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演されます。

蜷川幸雄さんのもとでシェイクスピアの全37戯曲を完全上演することを目指し、1998年のスタート以来、国内外に次々と話題作を発表してきた彩の国シェイクスピア・シリーズ。シリーズ完結間近でこの世を去った蜷川さんから芸術監督のバトンを引き継いだ吉田鋼太郎さんは、2017年から残された5作品を見事に上演し、2023年2月に『ジョン王』をもってシリーズを完結させました。その後も、シェイクスピア作品を長年愛し続けてきた吉田さんならではの解釈や、エンターテイメント性を意識した演出で高い評価を得た吉田さんのもとには、新たなシリーズを望む声が多く寄せられ、いよいよ、吉田さんが新たに立ち上げる【彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd】が始動します。

その記念すべき一作目は、シェイクスピア不滅の金字塔『ハムレット』です。タイトルロールを担うのは、吉田さんからの信頼も厚く、満を持して大役に挑むことになる柿澤勇人さんです。ハムレットの恋人・オフィーリア役として北香那さん、ハムレットの親友・ホレーシオ役として白洲迅さん、オフィーリアの兄・レアティーズ役として渡部豪太さん、ノルウェー王子・フォーティンブラス役として豊田裕大さん、オフィーリアとレアティーズの父でありデンマーク王の顧問官・ポローニアス役として正名僕蔵さん、ハムレットの母・ガートルード役として高橋ひとみさんが出演します。

アイデアニュースでは、柿澤さんと豊田さんの対談取材をしました。初めて対面されたお二人に『ハムレット』への思いなどを伺いました。インタビューは上下に分けてお届けします。「上」では、豊田さんに伺った柿澤さんの印象、お二人それぞれがこの作品に出会った時のこと、今回初舞台となる豊田さんの思いや、柿澤さんの初舞台のことなどを伺ったお話などを紹介します。「下」では、お二人の『ハムレット』に挑むにあたっての思い、作品の魅力、吉田さんと作る『ハムレット』の魅力や作品への思いなどを紹介します。

柿澤勇人さん(左)と豊田裕大さん=撮影・岩村美佳
柿澤勇人さん(左)と豊田裕大さん=撮影・岩村美佳

(※インタビューは稽古開始前に実施しました)

​​――お二人は初めてお話になるということですが、柿澤さんの印象はいかがですか?

豊田:今日お会いしてみたらすごく気さくに話しかけてくださって、これからうまく話せたらいいなと。僕は舞台が初めてなので、全てを吸収していければなと思っています。

――柿澤さんは、豊田さんと初めてお会いになっていかがですか?

柿澤:わっかい! 一回り違うよね?

豊田:そうです。

柿澤:僕も歳を取ったんだなと思います(笑)。いいなあ、若さって。伺ったらトップコートさんに所属されているということで。僕はこの仕事を始めたての頃、実はトップコートさんに行きたかったんです。

――そうなんですか?

柿澤:劇団を辞めて普通の大学生に戻った時に事務所に入らなければいけないと思って、自分で履歴書を作って持って行ったのが、当時原宿にあったトップコートさんだったんです。今は場所が違うんだよね?

豊田:今は渋谷です。

柿澤:当時は、原宿に事務所があって、社長さんもいらっしゃって、当時の専務の方が面接してくださいました。でも見事にだめで入れなくて(笑)。豊田くん若いし、かっこいいし、今回が初舞台で、すべてがキラキラしていて、しかもあのトップコートさん。いいなあ、いい人生だなあと思います(笑)。

――ちょっと憧れていますか?

柿澤:憧れています(笑)。いいんですよ、それをフォーティンブラスに託して。フォーティンブラスはこの作品の最後にすべて持っていくのでぴったりですよ。僕はもう朽ちて死んでいくだけです(笑)。

――柿澤さんは『ハムレット』という作品に、いつどんな形で出会いましたか?

柿澤:いつだろう……?それこそ劇団四季でも上演されている『ライオンキング』のお話は、ある意味『ハムレット』をベースにしているじゃないですか。大学の時に卒論で書いたのが「『ハムレット』と『ライオンキング』の相似性」だったと思います。もちろん、いろんなバージョンを観ていて、藤原竜也さん、野村萬斎さん、他には映画で観られるものは全部観て。だけど、やっぱり観たり読んだりするのと、演じるのとでは全然違うなと思います。「こんなにしゃべってたっけ!?」と、台本を読んで思いました。本当にものすごくしゃべっているなと。

豊田:そうですよね。

――観ている時は、そこまでだとは思いませんでしたか?

柿澤:そうですね。皆さんすごいことをされてきたんだなと改めて思います。鋼太郎さんもそうですし、竜也さんはロンドンのバービカン・センターでも演じていますからね。僕が出演した『海辺のカフカ』は、バービカン・センターで『ハムレット』の後に続いて上演されたんです。『ハムレット』は現地評価で星も取って大成功していました。公演入れ替わりの際に、バービカン・センターの地下でパーティーがあったんです。その時の、達成感に溢れる竜也さんのことは忘れられないですね。清々しい感じだったんです。心の底から「すごいな」と思いました。

<取材協力>
■柿澤勇人さん
ヘアメイク:松田蓉子
スタイリスト:五十嵐堂寿
衣装:ジャケット11万円、パンツ5万5000円(ともにジョゼフ オム/オンワード樫山 お客様相談室 TEL 03-5476-5811)、他スタイリスト私物※全て税込価格

■豊田裕大さん
ヘアメイク:松田蓉子
スタイリスト:杉浦 優
ジャケット5万5000円、パンツ3万3000円(ともにネフォロジスト/ネフォロジストhttp://nephologist.com/)、インナー8800円(フォルトゥナオム/ラッキージャパン03-6322-5268)

※アイデアニュース有料会員限定部分には、今回初舞台となる豊田さんの思いや、柿澤さんの初舞台のことなどインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。インタビュー「下」では、お二人の『ハムレット』に挑むにあたっての思い、作品の魅力、吉田さんと作る『ハムレット』の魅力や作品への思いなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■豊田:『ハムレット』に戯曲として触れたのは今回が初めて。一生懸命頑張りたい

■豊田:舞台は、台詞量が尋常じゃないという印象。生で感じられるところに面白さが

■柿澤:19歳のときの初舞台は無心で。「こんな最高の世界があるんだ」と思って

■柿澤:初舞台、楽しんでやったらいいんじゃないかな 豊田:心強すぎます

<彩の国さいたま芸術劇場開館30周年記念 彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.1『ハムレット』>
【埼玉公演】2024年5月7日(火)~5月26日(日) 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
【宮城公演】2024年6月1日(土)~6月2日(日) 仙台銀行ホール イズミティ21 大ホール
【愛知公演】2024年6月8日(土)~6月9日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール
【福岡公演】2024年6月15日(土)~6月16日(日) J:COM北九州芸術劇場 大ホール
【大阪公演】2024年6月20日(木)~6月23日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/hamlet2024/

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柿澤勇人さん(左)と豊田裕大さん=撮影・岩村美佳
柿澤勇人さん(左)と豊田裕大さん=撮影・岩村美佳

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. つなたま より:

    初日観させていただきました。フライヤーもそうですが、あんなに明るい笑顔のハムレットが復讐という闇に落ち、あんなに苦しい姿に。あまりのギャップにより心が苦しくなりました。柿澤さんのハムレット、素晴らしかったです。まさにハムレットを生きている感じでした。

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