ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』に、主人公チェーザレ役で主演する中川晃教さんと、チェーザレの忠臣ミゲル役の宮尾俊太郎さんに、稽古が進む3月中旬にインタビューしました。この作品には、おふたりのほか、別所哲也さん、岡幸二郎さん、藤岡正明さん、今拓哉さん、横山だいすけさん、松田凌さん、平野良さん、井澤勇貴さん、鈴木勝吾さん、山崎大輝さん、風間由次郎さん、近藤頌利さん、木戸邑弥さん、ほかのみなさんが出演します。上下に分けて掲載し、「上」では、チェーザレを演じる中川さんとミゲルを演じる宮尾さんの関係、「私」「お前」などの言葉が持つ意味、台詞のない世界で活躍してきた宮尾さんが感じている「サブテキスト」の意味などについて語ってくださったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。(このインタビューは、2020年3月中旬に実施したものです)
※編集部注:この作品は2020年4月13日(月)から5月11日(月)まで明治座での上演が予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響で、全ての公演を中止することが4月8日に発表されました。作品の製作委員会は「事態が収束し、皆様がお楽しみいただけるような環境が整いましたら、改めて本公演をお届けしたいと考えております」としています(公式ページより)。
――今の感想や手応えはいかがですか?
宮尾:だんだん、パーツごとの姿かたちがやっと見え始めてきたところで、これから変わっていくだろうと思いますが、現段階でもこの物語は深いなと感じています。台詞や間などを考えていくと、演じる側としてはちょっと簡単には行かない物語だなと。
中川:ほんとに深いよね。深いとすごく考えるきっかけになったりしますから。「なぜこの作品を、今、私たちがやるのか」という意味を考えたり、その役と自分が出会って、この役をどうやって自分は演じていくのかという意味合いにもつながっていきます。宮尾さんは、誰もが知っているバレリーノとして第一線で活躍されていて、ミュージカルにも出演されています。ミュージカルシーンの中でも、やっぱりオリジナルミュージカルを作るということは、すごく貴重な経験だと思うんですよね。オリジナルミュージカルである『チェーザレ 破壊の創造者』という作品と出会ったことで始まっていく、役者それぞれのこれからの未来がある、チャレンジとなる作品だと思います。ミゲルとチェーザレという役を作る上でも、皆さんと一緒に作っていく過程の中でも、深いところと向き合っていった先に一俳優として何を掴めるのか、そういうものが、この作品の中に投影される。深いというのはいい意味でもあり、今の僕たちの悩みでもある。…そんな気がします。
――稽古場で作られていく過程を見て、「これがそのままエンタメになるんじゃないか」と思いました。キャスト人数が多く、キャリアが全く違って年齢が幅広い。クリエイターも手練れのプロフェッショナルたちが集まって、議論が始まると止まらないようなところが、ドキュメンタリー番組のようです。
宮尾:学生のシーンなど、そのまま議論しているから、この雰囲気がそのまま場面になりえそうだなと(笑)。
中川:思いますよね。
――議論の場面を議論してつくるのが面白いなと。
宮尾:作り方も僕にはすごく新鮮ですね。最初は各々が様子を見ながら、僕自身も皆さんがどういうやり方なのかなと様子を見ていて、やっぱり自分の畑とは違う作り方なんだなと思っているなかで、(中川さんが)いい意味で一番様子を見ないで…。
中川:(苦笑)。
宮尾:いい意味でね! 自分のやってきたものをぶつけていったり、最初からまるで120パーセントの答えを、その瞬間ごとに出そうとしている感じが、まさに芸術を練り上げていっているような、やれるものをやりながら全部削ぎ落ちていく。ミケランジェロのダビデ像は、「ダビデ像はこうあるべきではない」というものを削ぎ落していった結果だそうです。
中川:へぇ。
宮尾:結局、最終的には、そういうものにブラッシュアップされて、この『チェーザレ 破壊の創造者』という舞台は、すっきりした形で届くんじゃないかなと思っています。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、チェーザレを演じる中川さんとミゲルを演じる宮尾さんの関係、「私」「お前」などの言葉が持つ意味、台詞のない世界で活躍してきた宮尾さんが感じている「サブテキスト」の意味などについて語ってくださったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。4月10日(金)掲載予定のインタビュー「下」では、幅広い世代が集まったこの作品でどのように各世代が動いているか、そしてその背景にあるものなどについて話してくださったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■宮尾:中川さんは台風。中心に入ると“目”になるから大丈夫。一歩引くとぶわっと
■宮尾:年齢というよりも、生きてきた人生のほうが…。出てくるものは人それぞれ
■中川:宮尾あっての中川、ミゲルあってのチェーザレ。それが稽古場での着眼点
■中川:友情は『フランケンシュタイン』と一緒。でも、主従にフォーカス
■中川:原作の台詞に忠実に理屈や理由を作っていくと、各々が立ってくる
■宮尾:その台詞を言っている時の感情を書き出したり、奇跡を生むような作業
<ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』>
【東京公演】2020年4月13日(月)~5月11日(月) 明治座 (この公演は中止になりました)
公式サイト
https://www.cesare-stage.com
公式ツイッター
https://twitter.com/cesare_stage
<関連リンク>
中川晃教オフィシャルサイト
http://www.akinori.info/
中川晃教オフィシャルTwitter
https://twitter.com/nakagawa1982aki
宮尾俊太郎|メンバー情報|K-BALLETCOMPANY
http://www.k-ballet.co.jp/members/miyao_shuntaro.html
宮尾俊太郎オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/shuntaro-miyao/
宮尾俊太郎Twitter
https://twitter.com/shuntaromiyao
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男性ばかりがキャスティングされたミュージカル。その役を割り当てられた理由を見つける観劇ができず残念です。役者の皆さんがそれぞれ意見を出し合って作っていることがわかりました。漫画のミゲルは自分からはポソと言うだけで、皆の行動を見てる役回り。稽古でもそうだったのですね。数年後に延期だと勝手に思っていますのでさらに磨きをかけてのミュージカルを楽しみに待っています。