「初演は衝撃でした」、9年ぶりの上演『BLUE/ORANGE』成河インタビュー(上) | アイデアニュース

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「初演は衝撃でした」、9年ぶりの上演『BLUE/ORANGE』成河インタビュー(上)

筆者: 達花和月 更新日: 2019年3月23日

舞台は精神病院。えぐり出される権力、エゴ、人種の偏見、手に汗握る会話劇の傑作『BLUE/ORANGE』が、2019年3月29日(金)~4月28日(日)東京・DDD青山クロスシアターで上演されます。2010年の初演と配役を変更しての9年ぶりの上演。初演で第18回読売演劇大賞優秀男優賞をクリス役(および『春琴』の演技により)で受賞し、今作では若き研修医、ブルースを演じる成河さんにお話をうかがいました。

成河さん=撮影・NORI

成河さん=撮影・NORI

2010年の初演では、入院中の青年・クリス役を成河さんが、クリスの担当研修医・ブルース医師役を千葉哲也さんが、ブルースの上司のロバート医師役を中嶋しゅうさんが演じました。2019年の今回は、クリス役を章平さんが、ブルース医師役を成河さんが、ロバート医師役を千葉哲也さんが演じます。

――2010年以来の上演です。思い出深いものもおありなのでは?

ワーサルシアターでね(笑)。非常に思い出深いですね。当時僕は大学時代からやっていた劇団を辞めた直後くらいで、それまではわりと同世代の人たちと演劇を創っていたので、こうグッと年を重ねている方々との共演は新鮮でした。

――初演は中嶋しゅうさんがいらして。

中嶋しゅうさんと千葉哲也さん。この作品の前にも、いくつか大きな舞台に出させていただいて、いろんな年配の方々とご一緒したんですけど、僕は劇団以外では、TPT(「Theatre Project Tokyo」)での『Angels in America』(2004年・2007年)のAngels役であったり、どうもこう、飛び道具的に使われることが多かったので、これだけ密な会話劇を演ったのは初めてでした。なので、すごく覚えてます。衝撃でした。

――初演は15回公演。企画には中嶋しゅうさんのお名前がありました。

公演期間は短かったですよ、本当に。中嶋しゅうさんの呼びかけでね。企画、中嶋しゅうさんと、シーエイティプロデュースの江口プロデューサーとであたためていらっしゃったんです。しゅうさんには、いろんなご縁をつないでいただきました、出会わせていただきましたね。千葉さんとも、そこで初めてお会いしました。

――当時も千葉さんが演出されていらっしゃいますね。

本当は小規模で3人でフットワーク軽く「オレ等でやろうぜ!」みたいな感じで始まったんです、しゅうさんそういう人なんで。「みんなで見合いながらやろうぜ!」って始まったんですけど、本読みしながら(しゅうさんが)「お、やっぱりこれは千葉が演出した方がいいな!」みたいなことを、サラッと突然言い出して(笑)。

――しゅうさんの一言で!(笑)。

一言ですよ! 千葉さんはどっちかっていうと、本当に懐が広いので「しょうがないっスね」みたいな感じで引き受けて(笑)。いや、もちろん絶対に演出家は決めたほうが良かったと思うんですけども。

――なんと言うか、役柄の関係性そのままのような…(笑)。

本当ですね~(笑)。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、「この物語、誰がマトモなの? 誰を信じていいの?」という感じの作品について、成河さんが今のSNSなどと比較しながら作品について語ってくださったお話など、インタビュー前半の全文と写真を掲載しています。3月24日(日)掲載予定のインタビュー「下」では、成河さんが『Take Me Out 2018』に出演した章平さんを観たことがきっかけになって再演の布陣が決まっていった経緯や、1月まで出演されていた『Thrill Me』などについて伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■二十代後半の僕には、ブルースの葛藤に強く共感することはできなかった。今は分かります

■「正義の鉄槌」はSNSで誰でも下せる。それが自分の論理に固執して目的が変わっていく…

■「多様性が大事だ」って言ってみてますが…

■小川絵梨子さんの新訳は、目玉です

<舞台『BLUE/ORANGE』>
【東京公演】2019年3月29日(金)~4月28日(日) DDD青山クロスシアター
http://www.ddd-hall.com/
作:Joe Penhall
翻訳:小川絵梨子
演出:千葉哲也
出演:成河、千葉哲也、章平

<公式サイト>
https://www.stagegate.jp/

<関連リンク>
web dorama de songha 成河ブログ
http://web-dorama.jugem.jp/
成河スタッフ オフィシャル Twitter
https://twitter.com/tw_de_songha_sc

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成河さん=撮影・NORI

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<筆者プロフィール>達花和月(たちばな・かずき) 遠方の友人を誘って観たお芝居との出会いをきっかけとして演劇沼の住人に。ミュージカルからストレートプレイ、狂言ほか、さまざまな作品を観劇するうち、不思議なご縁でライターに。自らの仕事を語る舞台関係者の“熱”に、ワクワクドキドキを感じる日々。 ⇒達花和月さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. noji より:

    人間性に訴えるお芝居は本当に成河さんの得意分野だなぁと思いながら毎週通っています(既に7回)。何度見ても気づきがあるし、飽きないし、お客さんを退屈させないコミカルだったりアクティブな演出の数々も魅力だと思います。深く考えながら見るもよし、日々のストレスの気晴らしに見るもよし、本当に素晴らしい舞台です。成河さんのお芝居を観るたびにお芝居の魅力にのめり込んでいます。

  2. ちーず より:

    今週末…とうとう観に行くのですが
    とても楽しみです。
    回を重ねれば重ねるほど、見方も視点も変わりそうな演劇なので、いまからワクワクしております。
    私はこの劇を見てどんな答えを出すのか…

  3. ゆってぃ より:

    記事を読んで、自分の中に問いかけるような作品なんだなと思いました。安楽にただ与えられたものを受動的に受け取るのではなく、どれだけ自分も作品の中に入っていけるか…楽しみです。

  4. かもみ より:

    この記事を読みたくて登録しました。
    面白そうな芝居ですが、一回ではよく分からないかも(複数回 チケット取ってますので)
    たぶん観るごとに 色々感じ方が違うかも。
    楽しみです。

  5. ぽん より:

    自分の価値観や考え方が揺さぶられるかもしれない、とても刺激的な舞台のようですね。インタビューを読んでますます観劇が楽しみになりました。

  6. anju より:

    成河さんの舞台は、1人芝居と、「スリル・ミー」を観ました。
    役のふり幅が凄いと思います。「髑髏城の七人」のゲキ×シネと、「BLUE/ORANGE」
    「エリザベート」「ジーザス・クライスト=スーパースター」をこれから観ます。楽しみです。

  7. めい より:

    レイシズムや多様性……インタビューの内容からとても考えさせられました。小川さんの新訳もとても楽しみです。

  8. sam より:

    普段成河さんが仰っていることと、BLUE/ORANGEの内容が重なる部分が多い作品なんだなというのがすごくよく分かるインタビュー記事でした。
    正義や多様性についてのお話はとても興味深かったです。舞台(向こう側)の話ではなく自分にも大いに関係ある話だと思い、改めてBLUE/ORANGEの観劇が楽しみになりました。

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