キーワードは不安定と中途半端、小沢道成『Brand new OZAWA mermaid!』 | アイデアニュース

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キーワードは不安定と中途半端、小沢道成『Brand new OZAWA mermaid!』

筆者: 達花和月 更新日: 2018年4月27日

「虚構の劇団」に所属する俳優・小沢道成さんの3年ぶりの新作となるひとり芝居『Brand new OZAWA mermaid!』が2018年5月5日(土)~5月20日(日)まで、東京のAPOCシアターで上演されます。以前から構想を練っていたという大掛かりな舞台装置プランで「丸と三角と四角」をモチーフに組み上げられるセット。今回の作品のキーワードは「不安定」と「中途半端」と語る小沢さんに、作品にかける今の思いをミニインタビューしました。

小沢道成さん=撮影・達花和月

小沢道成さん=撮影・達花和月

――「丸と三角と四角」について。

僕のイメージでは、丸は“円満”で落ち着いた幸せ、四角は大勢の人たちがいる“賑やか”なもの。でも三角は“三角関係”のように、ザワザワと心が落ち着かない不安定な感じがするんです。

人魚姫を現代の話にしようと決めた時に、この3種類の形がぴったりと合っている気がしました。それを舞台美術に混ぜると、童話が元になっていることもあって、子供の頃に遊んだ積み木のように形を変えていく舞台になるんじゃないかと。

――「人魚姫」について。

“人魚姫”をモチーフにしているけど、アンデルセンの人魚姫をそのままやるという事ではありません。海と陸だけでなく、現代版として、東京も舞台となります。これまで以上に世界が広がってかなり壮大です。人魚姫をもとに現代を考えた時に、僕のなかで浮かんで来たワードが〝中途半端〟だったんです。

「コンプレックス」と「憧れ」について考えたとき、「コンプレックス」があるから「憧れ」が生まれるのではなく、「憧れ」がまずどこかにあるから、そこにたどり着けない自分に対して「コンプレックス」が生まれるんじゃないかと思ったんです。恋をして「憧れ」が生まれた時、「憧れ」と自分との差だったり、「憧れ」たものに「見合う自分」との差を感じると、それが「コンプレックス」になるんだと。憧れが生まれた瞬間にコンプレックスもフツフツ生まれてくるんだと。

僕の中には、〝どうしても埋まらない中途半端なもの〟が確実にあります。僕の中に手に入れても手に入れても満たされないものと向き合ったとき、やっぱり人って満たされたいものなんだなあ。と改めて気づきました。今回は中途半端ってものをどう受け入れるのか、受け入れないのか、まだ創りきっていないから分からないですけど、ちょっとこのもやもやとした中途半端っていうものに〝人魚姫〟を使わせてもらって向き合ってみようと思いました。

――マルシェⅡ世さんとの共演について。

マルシェさんのたたくドラムにはとても「感情」を感じるんです。心臓に直に届いてくるというか。控えめなときもあるし、思いっきり背中を押すような音や突き刺すような音を出したりとか、実に演劇的だなぁと思ったんです。稽古していて、ドラムのリズムのパターンの豊富さに感動しました。ドラムとマルシェさんの感情の幅さえあったら、二人の感情の相乗効果で毎回違うものにできると思います。僕も結構完璧なものを求めがちなので、録音されている音って安心感はあるんですが、どうくるかわからない生演奏のちょっとした不安定さを楽しめたらいいなと思います。

――お客さまへ一言。

今回やろうとしてることがおそらく1人でやる規模じゃないんです。だからいつもやっている感覚で75分~80分くらいの芝居を1日2ステージ上演するとかなり辛いかもしれないと思いました。だから今回はゆっくりと1ステージずつやらせてもらうことにしました。それに上演期間を長くすると、日程に幅ができてお客さまに足を運んでいただきやすいかなと思ったので。思い立ったらぜひ!すぐ!ご予約をお願いします!

EPOCH NAN『Brand new OZAWA mermaid!』フライヤー

EPOCH MAN『Brand new OZAWA mermaid!』フライヤー

『Brand new OZAWA mermaid!』
【東京公演】2018年5月5日(土)~5月20日(日)APOC THEATER
http://epochman.com/index.html/

CAST
小沢道成 × ドラムパーカッション演奏 マルシェⅡ世

STAFF
作・演出・美術 ⼩沢道成/ドラムパーカッション演奏 マルシェⅡ世(もるつオーケストラ)/ 楽曲提供 オレノグラフィティ(劇団鹿殺し)/舞台監督 村⽥明(クロスオーバー)中瀬古靖(クロスオーバー)/照明 中佐真梨⾹(空間企画)/⾳響 堀江潤/⾐裳 藤⾕⾹⼦(FAIFAI)/ヘアメイク 笹川ともか(プランギカシー)宣伝美術 藤尾勘太郎(⽝と串)/写真 moco/照明操作 磯⽥浩⼀(やくぶつ)/稽古場代役 前⽥隆成
制作協⼒ 上村幸穂(TiA production)北澤芙未⼦ 佐藤美絋/企画・製作 EPOCH MAN

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<筆者プロフィール>達花和月(たちばな・かずき) 遠方の友人を誘って観たお芝居との出会いがきっかけで、演劇沼の住人に。ミュージカルからストレートプレイ、狂言ほか、さまざまな作品を観劇するうち、不思議なご縁でライターに。熱っぽく自らの仕事を語る舞台関係者の“熱”に、ワクワクドキドキを感じる日々。 ⇒達花和月さんの記事一覧はこちら

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