2024年9月22日(日)にシアター1010で開幕した『CLUB SEVEN another place』が、9月28日(土)から10月13日(日)まで有楽町よみうりホールで上演されます。玉野和紀さん、北翔海莉さん、留依まきせさんのインタビュー後編です。「下」では、『CLUB SEVEN』に出演されるのが初めてである留依さん、今回が3回目の出演となる北翔さんそれぞれに伺った本作の印象、ファンの皆さんにお伝えしたい本作の推しポイントなどについて伺ったお話と、お客さまへのメッセージを紹介します。
――留依さんは、CLUB SEVENをご覧になったことがありましたか?
留依:実は見たことがなかったんです。
玉野:やめればよかったと思ったでしょ。
留依:全然思ってないですよ! 真志くん(大山さん)が、「本当にここで笑いのセンスが磨かれたし、テンポとかも学んだ。まだいろんな現場に行って怖いけれど、ここで勉強したものがたくさんある」とおっしゃっていて。稽古をした時に、「私もこれをやったら、もう怖いものはなくなるかもしれない」と思いました。
玉野:ないない、みんな言うもん。
留依:これが舞台に乗るところまで来たら、怖いものがなくなることはないだろうけど、恐怖心が少なくなるんだろうなと思っていて。でも、皆さんがすごすぎて、添え物感にならないように頑張ろうと思っています。
玉野:なっていないよ。でも、女子はふたりしかいなくて、目立つからね。
留依:そうですね、頑張ります。でも、すごく楽しいです。最近いろいろな現場に行かせてもらっていますが、何というのか……。
玉野:これだけ笑いが絶えない現場もないよ。
留依:本当にずっと笑っていてしんどいんですよ。体力や脳もすごく使っているのに、一番疲れているのは笑いじゃないかというくらい。
(一同笑い)
留依:ジャルくん(鈴木さん)と、「こんな笑って死にそうになることなくない?」って言っていて。
玉野:笑わない日はないと思うよ。
留依:笑い泣きしているんですよ。大体涙が出るんです。
玉野:本番中に、笑っちゃいけないところを笑ったらやばいからね。
留依:誰かが笑っているのを見たら、また笑うじゃないですか。
玉野:真面目にやっているのを見た時に、ちょっとおかしくなるんだよね。さっきまであんなことしてたのに、真面目にやってるよって、真面目な顔がおかしくなるんだよ。
留依:それ分かるかも。やばいですよね。
玉野:変な顔は全然慣れてるんだけど、真面目にやってるって。
留依:この稽古場で、義さん(東山さん)が真面目にやってるところをまだ見たことがないんです。
玉野:ほんとだよね。あいつ、本番しかやらないんだよ。
留依:多分、本番が来たら笑ってしまうかも。
玉野:格好つけてるんだよ。何を格好つけてるんだって。
留依:そんな感じで、本当に楽しい現場です。
――玉野さんからご覧になって、留依さんはいかがですか?
玉野:実力があるから、何の心配もないですね。
留依:ありがとうございます。
玉野:歌えるし踊れるし、若い体が羨ましいなと思います。みっちゃんもまだ大丈夫だよ。やっぱりしんどいからね。よくやっているなと思って。
留依:すごいですよ。
玉野:この年齢でやっている人は、もういないんだよね。
留依:本当にそう思います。
玉野:みっちゃんは大体娘さん役で、キャラが違う感じでやっていたので、今回はコマ(沙央くらまさん)と一緒だった時もそうだったけど、本当に男役というか。二人は身長も同じくらいなので、実力もそうだし、相性もめちゃくちゃいいので。
留依:わ~い。
玉野:キャラもちゃんとそれぞれありますし、すごい戦力になるなと思っています。翔太も、ジャルも、今回初めての人間があたふたしていないし、大したもんだなと。逆に「場所どこだっけ?」とこっちが聞きたいくらい。
北翔:いちばんしっかりしていますよね。
玉野:ジャルとか、(そもそもダンサーで)踊り専門だからね。翔太(林さん)は何でもぺろっとできる。
北翔:翔太くんは、淡々と黙々と、踊りも場所もきっちり間違いなく覚えて、褒められ役ですね。
留依:翔太くんしかできてないよ、とか。
玉野:本当に優等生だからね。何でもできるから。だから今回結構すごいメンバーが集まっていますし、本来のダンスの方向性がすごく力にもなっています。娘役さんが入る時は、踊り的にもあまり早いのは大変かなと思うし、今回はあえて男っぽいというか、ソフト帽を被ってふたりが踊ると、お客さんが喜ぶんじゃないかなと。と、言っても、色っぽくね。男にならないでくださいね。
北翔:色気がないんです。
留依:頑張ります。
玉野:帽子被っているからって、男に戻っちゃだめです。
――ミス・CLUB SEVENですね。
玉野:ミス・CLUB SEVEN!?
北翔:何ですかそれは!?
