2024年2月7日(水)から2月12日(月・祝)まで、東京・銀座 博品館劇場でミュージカル『Play a Life』が上演されます。本作は、上田一豪さん作・演出、小澤時史さん作曲のオリジナルミュージカルで、東宝演劇部所属の演出家として知られる上田さん主宰の劇団TipTapによる2015年の初演以来、2016年、2018年、2019年、2021年と再演が重ねられています。2017年にはラジオドラマ化され、2023年3月には、フジテレビ初の本格ミュージカルドラマ化され、上田さんが監督を務めた映像作品として放送されました。多くの人に愛されてきた名作が、今回も「白猫」と「黒猫」の2チームで届けられます。
白猫チームの夫役は、佐藤隆紀(LE VELVETS)さん、妻役は、本作の初演で教育実習生のオリジナルキャストを務めた平川めぐみさん、教育実習生役は、屋比久知奈さんです。黒猫チームの夫役は、相葉裕樹さん、妻役は、松原凜子さん、教育実習生役は、豊原江理佳さんです。2014年8月に亡くなった名優、ロビン・ウィリアムズ主演の映画『いまを生きる』(1989年)をきっかけに恋に落ち結婚した夫婦と、妻の教え子だった教育実習生が「いまを生きる」をテーマに、歌で物語を紡いでいく作品です。
アイデアニュースでは、白猫チームで夫役を演じる佐藤さんにインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。「上」の無料部分では、この作品への出演が決まったときの思い、『キューティ・ブロンド』出演時に上田さんからもらった言葉が自身の芝居の指針になり、大切にしているというお話を、有料部分では、作品のテーマでもある「いまを生きる」ということについてのお話などを紹介します。「下」の無料部分では、『タイタニック』のチャールズ・クラーク役でミュージカルに初出演されてから、『エリザベート』のフランツ・ヨーゼフ役、『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャン役など、さまざまな作品に出演される中での役作りや芝居について振り返るお話、今は「リアリズム」がご自身のテーマであるということについてのお話を紹介します。有料部分では、さまざまなミュージカル作品に出演される中での思い、2023年の振り返り・2024年の抱負について伺った内容を紹介します。
ーー『Play a Life』へのご出演が決まった時の思いはいかがでしたか?
(上田)一豪さんと『キューティ・ブロンド』でご一緒したときに、すごく良かったんですよ。僕自身、ミュージカルへの出演が4作品目ぐらいだったんですけど、芝居が全然できなくて、コンプレックスをまだすごく持っていた時期だったんですよね。
上手くなりたくて、一豪さんに「芝居全然できないんで、いろいろ技術を教えてください」って言いに行ったら、「いや、佐藤くんは技術をどうこうっていうよりも、この役がどんな役で、このシーンは何を伝えようとしてて、どういう設定でっていうのを1個1個ちゃんと落とし込んでいって、そのまま立ったらできるから」って言ってくださったんですよ。
それがすごく大きくて。それ以降、何か悩むとそこに戻れるようになりました。レミゼのときも、最初いろいろ先輩方に教えてもらって、まずはそれを真似してやっていく中で、違和感をすごく感じたことがあったんです。そういう時にも、「今日はもういいや。習ったものをちゃんと筋におきつつ、何も考えないでやってみよう」って、一豪さんの言葉に戻りながら進んでいました。
「何も考えないでやってみよう」というときに残るのは、「その役としてあること、そこにいること」なんですよね。一豪さんが言ってくださったことを思い出して、「その状況とシーンと何を伝えたいのかだけを考えて、素直に立ってみよう」と思ったときに、(『レ・ミゼラブル』の)冒頭15分のあのシーン(プロローグの「独白」)の稽古場で、急に涙がすごいボロボロ出てきたということがあったりしたんです。
一豪さんにもらった言葉って、自分の中でそのくらいいい言葉で、大切な言葉なんですよ。だからずっと、「一豪さんと、またぜひ一緒にやりたいな」と思っていたところに、今回『Play a life』のお誘いをいただいて。作品も、2016年バージョンを一豪さんに「良かったら来てよ」ってお声がけいただいて、観に行ったんですよ。
ーーご覧になって、いかがでしたか?
すみだパークスタジオで観たんですけど、小さな劇場だったから、なおさら息吹きのようなものを感じられるくらいの距離で。もうそれでめちゃくちゃ泣いて、 超感動して。「いやぁ、本当に素晴らしい作品だなぁ」と思っていたので、今回オファーをいただいて本当に嬉しくて。「ぜひ、やりたい!」という思いです。
ーー佐藤さんが、日本人の役を演じられるのは、もしかすると今回が初めてになりますか?
