2018年6月4日(月)から新国立劇場小劇場で上演される『夢の裂け目』に出演する、上山竜治さんのインタビュー、後半です。有料部分では、井上ひさしさんが描く、普通の生活をしている人を演じることなどについて伺いました。
――井上ひさしさんの作品は、音楽がとても大事だと思いますが、今回の音楽、特に歌の部分も多いと思いますが、どんな風に感じていますか?
クルト・ヴァイルの原曲も聞いたりしているんですが、やはり普通じゃありえないというか、どこか異質なメロディというものを常に漂わせている感じですね。
――実際歌うとどうですか?
すごく難しいです。
――今までに扱ったことのない感じですか?
そうですね。(スティーブン・)ソンドハイムもそうですが、頭に入ってしまうと心地よくて口ずさんでしまうんですが、メロディがすごく難解なので。癖があるからこそ、なんだか心地よくなるんですよね。上手く表現できないのですが。
――歌うのは難しいけれど、その心地よさが一番印象に残るような感じ?
いや、心地よさが残るというより、なにかどこか違和感があるな、異質だなという感じが、戯曲の構造によく合っています。
――そういう意味では、意識がいく感じですね。聞いていて流れていってしまわないというか。
そうですね。
――栗山(民也)さんのこの作品へのメッセージなどを拝見していても、とても思いが強い作品だと思いますが、稽古の中で、栗山さんの言葉などで印象に残っていることはありますか?
全部重みがあるんですが……。(少し考え込んで台本を開く)
――書き留めているんですね。
「栗山さんノート」みたいな感じです。
――いつもこういうものを作られるんですか?
「この言葉を忘れないように」というものだったりは。
――そこに、栗山さんワードを書いているんですね。
そうですね。演出的なことでいうと、常にみんな二面性をもっている。たとえば、成田だったら、学者をやりたいのに、闇市の闇商人をやっているんですよ。他の登場人物もそれぞれのみんなそういった過去があって、なにが原因でそうなったかというと、やはり戦争が狂わせたんですよね。戦争というものが、どういった影響を及ぼしたのかを常におっしゃっているので、そこは大事にしていますね。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、役柄と自身の比較や栗山民也さんの演出、共演者などについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。6月2日掲載予定のインタビュー「下」では、「普通の生活をしている人」を演じることなどについて話してくださったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■市井の人々。特別ではなく、普通の人が登場人物だからこその説得力がある
■目指すところは、やはり根本の部分。根本でなにが言いたいのかという本質
■舞台デビューが新国立劇場でしたから、14年経ってまた立てることが嬉しい
■プレイウィズミュージック。音楽が効果的な重喜劇。ぜひ観て頂きたいです
<新国立劇場開場20周年記念公演『夢の裂け目』>
【東京公演】2018年6月4日(月)~6月24日(日) 新国立劇場 小劇場
作◎井上ひさし 演出◎栗山民也
出演◎段田安則、唯月ふうか、保坂知寿、木場勝己
高田聖子、吉沢梨絵、上山竜治、玉置玲央、佐藤誓
公演オフィシャルサイト
http://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/16_009665.html
<関連リンク>
上山竜治オフィシャルサイト
http://kamiyamaryuji.com
上山竜治キューブオフィシャルサイト
http://www.cubeinc.co.jp/members/prf/091.html
上山竜治&STAFF Twitter
https://twitter.com/ryuchan_0910
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この作品への期待が益々高まりました。素敵な記事をどうも有難うございます。