――北翔さんは、ほぼ準レギュラーというか。
玉野:もう、レジェンドになってますから。レジェンドの女性版です。
北翔:いやいや、恐れ多いです。
――その北翔さんの魅力についてもお聞かせください。
玉野:みっちゃんは、何をやっても喜んでくれるから嬉しいんですよね。
――北翔さんが、CLUB SEVENのファンみたいですよね。
玉野:「CLUB SEVEN大好き」と言ってくれるから、本当に嬉しくて。オリジナルでスケッチも書いて、それをやっぱり信じてくれて、みんながそれに向かってやってくれているというのは嬉しいですよね。正解をみんなで作るというか。みっちゃんはCLUB SEVENとはこういう方向性だと分かっているので楽ですし、女性で本編に2回出演してくれたのは、たーたん(香寿たつきさん)とふたりだけなんですよね。
男性が大体同じメンバーで、あとを変えていこうという趣旨だったので。たーたんは1回目が2005年の3rdで、ZEROの時に復帰した時が2017年。みっちゃんはZEROⅡと20周年。だから、たーたんとみっちゃんが同じ回数になった。去年の20周年は今までやった人達とやって、楽しかったけど大変だったね、4パターンもあったんだよ。位置が全部違って、振りが逆ということもあったし。
留依:めっちゃ大変だったと聞きました。振りが左右逆ということですよね。
玉野:それを中塚皓平とマーチン(町田慎吾さん)がやってくれたんだよ。最後16人だった時も、全部場所が違ったのに、誰ひとり間違えなかった。後ろで見ていて、めっちゃ感動した。「プロだ、こいつら」と思って。大体ふざけているんだけど、集中したらやっぱりすごいなと感じた。それに宝塚の人は、お芝居とショーをやっているからすごいですよね。一番頼りになりますね。CLUB SEVENは何でもできなければいけないので。それに加えてコントというか、笑いの要素がある。みっちゃんもそうだし、あーちゃんも関西の血が流れているから。
北翔:私は流れていません(笑)。
(一同笑い)
玉野:そのセンスがふたりともあるので、楽しいです。
――北翔さんはCLUB SEVEN大好きな出演者として、今作はどう見えていますか?
北翔:今回は、CLUB SEVENと言いながら9名なので、その分、戦力になる方がふたりも増えるので心強いなと思うのですが、女性パートはふたりしかいないので、男性のエネルギーのほうが割合的に強くなってしまうから、負けられないものがあります。今までとちょっと違うエネルギーをもっと出さないと、潰されてしまうなと。でも、あーちゃんも一緒に出てくれますからね。私とあーちゃんはひと回り違うんです。私が宙組にいた時に、1年生(研究科1年)か2年生(研究科2年)で入ってきたぐらいで、私はそのまま専科に行ってしまったので、本当に下級生の頃の留依まきせさんしか知らないんです。立派になられて、と思います。
留依:みちこさんと対で踊らせていただいたり、一緒に歌わせていただいたり。みちこさんにお伝えしたのですが、「北翔さんと12年後には一緒に歌えるんだよ」と、あの頃の私に言ってやりたいです。
北翔:卒業して外でも立派に活躍されていますし、今回も安心して頼っています。あーちゃんがいないと、逆に私は振りを忘れてしまいますから。これまでは、自分と一緒にコンビでやっていた人たちを引っ張らなきゃと思っていたんですが、もう引っ張る必要もなくて、ついていけばいいんだと思っています。
玉野:俺、あーちゃんと宝塚で会ってる?
留依:1回もないんです。タップも劇団で1回もやったことなくて、13年振りぐらいにタップをやっています。
玉野:(タップの)レッスンにも来たし、靴も買ったしね。
留依:できなさすぎて、「どうするんですか、どうするんですか!?」って。
玉野:レッスン中にすごく機嫌が悪いんです。「怒ってる? 」って。
留依:すみません、自分に怒っているんです。「できない!」 みたいな。最近、自分がここまでできないことがなかなかなかったので。
北翔:でも今回の現場は本当にできないというか、覚えられないですよね。ダンスの量、歌の量、台詞の量……もう覚えられない、「できないよ!」 って。先生(玉野さん)もそうなんですけど、結局いざ曲がかかったり、芝居を通しますとなると、皆さんスイッチが入って、プロなんだなと思います。自分の愚かさにもっと火をつけないと、やっぱりこのレジェンドの、20年やってきた方々のレベルについていけないので、瞬間的に引き締まるものが毎回稽古場であります。
玉野:十分できてるよ(笑)。
北翔:いやいや。でも、そういう現場はすごくいいなと思いますし、そういう現場に常にいなきゃ、自分って向上できないんだなと本当によく分かります。だから、自分がいろんな舞台をやっていても、CLUB SEVENの何がいいかというと、自分が挑戦する気持ちとか、新しい引き出しを作ってやるぞみたいな意気込みが、他の現場とは違うものを生み出します。
自らも生み出しますし、先生が「こういう役やってみて」と提示するものに何とかして表現しようと思う、新しい北翔海莉の引き出しを作ってくださるので、すごくいい現場だなと思って、毎回挑戦させてもらっています。私にとって、こういう現場が一番リラックスする、癒されるところであり、一番のパワースポットなんですよ。この職業を天職だと思っている部分もありますし、自分が求めていた舞台ですから。CLUB SEVENは一番最高なんじゃないでしょうか。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、ファンの皆さんにお伝えしたい本作の推しポイントなどについて伺ったお話やお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■北翔:どこの場面も、あーちゃんが「娘」。しっくり来る 留依:本当に「ママだ!」と
■玉野:CLUB SEVENは固定観念がなくて、明日の活力に。大いに笑って、泣いて、笑って
■北翔:ひとりでも背中を押してもらえたと言ってくれる人がいたら、舞台に立つ意味があり本望
■留依:五感を最大限に刺激する作品。最大限のエンターテインメントショーだと思っている
<『CLUB SEVEN another place』>
【プレビュー公演】2024年9月22日(日)~9月23日(月・祝) シアター1010
【東京公演】2024年9月28日(土)~10月13日(日) 有楽町よみうりホール
公式サイト
https://www.tohostage.com/club_seven/
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