はい。多分、初めてだと思うんですよね。
ーーお稽古はこれからだと伺いましたが、役作りなどでまた変わることなどはありそうですか?
いつもと「何かを変える」ということはないと思うんです。でも役としては作りやすいというか、自分の中で腑に落としやすいだろうなと。設定が教師ですし。実は僕、音大を目指す前は先生になりたかったんですよ。
小学校の卒業文集には「小学校の先生になりたい」って書いていて、中学生になった頃に、「数学面白いな」と思って「数学の先生になりたいな」なんて思っていました。もう今考えると恥ずかしくて言えない…くらいなんですけど、教師というのは、目指していたところではあるんです。だから今回は「先生だから、何か硬く」ではなく、「自分が先生だったら、こんな先生になってただろうなみたいな」ところを土台に、一豪さんと話し合いながら作っていけたらなとちょっと思っているんです。
ーー今回の「夫」役は、役者を目指していた、非常勤の歴史の先生ですよね。
そうなんです。ある意味そのまんまいけそうな…僕は、先生になれなかった役者というか(笑)。一応土台は作るんですけど、王様とか皇帝というよりは、親しみやすい土台があるなっていうのは感じます。
ーー役の中に、佐藤さんご自身があふれる感じが出てきそうですね。
でも、役としては「想い続けてる人をそこにずっと存在させている」というのは、ちょっと奇妙に見えるかもしれません。愛が過ぎるがゆえに、純粋がゆえに、そうしてしまうっていうところだと思うんですけれども。だからそこをうまく、ナチュラルに演じられたらなと思いますね。
ーー役に共感できるところはありそうですか?
共感はすごくできますよ。やっぱり男って、意外と女々しいもんだなと思うんですよ。一途すぎちゃうところもあるし。女性は切り替えが早かったり。もちろん個人差があって人によるものだとは思いますが…。
ーー確かに、そういう傾向はありますよね。
ね、なんか女性ってもう「スパッ!」て思えたら次にいける、みたいな。意外と男の方が引きずっていたりとか。そういうことってあると思うんです。自分も学生の頃の恋愛を振り返ったときに、なんかすごい女々しい時期があったんです(笑)。そういうことを考えると、ああいう行動をとってしまうのも理解できるというか。
ーー淡々と感情を押し殺したようなところから、感情の波が突然ガーッと出てきたりするシーンもありますよね。
その辺をどんな感じで作っていくのかは、これから稽古しながらになると思います。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、作品のテーマでもある「いまを生きる」ということについてのお話などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。2024年1月2日掲載予定のインタビュー「下」の無料部分では、『タイタニック』のチャールズ・クラーク役でミュージカルに初出演されてから、『エリザベート』のフランツ・ヨーゼフ役、『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャン役など、さまざまな作品に出演される中での役作りや芝居について振り返るお話、今は「リアリズム」がご自身のテーマであるということについてのお話を紹介します。有料部分では、さまざまなミュージカル作品に出演される中での思い、2023年の振り返り・2024年の抱負について伺った内容などインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■今こうして一緒の世界に生きている人たちの心の中に、生きていたいなと感じる
■歴史に名を残したいとは思わない。舞台や歌という形で感動を残したいなと思う
■「いま、生きている」という感覚は、「僕が生きた証」が人の心の中に残ること
■「誰かの世界に溶けていくんだよ」というセリフのように、「あのときよかったな」って
<ミュージカル『Play a Life』>
【東京公演】2024年2月7日(水)~2月12日(月・祝) 銀座・博品館劇場
公式サイト
https://tiptap.jp/next/#playalife
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※佐藤隆紀さんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは2024年2月1日(木)です(このプレゼントの募集は終了しました)。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
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インタビューでいろいろな事に真摯に取り組まれている姿が伝わってきました。シュガーさんの歌声に出会えた事で人生が豊かになりました。
最初に歌声を聴いた時の事は良く覚えています。あの時あの舞台を観ていなかったら出会えなかった?いやいや、きっとシュガーさんがミュージカルに出られていたらきっといつか何処かで出会い必ずやその歌声の虜になっていたと思います。
シュガーさんの歌には人を惹きつけてやまないものがあると思います。
それは日々の努力と研究の賜物なのですね。
Play a lifeで新たに沼に落ちる人続出!きっとそんな舞台になると楽しみにしてます!